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6-6.望郷

「違う国となると結構町の雰囲気も変わりますね~」



「うん?ああ、そうね。

ノアちゃんはこの国に入ってから大きい町は初めてだったものね。

村とかは大差ないけれど、大きな町は違いが目立ってくるわよね」


「はい!

建物とか歩いている人の服装とかも少しずつ違ってて面白いです!」


「そうね。もっと離れると全然違う所なんかもあるのよ?

ここらは普通の石材や木材の建物だけど、

土とかを使って家を作っている時もあるし、

おっきな木の中をくり抜いて住んでいる人達もいるの」



「え~!全然想像できないですよ!

どんな人達が住んでるんですか?」



「土の家は人間が多いけど、

木の家はエルフが住んでいるの。

生活文化も全然違うからノアちゃんきっと驚くわ」



「楽しみです!

アルカはどんなところに住んでいたんですか?」



「別の世界のこと?

そうね~なんて言ったら良いのかしら」



「言い辛いのですか?

あまり思い出させたらダメだったでしょうか・・・」



「ううん。そんな事無いのよ。

ただこの世界と違いすぎて説明が難しいの。

もしかしたら、ドワーフの国が一番近いのかもしれない」



「あんな感じなんですか?なんだか不思議な素材でしたよね?」



「あれともちょっと違うんだけどね。

建物自体は木や鉄で出来ているのが殆どなんだけど、

外壁に・・・え~となんて言えば良いのかしら。」


「すっごい細かい砂を水と混ぜていっぱいいっぱい固めて

固くしたものを壁に貼っていくの。

他にもいろんな種類があるんだけどね」


「この世界にもあるのかもしれないけど、

あまり一般的ではないでしょ?

あっちの世界は殆どの建物が同じように作られているの」


「で、そうやって建物をずっと長持ちするようにするんだけど、

そうすると、なんとなく雰囲気があのドワーフの国みたいになるの。

こっちの建物に比べて壁がつるつるして見えるというかそんな感じかな?

ただ、ドワーフの国は白一色だったけど」


「この世界は木や石そのままだから、灰色とか茶色とかの色が多いでしょ?

あっちの世界はいろんな色があってカラフルなの。」


「青とかオレンジとか緑とかあんまり建物の色としては

馴染のないものまであるのよ?

まあ、白とか灰色とかも多いんだけどね」



「なんだか楽しそうですね!」


ノアちゃんがキラキラした目をしてる。

お姉ちゃんもっと話しちゃうぞ!



「あと、地面や道が全然違うの。

地面はみんな石を粉々にして集めて固めたみたいなもので覆われているの。

コンクリートっていうんだけど、

私は本当の作り方は知らないから、

実際には全然違うかもしれないけどね」


「まあ、とにかく地面が土や石畳と違って、

灰色か黒みたいな所が多かったかな」


「後は、あっちの世界は車っていう鉄の箱が道を馬車より速く走っていたから、

専用の道があったの。信号機や標識なんてのもあったわね。

後は電線とか!」




「よくわからないですけど、アルカ楽しそうです!

やっぱりまだ帰りたいですか?」



ノアちゃんが不安そうに見上げてくる。

今日のはガチのやつだ。



「う~ん。帰りたくないと言えば嘘になるわね。

けれどそれ以上にノアちゃんとは離れたくないかな」



「そうですか。良かったです」


そう言いながらも、ノアちゃんは浮かない顔をしている。


私が帰っちゃうかもとか、

ノアちゃんに縛られて帰れないんじゃとか、

そんな感じの事を考えてるのかな?


私はノアちゃんに詳しいんだ!間違いない!



「ノアちゃん!」


私は衝動的にノアちゃんを抱きしめる。



「こんな所でやめて下さい!

アルカはすぐそうやって!」


良かった元気になったようだ。

代わりにちょっと叱られてしまったけど、

まあノアちゃんのためなら是非もなし。



「そういえば今はどこに向かっているんですか?

真っ直ぐ迷いなく歩いてますが」


「ギルドよ。この町は少しだけ長くいたから、

少し顔を出しておこうと思って」


「そうなんですか?誰か知り合いがいるんですか?」


「いや・・・まあ・・・そうでも、ないんだけどね」


「なんだ、がっかりです」


ガーン!!!

ノアちゃんにがっかりされた・・だと・・・


「じゃあ、なんでわざわざ?」


「まあ、多分行けばわかるわ・・・」


「?まあ良いです。もうすぐ着くのでしょうし。

ところで久しぶりに依頼を受けませんか?

そろそろ戦っておかないと体がなまってしまいますよ?」


「まあ、そうなんだけどね・・・

ここではちょっとなぁ~

それにこの辺に強い魔物なんていないわよ?」


「それもそうですね」



そうして冒険者ギルドに辿り着いた。


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