表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
34.白猫少女と家族の秘密

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

903/1403

34-9.あくましんかん

 カルラとフェブリは次々と依頼をこなしていった。


 こっちはもうなるようにしかならないだろう。

そんな若干投げやりな判断で、後の事は二人に任せる事にした。



「最後はシオンね」


 早速シオンとも連絡を取ってみた。


 シオンは、クリオンに観光に来るとある金持ちの使いという設定だ。

主人に先んじてこの地を訪れ、拠点の確保と整備を任されているという事にしてある。


 というか、昨日急遽そういう設定に変更したのだ。


 最初は一介の旅人設定のつもりだった。


 取り敢えずの拠点を探すために賃貸でも探そうとしていたところ、思いの外良さそうな屋敷が売りに出されていたので、折角だし買い上げてしまう事にしたのだ。


 どの道あの町とは長い付き合いになるだろうから、今の内に仕込んでおく意味はあるはずだ。



 それはそれとして、今のところ教会と絡むつもりはない。

国取りに関しては、あくまで観客として楽しむつもりだ。


 とはいえ、流石に数日程度で動きのある事でもない。

国取りなんて、年単位の時間が必要になるだろう。


 既に拠点の確保もしてあるし、数日に一度でも様子を見に行けば十分なはずだ。


 それにしても、都合よく良い物件が偶然空いていてくれて何よりだ。


 ……まさか、グリアの罠じゃないよね?

流石に無いよね?



『心配なら止めておけばよかったじゃない』


 だってぇ~。



『だいじょうぶ』

『いんぺい』

『かんぺき』

『それに』

『かんきゃく』

『くらい』

『もんくいわない』


『それもそうね。

 精々、目に付く位置に置いておきたいって程度かしら。

 なら、こちらから過剰に干渉しない限り、向こうも口出ししてこないわね』


 そうかな~。


 まあそうだよね。

ハルちゃんとイロハがそう言うんだもん。

間違いないよね!



『アルカ様』


『なに?、シオン』


『教会から使者の方が参りました。

 いかが致しましょう』


 あうち。

言ってる側から!

しかも昨日の今日よ!



『悪いけど、手筈通りに追い返して』


『御意』


 シオンは主人がまだ到着していないからと、教会からの使者にお帰り頂いた。


 どうやら単なるご挨拶だったようだ。

使者はすぐに退散していった。



『今後もその調子でお願いね。

 噂だけ集めてもらえば、あとは好きに過ごして良いから。

 もちろん、何時でも帰ってきていいからね』


『承知致しました。アルカ様』


『くれぐれも、私達の事を気にしすぎてはダメよ。

 シオンの望む事を優先してね』


『アルカ様の側でお仕えする事こそ我が望みです』


『もう。シオンったら。

 わかった。ならこっちで私とチハちゃんズ全体の補助も頼むね。

 ヒサメちゃんはまだ不慣れだから、色々助けてあげて。

 そっちの件とも兼任になっちゃうけど、取り敢えずはそれでいいかしら?』


『感謝致します』


 その内、完全な内勤に戻してあげよう。

シオンには悪いけれど、今だけ少し外に出てもらうけど。


 やっぱりチハちゃんズも人手不足ね。

あと二、三人くらい増やせないかしら。



『あてある』


『イロハ』

『しんえいたい』

『ふっかついそぐ』


『そろそろ家族か親衛隊か側近かハッキリしたらどう?』


 イロハがそれ言うの?

イロハの娘達なんだから、イロハが決めてよ。



『嫌よ。

 名付けになんて興味ないもの。

 アルカが好きに決めたら良いじゃない』


 好きにとか言って、結局あれこれ文句付けるくせに。

まあいいわ。

イロハがそういうのなら。



『イロちゃんズはダメよ』


 ぐぬぬ!



『イーちゃんズ?』


『ちゃんズから離れなさい』


 ならイロハハーレムとか?



『違うわよ。そんな関係じゃないわ』


 どちらかと言うと、イロハの娘や配下だものね。


 うむむ。

イロハ隊は?



『却下。私の名前を冠するのも無しよ』


 それじゃあ分かり辛くなっちゃうわ。

うちもチームが複数出来つつあるし、わかりやすさって重要だと思うの。



『知らないわよ。

 アルカが勝手に増やしたんでしょ』


 もう。しょうがないなぁ。イロハは。

そのうち何か考えておくね。



『今決めなさいよ』


 だって思いつかないんだもん。




----------------------




「ハルに理解してもらえて嬉しいわ」


『しかたない』

『アルカのため』


「悪いわね。

 裏切らせてしまって」


『もんだいない』


「覗くのは構わないけれど、ヘメラの名だけは伝わらないようにね」


『だいじょうぶ』

『へんかん』

『かける』


「なんだか怖いわね。

 ハルがその気なら、アルカは現実を正しく認識できなくなってしまうのね」


『ふあん?』


「いいえ。怖いけど不安は無いわ。

 ハルがアルカを傷つける筈無いもの」


『とうぜん』


「程々に。

 でも徹底的に頼むわね。

 この計画は、ヘメラがアルカの所有物となってしまえば成立しないのだから」


『たりない』


『あとからでも』

『かわるかも』


『あれが』

『またくる』

『かのうせいも』


「そうね。

 けれど時間は稼げるわ。

 ヘメラには引きこもってもらうもの。

 魔王の魂が癒えるまでの、五、六百年程度でしょうけど」


『つぎのさく』

『かんがえる』


「皆でね。

 やっぱり、グリアさんも完全に落としてしまいましょう。

 私達にはあの人の力が必要よ。

 この先、いえ。

 例え千年先でもアルカを守り続ける為にはね」


『さくをねる』


「名付けて、グリアさんお嫁さん化計画ね」


『セレネ』

『たのしそ』


「ふふ。

 これでもグリアさんには悪いと思っているのよ。

 けれどそれでも。

 アルカだけではなく、私にとっても必要な人だから。

 地獄の果まで付き合ってもらいましょう」


『かわいそ』

『めつけられた』


「仕方がないのよ。

 悪い魔女の伴侶が、清廉潔白な聖女であるはずが無いのだもの」


『あくましんかん?』


「それ少し違くないかしら?」


『そうかも』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ