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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
33.白猫少女とパンドラの箱

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33-14.サブスク

 私はノアちゃんに補足してもらいながら、魔王事件の事を話した。


 特にクレアの活躍については、ノアちゃんの熱の籠もった演説により、詳細に明かされたのだった。


 ノアちゃん、クレアの事好きすぎよね。

クレアが嫁入りしたの、実はノアちゃんが一番喜んでたり?

何にせよ、少し妬けちゃうわ。

今度二人まとめてわからせてあげましょう。



『アルカ、結果が出たよ』


『どうだった?』


『ベアトリスの前世は間違いなく織部紬だ。

 けれど、ベアトリスはこの世界の住人だ』


『えっと?

 それはもうわかってるんだけど』


『そうじゃないんだよ。

 紬が亡くなったのは、この世界での話だ。

 つまり、魔王の更に前の世代の転移者という事だよ』


『ニクスは気が付かなかったの?』


『流石に見た目は全然違うからね。

 けど名前を知った時点で思い至ったよ。

 時間がかかったのは、原因も調べていたからだよ』


 ってそうか。

ツムギが名乗ったのはニクスが調べ始めた後なのか。

でも途中で一声かけてくれても良かったのに。



『知ってるでしょ?

 神の座で調べ物してる時は、簡単に連絡取れないんだってば』


 そうでした。

素で忘れてたわ。



『それで、原因は何だったの?

 というか、何でツムギは前世の事を中途半端にしか覚えてないの?』


『転生の原因は、前世のツムギがそう望んだからだよ。

 当時のツムギも研究が好きでね。

 その成果を見るために、遠い未来に転生したがったんだ』


『ニクスは忘れてたの?

 それを覚えていたなら、すぐに気付いたはずでしょ?』


『ああごめん。言い方が悪かったね。

 私がその望みを叶えたわけじゃないよ。

 ツムギが自らの努力で成し遂げたんだ』


『転生を?

 なんでこんなに時間がかかったの?』


『そこはノーコメントで』


 禁則事項もなんだか久しぶりね。



『記憶の方は?』


『細かい話は省くけど、要は事故だ。

 無理もないよ。

 転生の術なんて、成功しただけでも驚きなくらいだし』


『ツムギは何の成果を見たかったのかしら』


『そこは触れないであげて』


 そっか。

研究の成果は継がれなかったのね。

ならわざわざ思い出させる必要も無いわよね。


 むしろ、新しいチャンスが巡って来たのだ。

私との出会いによって、今度はより確実な方法で成し遂げられるはずだ。



『今度は私も寄り添うよ。

 ツムギともまたこうして出会えたんだから』


『まさか、元カノ?』


『違うよ。

 そんなわけないじゃん。

 私、アルカ以外の転移者と深く関わった事なんて無いよ』


『それはそれでどうなのよ。

 アフターサービスが足りてないんじゃない?』


『アルカだって事情は知ってるくせに……』


『そうね。ごめんなさい。言い過ぎたわ。

 深く関われないのはニクスの権能のせいなのよね』


 ニクスは災いを齎す神だ。

下手に接触すれば、それだけで相手を害してしまう。

その事で一番苦しんできたのは、他ならぬニクス自身だ。



『アルカくらい頑丈な子は今までいなかったからね』


『私だけって事ね。

 ニクスのあいをいくらでも受け止められるのは』


『その言い方は普通に嫌なんだけど』


『もう。ノリが悪いわね。

 どうしたの?元気ない?』


『ううん。違うよ。

 少し考えすぎてしまっただけだから。

 それよりツムギの事よろしくね。

 私は何もしてあげられなかったから。

 代わりに、アルカがいっぱい報いてあげて』


『ええ。任せておいて。

 私の伴侶として、永遠の幸せを約束するわ!』


『……帰ったら話があります』


『え?あれ?

 ニクス、怒ってる?』


『バカ』


 なんでよ!?

ニクスも頼むって言ったばっかじゃん!?

昨日お嫁さん増やすの許してくれたじゃん!!



「小春、どうしたの?」


「ううん。ごめん。なんでもない。

 それより、ツムギの正体がわかったわよ」


「正体って。何よその言い方」


「あ、ごめん間違えた。

 ツムギがこっちに来た経緯ね。

 なんか事故だったみたい」


「事故ぉ!?

 なぁによそれぇ!?」


「代わりに幸せにしてあげてって頼まれたわ。

 そういう事だから、ツムギも観念して嫁に来てね」


「納得いくかーー!!」


「じゃあ嫁入り止めるの?」


「ちょっと真剣に悩むわね」


「うちに来ればアニメ見放題よ」


「何よそれ!?どういう事なの!?」


「なんなら映画館も遊園地もあるわよ」


「意味がわかんない!

 というか質問に答えてよ!」


「ノアちゃん、少し席を外すわ。

 後を頼めるかしら」


「まったく。

 もう完全に本気じゃないですか。

 そんな餌まで使って必死になって。

 毎回毎回、惚れるの早すぎですよ」


「ごめんね、ノアちゃん」


「少しは否定して下さい。

 あまり時間かけ過ぎないで下さいね。

 何時間も姫を攫ってしまっては騒ぎになりかねませんから」


「うん。少しだけね」


 私はツムギだけを連れて、私世界に潜り込んだ。

マリアさんとステラちゃんには、ノアちゃんが上手く言っておいてくれるだろう。

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