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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
34.白猫少女と家族の秘密

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34-1.遺跡探索

「ヘスティ、調子はどう?

 そろそろ慣れたかしら。

 不便してる事とか無い?」


「そのようなこと、毎度聞かんでよい。

 お陰様で快適に過ごしておるとも」


「そう。なら良かった。

 ごめんね、慌ただしくて。

 それで、ヘスティさえ良かったら、今からあの遺跡を見に行きましょう」


「用は済んだのか?

 別に急がんでもよいのじゃぞ」


「大丈夫。区切りが付いたから」


「そうか。ならば甘えるとしよう」


「うん。了解。

 アリスはどうする?

 折角だし、たまには一緒に付いてくる?」


「良いの!?」


「ええ。勿論。

 ヘスティも良いわよね?」


「ああ。構わぬ」


「ありがと!おばあちゃん!」


「じゃから、ばあはやめいと言うとるじゃろうが」


「二人もすっかり仲良しね」


「うん!

 ヘスティ優しくて大好きだよ!」


「あらあら。すっかりおばあちゃんっ娘ね」


「おい」


「ごめんて」


 私はヘスティを連れてニクス世界に戻り、ハルちゃんの分体と同じ要領でアリス用の魔力体を産み出した。



「体の調子はどう?

 普段のシーちゃんのやつとは違うけど、問題はない?」


「うん。大丈夫。

 最近、すっごく調子が良いの。

 多分この体もすぐに使いこなせるよ!」


 そう言えば、アリスは私の成長とリンクしてるのよね。

どうやらハルちゃんと融合した影響が、アリスにも伝わっているようだ。


 うん?

この考え方はちょっと違うかも?

アリスとハルちゃんは、ほぼ同じような状態なのかも?

私、ハルちゃん、アリスの三人が融合していると考えると近いのかも。

いやまあ、それもそれでまた違うんだけど。

アリスは私から分離した事で、他の子達よりずっと深く強いパスが繋がってるだけだし。

取り敢えず、結果的に似たような状況になってるっぽい。


 なら、やろうと思えばアリスとの意識共有も出来るのかな?



『むう』


 ごめんて。

考えてみただけ。

やらないわ、ハルちゃん。



『何にせよ、混沌ちゃんの産み出したアリスはまだまだ謎が多いわね。

 この機会に、ハルが研究してみたら?

 アルカと融合した今なら、アリスにも干渉出来るのでしょ?』


『めいあん』


『良いけど程々にね。

 アリスを実験動物扱いしたら嫌よ?』


『まかせろ』


 ほんとかなぁ?

まあ、イロハも見ててくれるだろうし大丈夫か。

言い出しっぺだし。



『迂闊だったわね』


 任せた!イロハ!



 ヘスティがアリスを至近距離で眺めている。

どうやら興味津々のようだ。



「お主らには驚かされてばかりじゃ」


「ヘスティも知りたいなら教えてあげるよ。

 いっそ、アリスと一緒に研究班に加わってみたら?

 好きな事を好きなだけ研究してて良いわよ?」


「ふむ。魅力的な話じゃな」


「他にもやりたいことがあったら、遠慮なく言ってね」


「そんな事よりお主、いい加減気にならんのか?」


「何が?」


「余がああして眠っておった理由じゃ」


「話したいなら聞くわ」


「何じゃ、気遣っておったんか」


「そりゃそうよ。

 だってヘスティの国はとっくに滅びてしまっているのだもの。

 けれどヘスティは一人だけで助かりたくてあんな事をする人じゃないわ。

 ヘスティが女王だったと言うのなら、きっと国の為に必要な事だったのでしょう?

 そしてそれは、最早叶わないものなんじゃない?」


「ほう。

 お主、意外と賢いのじゃな」


「意外とは余計よ」


「ああ、すまぬ。ついな」


「それより、話はあっちでも出来るでしょ。

 いい加減出発しましょ」


 私はヘスティとアリスを連れて、ヘスティと出会った遺跡に転移した。


 そのまま、ヘスティを先頭に遺跡内を歩いていく。


 ヘスティには明確な目的地があるようだ。

風化した光景に若干戸惑いはしつつも、しっかりとした足取りで進み続けている。



「今日は怖がらないのね」


「当然じゃろう。

 ここは余の国じゃ。

 何を恐れる事がある」


「いやでもほら、人住んでたのはもう何千年も前だし。

 魔物とかも出るかもよ?」


「お主の敵ではなかろう」


 とか言いつつ、思い出したように震えだすヘスティ。

そんなヘスティの下にアリスが駆け寄って手を握った。



「大丈夫だよ!へスティ!

 私が絶対に守るからね!」


「う、うむ。

 任せるのじゃ」


 震えが止まった代わりに、今度はアリスの勢いに若干引いてるようだ。


 残念ね、アリス。

まだあなたの片思いみたいよ。


 それでも、アリスとヘスティは仲良く手を繋いで歩き出した。

なんだかこうして見ていると、同年代の友達のようだ。

アリスは生後数ヶ月だけど。



『まだ二月も経ってないわよ』


 あれ?そんなもんだっけ?

体感、半年以上前なんだけど。



『ツッコまないわよ』


 そうね。流石にしつこすぎたわね。


 鼻歌交じりにへスティと握った手をフリフリしながら歩くアリス。

今日は何時にも増して上機嫌ね。



『もうアルカより、ヘスティの方が好きなんじゃない?』


 やめて!そういう事言わないで!

嫉妬して割り込んじゃうじゃん!



『すてい』


 わん。



「ここじゃ」


 暫く歩いた先で、ようやく歩を止めたヘスティ。

どうやら、眼の前にあるのは扉のようだ。

なんだか丸い形をしている。

横に転がすのかしら?



「ふむ。流石に死んどるようじゃのう。

 仕方ない。壊すとするか」


 ヘスティのコールドスリープ用システムは生きていたけれど、この扉のシステムはダウンしているようだ。

まあ、これに関しては前者がおかしいのだろうけど。


 それだけ、ヘスティを生かすことに全力だったのだろう。

あのシステムを作った者達は。



「私がやるね!」


 張り切って前に出る、アリス。



「くれぐれも慎重にのう。

 派手にやれば、生き埋めじゃぞ」


 アリス、もとい、扉から思いっきり距離を取る、ヘスティ。



「まっかせて~!!」


 あかん。嫌な予感がする。



「どっか~ん!」


 アリスの可愛らしい掛け声に続いて、可愛げの無い大爆発が発生した。

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