表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
33.白猫少女とパンドラの箱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

873/1384

33-17.プロット会議

 会議を終えてニクス世界に戻ると、今度はノアちゃんとセレネが待ち構えていた。



「戻りましたね、アルカ。

 早速ですが」


「国取りの件ね。

 良いわよ。打ち合わせしましょうか」


「皆さん既に揃っています。

 行きましょう」


 ノアちゃんに続いて、今度は自宅の会議室に移動する。


 会議室には、ツクヨミ、クレア、ソフィア、ニクス、カノン、それにグリアまでもが揃っていた。



「グリアがここにいるって事は、同意してくれたのね?」


「そう捉えて構わん」


「そう。よかった。

 心強いわ」


 流石セレネね。手際が良い。

ノアちゃんも完全に納得しているみたいだし。


 ついでにカノンまで誘ってくれたようだ。


 私はノアちゃんに秘密にするつもりだったから、最低限の子達にしか声をかけなかった。

けれど、セレネの考えは違った。


 まあ、カノンは頼りになるものね。


 それに、パンドラルカの活動とも考えられるのだし、そうなれば家族に要らぬ秘密を抱える必要も無くなるのだ。


 正直に打ち明ける方が良い事尽くめね。


 とはいえ、それはあくまでもセレネが責任者となってくれたからだ。

私主軸なら、きっと受け入れて貰えなかっただろう。


 しくしく。これが人望の差なのかしら。


 それとも、私に隠している目論見が理由なのかしら。

カノンも知らされているのかな。

気になるな~。



「それでは早速始めましょう。

 現時点で決まっている事を教えてくれますか?」


 ノアちゃんの言葉を受けて、セレネが立ち上がった。



「私から説明するわね。

 私達のやることは、ずばり国取りよ。

 具体的には教会の本拠地であり、リオシア王国の擁する大都市でもある、都市クリオンを中心として独立するつもりよ。

 本当の目的は敢えて明言は避けるけれど、表向きには情報収集の一環ね。

 今回ノアがムスペルで見た箱型魔道具のように、各国は思わぬキッカケで技術発展を成し遂げる可能性があるわ。

 とはいえ、それは具体的な話ではないの。

 あくまでも可能性の話。

 なぜなら、私達にはわからないから。

 各国がどの程度の速度で発展を遂げているのか。

 そして、その速度は問題の無いものなのか。

 だから、指標を作りましょう。

 私達で国を運営して、どの程度ならば許されるのか、実地検証の場を用意しましょう。

 それが表向きの主旨よ。

 そこまでは良いかしら?」


 表向きとは言え、あくまでも私達の中での話だ。

対外的な名目ではない。

それはこれから考えていくのだろう。



「無いようだから話を続けるわね。

 この計画の総責任者は私が務めるわ。

 参謀役にグリアさんとソフィア。

 ソフィアにはグリアさんの身辺警護及び補助も任せるわ。

 クレアとツクヨミには私の警護に入ってもらう。

 そしてツクヨミにはもう一つ重大な役割を任せるわ。

 ニクス、ノア、カノン、それにアルカは外部協力者よ。

 要所要所で力を借りる事はあるけれど、基本的には手を出さないでいいわ」



「クレアさんの立ち位置は本当に警護だけなのですか?」


「今のところはね。

 勇者としてのクレアに出てもらうかは、これから検討するわ」


 なるほど。

一先ずそういう方針にしたのか。

ならニクスもかな。


 神託や勇者なんて持ち出してしまえば、引っ込みがつかなくなるはずだ。

先ずは目立たず動きたいのかしら。


 まあ時間はいくらでもあるから、事は慎重に進めてもらって構わない。



「聖女としての立場は利用するの?」


「いいえ。

 アルカの考えているような使い方はしないわ。

 聖女はアリバイとして利用する事にしたの」


 つまり?



「私が聖女として、征服者と交渉するのよ。

 そしてリオシアとの橋渡し役になるの。

 征服者はツクヨミに務めてもらうわ。

 これなら、アルカに敵意が向く事も無くなるはずよ」


 あれ?

なんか妙な話になってる?

というか、いつの間にそんな具体案まで考えてたの?



「グリア、あなたまさか私達より先に国取りの事考えてたの?」


「ああ。その方法も検討はしていたとも。

 流石に提案するつもりは無かったのだがね」


「セレネの方から提案されて、渡りに船と飛びついたのね」


「必要なことだ」


「勇者と神を使わないことにしたのも、グリアの案ってわけね」


「そちらはサブプランだ。

 征服者と聖女の寸劇で話が纏まらなければ、勇者に英雄となってもらおう」


「用意周到な事ね。

 良いわ。セレネも納得しているみたいだし。

 続きを聞きましょう」


「いや。その必要はない。

 アルカ君。君はここまでだ。

 後は我々だけで続けさせてもらう」


「何言ってるのよ。

 話くらい聞かせなさい。

 それ以上、口出しも何もしないと約束するわ」


「あらすじは伝えた。

 もう君は必要ない」


「そこまで私を関わらせたくないわけ?

 そっちがその気なら、私だって強引な事をするしかなくなるのよ?」


「やめてくれ。

 これは君の為だ」


「アムルと邪神の関係が、今更私にどんな悪影響を及ぼすって言うのよ」


「セレネ、君は。まったく」


「ごめんなさい。喋りすぎたわ」


「だがまあ、その程度の認識ならば問題はない。

 ここは引きたまえ、アルカ君」


「ならなんで呼んだのよ?」


「知っておいてほしかったからだ。

 ツクヨミ君を悪者として扱うのだ。

 君の許しが必要だろう」


「ツクヨミ」


「委細承諾済みでございます。アルカ様。

 全てはアルカ様の御為に」


「……わかった。

 私はこの件から手を引くわ」


 精々チハちゃんズの目を通して、観劇でもしてやるわ。

丁度リリカもリオシアに潜伏してる事だし。



「ごめんなさい、アルカ。

 ですが」


「ううん。こっちこそごめんね。

 少し言い過ぎたわ。

 大丈夫よ、ノアちゃん。

 皆の気持ちはわかってるから。

 ありがとう、皆。

 後は任せたわね」


 私は会議を抜けて、自室に転移した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ