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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
34.白猫少女と家族の秘密

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34-4.懸念

 ロボットの回収と改めての周辺調査を済ませてから、自宅に帰ってきた。


 そのまま自室から再び私世界に潜り込んだ。

目的は当然ロボットの解析だ。

まずは肉塊とやらをどうにかしよう。


 コックピットを開ける前に、皆で集まって状況を確認していく。



「ニクス、あれもう生きてはいないのよね?」


「うん。魂は既に離れているよ」


「そっか。なら良かった。

 まあ、一応丁重に葬ってあげましょう。

 シーちゃんの方はどう?」


「解析は済みました」


「なら残りも早めにやっちゃいましょうか。

 丸ごと焼いてしまってかまわないのかしら」


「念の為、解剖を提案します。

 周囲の肉塊部分は不要ですが、最深部に存在している原因物質については、さらなる検証を行うべきかと」


「つまり、先日のとは違うって事?」


「断定は出来ませんが、おそらくその可能性が高いです。

 とはいえ、近しい存在であるのは間違いありません。

 強いて言うならば、バージョン違いが相応しいかと」


「えっと、もしかして例の寄生型金属生命体を産み出した世界が、二度に渡って送り込んできたって事?

 しかも、一回目とは別の、何らかの改良を加えた上で?」


「はい。明確な侵略行為である可能性もあります」


「まじ?」


「マジです」


「しかもそれ、一回目が一万年以上前って事は、こっちの方が時間の流れが速いパターンじゃない?」


「はい。おそらく」


「それじゃあ反撃のしようがないじゃない。

 乗り込んでいって壊滅させたって、こっちの世界に戻ってきたら一万年経ってましたじゃ話にならないわ。

 ニクス、これどうにかならないの?

 向こうのたんとうにクレーム入れるとか何かない?」


「……無理かも。

 特定できればともかく、流石にそんな情報は送り込んでこないだろうし……」


「シーちゃんはその辺どう思う?

 解析出来ると思う?」


「現状の情報では不可能です」


「あうち」


「とはいえ、確かに脅威ではありますが、次の侵略には再び一万の時を要する可能性が高いです」


「まあそうね。

 そう考えれば大した事でも無いかもね。

 次の侵略までに対策を練っておけばいいわけだし」


「何故お主がそのような事を気にするのじゃ?」


「え?

 だって普通に嫌でしょ?」


「その頃、お主ら疾うに土の下じゃろ?」


「ああ。そういう事ね。

 私達不老不死だから」


「なんじゃと!?」


「厳密には寿命が無いってだけで、怪我や病気では死んじゃうけどね」


「そうか……人類がそこまで……」


「あ、いや、違うよ?

 人類全体じゃないからね?

 私とその家族だけって話。

 人類の平均寿命は百年も無いわ」


「……」


 なにその顔。

苦虫を噛み潰した?

何か違う。けどそんな感じ。



「まあそもそも、私一応守護神の使徒だもの。

 その立場から言っても、侵略行為なんて見過ごせるものではないわね」


「ふふ」


 嬉しそうに微笑むニクス。可愛い。



「取り敢えず侵略の事は追々考えましょう。

 シーちゃんの提案も許可するわ。

 調査結果は全てヘスティにも開示して構わないから」


「イエス、マスター」


「感謝する。アルカ」


「シーちゃん貸してあげるから、徹底的に調べ尽くしてやりなさい」


「うぬ」


「私も手伝うよ!小春!」


「ええ。アリスもお願いね」


「うん!」


「そうだ、あと一点だけ。

 ヘスティ、あのロボットは何故あの場所に居座り続けたの?

 侵略者が存在したなら、折角の好機利用しない手はないわよね。

 そのまま地上に出て、単身暴れまわったりも出来たでしょうに」


「わからぬ」


「本当に?」


「うむ」


「そう。ならいいわ。

 シーちゃん。作業を始めてくれる?」


「イエス、マスター」


 シーちゃんとニクスが肉塊の撤去、解剖、火葬と続けるのを見守りながら、心の中で作戦会議を始めた。



『ヘスティは何故あんなに隠し事をするのかしら。

 まだ信用されてないからかな』


『どうかしら。

 単にそういう振る舞いが染み付いてるだけかもしれないわよ』


『女王だったからってこと?』


『ええ。

 影響力が大きい分、余計な事を言わないようにしていたんじゃないかしら』


『なるほどね。

 なら、ロボットがあの場に留まり続けたのは大した理由じゃないのかしら。

 単に、そういう風につくられたからとか、そもそも通れる出口が存在しなかったとか』


『流石にそこまではわからないわね』


『それで、イロハはどう思う?』


『時間遡行の事?』


『ええ。

 それに逆もね。

 ヘスティの本当の目的って別にあるんじゃないかしら』


『国が滅びた原因の話よね』


『そう。どう考えても、あのロボット一体で全ての国を滅ぼしたとは思えないの。

 共有箱は世界中の地下遺跡に分散していたわ。

 ならそれだけ、かの地下帝国は大きなものだったはずよ。

 まあ、それぞれ別の国かもだけど。

 何にせよ、あのロボット以外にも、ドワーフ達を滅ぼした原因があると思うの。

 って、ドワーフだとややこしいかしら。

 エルダードワーフとか、ハイドワーフとかって呼び分けてみるのも良いかもね。

 へパス爺さんとこと、ごっちゃになりそうだし。

 いえまあ、そこはどうでもいいのよ。

 それより、私思うの。

 タイムマシンにへスティを入れた人達は、その何かからへスティを守りたかっただけなんじゃないかって。

 自分達の滅びは回避できないけれど、この優しい女王様だけは生き延びらせたいと思ったんじゃないかって。

 時間遡行はその為の口実に過ぎないんじゃないかしら。

 ヘスティも実はそれに気付いているんじゃない?』


『かもしれないわね。

 計画と言うには行き当たりばったり過ぎるもの』


『めんどう』

『ほんね』

『ひきだす』


『ゆっくりでいいのよ。ハルちゃん。

 ヘスティからも焦りは感じないし』


『諦観めいてるのは確かね』


『おばあちゃん』

『くせもの』

『がんこもの』


『もう。そんな事言わないで。

 何れきっと話してくれるから。

 先ずは仲良くなるところから始めましょう』


『なら取り敢えずアリスに任せておきなさいな。

 アリスもその気みたいよ』


『そうね。いいコンビになりそうね』


『アリス』

『ほれっぽい』

『アルカ』

『そっくり』


『惚れてると言うより、懐いてるじゃないかしら』


『どっちも』

『おなじ』

『いきつくさき』


『それもそうね』


『そうかなぁ……そうかも……』

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