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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
33.白猫少女とパンドラの箱

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33-9.勧誘

 ニクスと深層を出た後は、クレアと合流してニクス世界の私の部屋に移動した。


 というかこいつ、結局戻ってこなかったわね。

アメリに頼めば私のところに転移してくる事だって出来たでしょうに。


 私の見張りとやらはどうなったのかしら。

まあ別に良いけど。


 いやむしろ都合が良いわね。

それだけ強くなる事に夢中だという話でもあるのだから。

どうやら、完全に立ち直ったようだし。



「わりぃ。つい夢中になっちまった」


「良いわよ別に。

 それよりクレアに頼みたい事があるの。

 暫くの間、セレネの護衛についてくれないかしら」


「護衛?

 私なんか要らねえだろ?」


「そうでもないわ。

 今回欲しいのは、武力だけの護衛じゃ無いから」


「なんだ?

 暗殺でも警戒してやがんのか?」


「そういう事もあるかもね。

 けどクレアに期待しているのは、勇者としての立場よ」


「なんだそりゃ。

 つまり、飾りになれってんだな?」


「そうよ。

 勇者と言う象徴として、聖女セレネの側にいてあげてほしいの」


「話はわかるけどよ……」


「もちろんクレアの修業についても考えがあるわ。

 ツクヨミに弟子入りしなさい。話は通してあるから」


「確かにあいつなら……」


「必ずクレアに足りないものを補ってくれるわ。

 なにせ私達の中で、ルネルに次ぐ達人なんだから。

 しかもその子が、クレアと同化して中から指導してくれるのよ?

 いい提案だとわかるでしょう?」


「けどよぉ。私はお前の側で……」


「全然側にいないじゃない。

 今は強くなるのが楽しくてしかたないのでしょう?

 ならそっちを優先して構わないわ。

 もう少し落ち着いたら戻ってきて。

 勿論、夜は部屋に来てくれてもいいのよ?」


「わぁったよ。

 その話受けてやる。

 夜は来ねえよ。

 その代わり、毎朝起こしに来てやる」


「キスで起こしてね」


「やらねえよ!」


「もう。何時になったら素直になってくれるのかしら。

 そっちの修業も必要そうね」


 今から深層に連れ込んでやろうかしら。

いやまあ、流石に今日はもう止めとくけども。



「……そっちももう少し待ってろ」


「え!?

 クレア!?」


「うるせ」


 デレた!クレアがデレた!

やっぱり今すぐ!



『止めてあげなさいよ。

 折角前向きになってるんだから』


 そうね!

焦っちゃダメよね!


 くふふふ!

まさかクレアがそんな事を言い出してくれるなんて!

一体どんな心境の変化かしら!

あ~もう!クレアも可愛いわね!


 って。そうだった。

クレアったら、今は美少女モードなんだった。

この姿どうするべきかしら。


 いっそ偽名で勇者をやってもらおうかしら。

クレアは元々Sランク冒険者だし、変に悪目立ちしても困るわよね。


 気付かれる可能性は低いだろうけど、私繋がりで冒険者ギルドの連中は結びつけてしまうかもだし。



「クレア、勇者として活動する間はミレアと名乗ってくれる?」


「ミレア?

 初代っつうか、先代の名だったか?」


「そうよ。

 よく覚えてたわね。

 少し意外だわ」


「うるせ。

 ご先祖様の名前くらい覚えるに決まってんだろうが」


「最近まで興味も無かったくせに」


「一々余計なこと言ってんじゃねえよ!」


「ごめん、つい。

 なんでかクレアにはこんな態度になってしまうのよね。

 でも安心して。私はクレアの事が大好きだから。

 ちゃんと愛してるからね」


「うるせ」


「もう。さっきからそればっかり」


「話は終わりだな」


「ううん。もう一つあるわ。

 セレネのやろうとしてる事だけど、実は国を興そうと思っているの。

 それで、あの教会のある町を取っちゃおうかなって。

 色々大変だと思うけど、よろしくねクレア♪」


「おまっ!それ先に言えよ!

 たちわりぃな!?」


「もう。別に良いじゃない。

 クレアが頭を使うわけでも、武力で制圧しようってんでもないんだし」


「私が旗頭になるって話だろうが!!

 勇者の立場を使うってのはそういう事だろうがぁ!!」


「怒鳴らないで。

 悪かったわ。

 どうしても嫌なら他の方法考えるから」


「他の方法ってなんだ?

 私が手を引けば、セレネが一人で立つって話じゃねえか。

 そんなん聞いといて、引き下がれるわけねえだろうが」


「だからクレアに頼んでいるのよ。

 私の一番大切な人を側で守って欲しいの。

 こんな事、クレア以外には頼めないのよ」


「ノアはどうした?」


「ノアちゃんとはセレネが話をつけるわ。

 その上で、ノアちゃんがどんな道を選ぶかはまだわからないの。

 セレネの側で守ってくれたら嬉しいけど、それ以上にノアちゃん自身にもやりたいことがあると思うの。

 だからクレア、お願いよ。

 ノアちゃんが安心する為にも、クレアの力を貸して欲しい」


「どうしてお前はそう……。

 わぁったよ。私もそのつもりで動いてやる。

 けどな、先代の名前を使うのは無しだ。

 そういう話なら、別の名前を考えやがれ」


「万が一悪名になったら嫌だって事ね。

 わかったわ。

 むしろセレネとも相談して決める事にしましょう。

 セレネとノアちゃんの話し合いが終わった後にでも、また皆で集まって詳細を詰めていきましょうね」


「おう。

 そうしとけ」


「じゃあこの話は一旦これでお終いね。

 私はこれからマリアさんのところに行ってくるけど、クレアも一緒に行く?」


「……いや。いい。やめておく。

 少し考えたい事があんだ」


「そう。わかった」


「くれぐれも姉ちゃんにまで手ぇ出すんじゃねえぞ」


「心配なら一緒に付いてきてよ」


「また今度な」


 そう言って、クレアは私の部屋を出ていった。

考え事って何かしら。


 案外そんなものは無くて、連日お姉ちゃんに会いに行くのが照れくさかっただけかも。

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