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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
34.白猫少女と家族の秘密

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34-10.アイドル

 チハちゃんズの面々は、想定以上の活躍を見せてくれた。


 特にカルラ&フェブリ改め、ラブカ&フェリルが結成した冒険者パーティー、【深海の神狼】は大きくその名を轟かせていた。


 時には王都の依頼を根こそぎ奪っていく悪魔として。

時には、元気系美少女二人組のアイドル的な存在として。


 ここ数日、王都冒険者達の間では二人の話題で持ちきりのようだ。



「完っ全にやり過ぎよね……」


『別に良いじゃない。

 ノアからの説教はもう済んだのだし。

 これ以上恐れる事なんてあるの?』


『ダメ』

『イロハ』

『そういう』

『ひらきなおり』

『よくない』


 そうよ!そうよ!

もっと言ってやってハルちゃん!



『どうせならこの状況を上手く利用しちゃいなさいよ。

 今更頭抱えたってしょうがないじゃない』


『それはどうい』


 ハルちゃん!?



『いいきかい』

『ぷろでゅーす』


 そう言えば前にそんな事言ってたわね……。

ハルちゃんならPちゃんやるより、アイドルの方が向いてそうだけど。



『きょうみない』

『ハル』

『アルカだけの』

『アイドル』


「ハルちゃん!!」


『はいはい。

 話進めるわよ~』


「『は~い』」


『それで、アイドルやらせてどうするつもり?』


『じっけん』


『じんしん』

『しょうあく』


『悪くないわね。

 お誂え向きに、あの国、イオニアの王都を活動拠点としているのだもの。

 サンプルも十分な数が揃えられそうよ』


「イロハの言い方はともかく、確かに面白そうかも。

 二人の制御的な意味でも全部ハルちゃんに託すわ!」


『おけ』


『単なる丸投げじゃない』


「良いの。

 ハルちゃんがやりたがってるんだし」


『まあ、無軌道に活動を続けるよりはマシね。

 やるなら具体的な目標を定めましょう』


『どーむこうえん』


「ドーム作るの?

 流石にもうお小遣い無いよ?」


 私の元々持っていた莫大な財産は、とっくにカノンに渡してある。


 その上で、先日クリオンの一等地にお屋敷を買ったばかりなのだ。


 あれで手元に残ってたやつ殆ど使い切っちゃったのよね……。

金欠なんて、何年ぶりかしら。



『カルラ達がたんまり稼いでるじゃない』


『とはいえ』

『けいぞくてき』

『むずかし』


『ギルド』

『けいかい』

『だししぶり』


『それに』

『じゅりょう』

『まだ』

『じかんかかる』


『そっきん』

『むずかし』


 ギルドとしても、いきなりそんなに大量の成果を持ち込まれても、処理が追いつかないのだ。


 結果的に、全ての依頼完了を認めては貰えなかった。

というか、認めるには時間がかかると言った方が正しいか。


 カルラ達は、特例で持ち込む成果物に制限を設けられてしまったのだ。


 幸い収納スキルもあるから大した問題では無いけれど、一日に提出できる量に限りがある。


 その分、報酬を受け取れるのも先になるという状況だ。


 とはいえ討伐系に関しては、既に対象の魔物達を狩り尽くしてしまっている。


 その結果、今のギルド本部では新しい討伐依頼が貼り出されていないらしい。

常設の採取系くらいしか受け付けていないようだ。


 これに関しては、割と洒落にならない被害を出している。

その日暮らしも珍しくない冒険者達が、何日も碌な依頼を受けられないとなると、食いっぱぐれる者達も出てくるだろう。


 ギルドの方もこの件は憂慮しており、早々に対策を打ち出してきた。

具体的には、ダンジョンで手に入る素材の買取額アップだ。

他にも、不慣れな若手への臨時講習等も始めたそうだ。


 この件をきっかけに王都から冒険者達がいなくなってしまっては、ギルドにとって多大な損失となってしまう。

ギルドも今は必死なのだろう。

まじごめん。


 そんなこんなで、今は何時にも増してダンジョンに潜る者達が多くなっている。


 ちなみに、【深海の神狼】は王都近郊ダンジョンへの立ち入りを禁止されたそうだ。

本人達は大層残念がっていた。

どうやら、全ダンジョン制覇を目論んでいたらしい。


 カルラ達が暇を持て余すのも時間の問題だ。

何せ、今は成果物の納品と観光くらいしかやることが無いみたいだし。

何故かその間にも着々とファンが増えてるっぽいけど。


 王都から遠いダンジョンの探索も許可してあげようかな。

二人は律儀に王都から離れすぎないようにしてくれているけれど、私が許可を出せば喜んで飛び出して行くことだろう。


 まあ、その辺は追々考えよう。

少し派手にやりすぎたのは事実だし。


 この様子では、全ての納品が終わっても自由に依頼を受ける事は難しいだろう。

多分、強引なランクアップと指定依頼の連発が待っているはずだ。


 早々に冒険者業は廃業かしら。

続ける事は出来るだろうし、稼ぎも問題ないけれど、別にお金稼ぎが目的ではない。

あくまでも、自由に世界を見て回るのが一番最初の目的だ。

次点が、ギルド本部の動向を探る事だ。

アメリから目を逸らさせるのは、更にその次くらいだ。


 ギルドに好き勝手利用されるのは本意ではない。

イオニアの王都に住んで、噂話を集めたり、時にはギルド本部に侵入したりでもすれば十分だろう。

冒険者活動はその隠れ蓑に過ぎないのだから。


 そういう意味でも、二人の暇潰し的な意味でも、アイドル業は良い考えかもしれない。

ギルドに頼らずとも、同様の成果を期待できるはずだ。



『『やる!!』』


 試しに聞いてみたら、即答だった。

楽しそうな気配を感じ取ったようだ。



『ぶっぱん』

『がっぽがっぽ』


「あこぎなやつはダメよ」


『まかせろ』


 まあ、お金も入るなら一石二鳥よね。

チハちゃんズの活動にもそれなりに軍資金は必要だし、場合によってはシオンを通してセレネの教会に寄付金を差し出してもいい。

きっと国取りの助けにもなれるはずだ。


 うん。そう考えると、シオンの設定変更はナイスアイディアだったかも。

色々繋がってくると、なんだか楽しくなってくるわね!



『つまり子供達に稼がせて、そのお金で推しに貢ぐのね』


「どうしてそういう事言うの!?

 めっちゃやり辛くなるじゃん!」


『元はドーム建設費の話だったじゃない』


「それ本気だったの!?

 というかイロハも乗り気なの!?」


『もんだいない』

『どっちもやる』


『それでもどの道変わらないわよね。

 カルラとフェブリの稼いだお金をセレネに貢ぐんだから』


「言い方!!!

 イロハの意地悪!!

 いつもいつもそうやって!!」


『悪かったわ。

 少し虐めすぎたわね。

 大丈夫よ。

 私はどんな最低なアルカでも愛してあげるから』


「やっぱり最低だと思ってんじゃん!

 大体それ言い出したら、私今無職だよ!

 ハーレム築いておいて、お金も稼がずにチヤホヤされてるんだよ!」


『ごめんなさい。本当に言い過ぎたわ。

 そうね。洒落になってなかったのよね』


「謝ってるふりして刺してこないでよ!?」


『大丈夫よ、アルカ。

 あなたは働く意思はあるのだから。

 ただ、周りがそれを許してくれないだけなのよ』


「絶対わざとでしょ!

 いい加減本気で怒るよ!」


『きにすんな』

『チハちゃんズ』

『アルカのてあし』

『アルカのぶか』

『アルカがしゃちょー』

『しゃいんがかせぐ』

『アルカがとうし』

『それだけのこと』


「うぅ……ハルちゃぁん~」


『だいたい』

『イロハ』

『ひとのこと』

『いえない』


『イロハのこども』

『さんぜんはっぴゃく』

『よんじゅうごにん』


『やしなってる』

『アルカ』


『……別に全員私が産み出したわけじゃないし』


「珍しくイロハが言い訳してるわね」


『そもそも、あの子達の食い扶持を奪ったのはアルカじゃない。

 代わりを提供しているだけなのだから、偉そうに言われる筋合いは無いわ』


『じかんのもんだい』

『ダンジョンコア』

『リソース』

『いずれこかつした』

『せかいからしぼる』

『げんかいある』


『はいはい。悪かったわよ。

 もう言わないわ。

 調子にノリすぎました。ごめんなさい』


「ぷっふふ」


『ふへ』


『……なに笑ってんのよ』


「珍しく子供みたいな事言うから、可愛くってつい」


『イロハ』

『アイドル』

『やってみる?』


『やらないわよ!!』

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