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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
33.白猫少女とパンドラの箱

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33-16.作戦会議

 夕食の席で早速今日あった事を報告してみた。

ニクスがツムギとの関係を話した事で、今回ばかりは不満を言う娘もいなかった。


 いやまあ。

何時も出る不満は、相手ではなく私に対してなんだけども。


 というか、結局ニクスからのお叱りも無かったわね。

「帰ったら話があります」っていうのは、私があまりにもチョロすぎて、思わず苛ついてしまっただけなのだろうけど。


 夕食と報告が終わった後、私はチグサとミーシャ、それに協力を名乗り出てくれたミヤコ、ヤチヨ、セシルを連れて、シーちゃんの船にある研究室を訪れた。


 もちろん、イロハとハルちゃんも私と共に来ている。


 イロハは今も同化を解けない状況だ。

私とハルちゃんの融合の経過観察を続けているからだ。



「それじゃあこのメンバーで、イロハの側近救出プロジェクトを始めるわ。

 皆状況はわかっていると思うけど、改めて説明させてもらうわね」


 シーちゃんが私の背後にスクリーンを出現させた。

スクリーンには、ダンジョンコアの詳細が映し出されている。



「かつてイロハは、ミーシャ世界で私達を迎え撃つ為に、側に置いていた子達をダンジョンコアに取り込んだの。

 そうしなければ太刀打ち出来ないと踏んだから。

 これは私の落ち度よ。

 イロハ達から見れば、私は仲間達を次々に奪い去る侵略者だったのだもの。

 何をしてでも撃退する必要があった。

 そもそも、イロハは自分で望んだわけじゃ」


『アルカ。やめなさい』


「アルカ様。

 我々はイロハ様を信じております。

 アルカ様のお気持ちも存じておりますが、その必要はございません。

 どうかそれよりも、今は本題に」


「うん。ごめん。

 イロハ、ミヤコ。

 話を続けるわね」


 私は収納空間からコアを取り出した。



「このコアは、かつてイロハの支配下にあったものよ。

 イロハは、このコアに仲間達を取り込ませて、代わりに力を引き出した。

 だから今は、リソースが殆ど空っぽの状態ね。

 とはいえ、世界一つを支配した強大な存在でもある。

 ハルちゃんが支配を受け継いだけれど、ハルちゃんだけでは今尚手に負えていないわ」


 リソースとコア自体の持つ力の強大さは別の話だ。

今までは封印しておくしか無かったものだけど、これを機に徹底的に解析してしまおう。



「取り敢えずのやるべき事は二つよ。

 このコアにリソースを補充する事。

 その上で、このコアに取り込ませた子達を取り戻す事。

 出来るかどうかわからないけど、必ずやり遂げてほしい。

 もちろん、他の案も受け付けるわ」


「アルカ、一ついいかしら」


 今日も闇モードのセシルが手を上げた。

私と接する時は今後もずっとそれでいくつもりなのかしら。



「どうぞ、セシル」


「そもそもの話なのだけど、コアに取り込むという事は、リソースに分解するという事ではなくて?

 つまり、既に純粋なエネルギーへと変じてしまった者達を取り戻す手段など、最初から存在しないのではないかしら」


 セシルは皆が疑問に思っていながら、聞きづらいであろう事を聞いてくれた。

これは気遣いによるものだ。

セシルはそういう娘だ。



「そうね。

 イロハもハルちゃんも、そう結論付けたわ。

 だから今までは不可能と考えていたの。

 それでも私達は取り戻したい。

 だからお願い、皆。

 無茶を言っているのは百も承知よ。

 どうか力を貸して」


「もちろんよ。

 ただ、方法は見直すべきではないかしら。

 例えば過去渡航なんかはどう?

 過去のあの世界に乗り込んで、イロハがコアに取り込む瞬間にすり替えるの。

 取り込まれた子達を攫って、代わりに同量のエネルギーを送り込んであげましょう。

 そうすれば、最低限の影響に抑えられる筈よ」


「ミーシャ、今のセシルの話は可能だと思う?」


「……現実的ではありません」


「不可能では無いのね?」


「アルカ様が神へと成られるのであれば」


 過去改変は神にしか出来ない事なのかしら。


 かつてお姉ちゃんがこの世界の過去にやってきたとは言え、送り込んだのは神となった別の未来の私だ。



「それでも構わないわ。

 案の一つとして候補に入れておきましょう」


『ダメよ。認めないわ。

 家族を裏切るくらいなら潔く諦めなさい』


「アルカ様、それにはもう一つ問題があります。

 過去に誰かを送り込んで、失われた者達を救う事は可能ですが、その者達をこちらの時代に引き戻す手段がありません」


「つまりイロハの子達どころか、送り込んだ実行役も、私達の下には帰ってこれなくなるのね」


「その通りです」


「ならダメよ。

 犠牲が出る方法は認めないわ」


『それはあなたもよ、アルカ』


「ごめん、イロハ。

 とはいえ、帰還方法さえ確立出来るのであれば、不可能ではないのよね。

 取り敢えず諸々の問題が解決できないかは、後で考えましょう。

 他に案や疑問はある?」


「小春先輩」


「ヤチヨ、どうぞ」


「仮にサルベージが上手くいったとしましょう。

 その場合つまりは、コアにイロハの側近達の情報が残っていたという事になるのでしょう。

 ですがその時、復元された者達は本当に本人なのでしょうか」


「えっと?」


「コアが記録していたその者達の記憶データを引き継いだだけの、別人となってしまうのではないでしょうか」


 なるほど。スワンプマンってやつか。

完全に同じ情報を元に作られた、よく似た別人を本人として認識すべきかどうかという話よね。



「その件は追々考えるとしましょう。

 単純に、休眠状態でストックされている可能性もあり得ない話ではないでしょうし」


「アルカはん、そらあり得へんよ。

 ヤチヨ言うたこと正しい思う」


「わかった。

 その件はイロハともよくよく話し合ってみる。

 それはそれとして、例えヤチヨの言う通りの状況になるのだとしても、サルベージ方法を検討して欲しい」


「承知いたしました。小春先輩」


「セシルもヤチヨもありがとう。

 言い辛い事を言ってくれて。

 そういう意見も重要よ。

 他には何かあるかしら?」


 それから暫く話し合いは続いた。

皆で様々な意見を出し合いながら、問題点も洗い出していった。

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