表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
33.白猫少女とパンドラの箱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

859/1391

33-3.作戦会議

「それで、先ずはあの箱型魔道具に収められていたという、魔道具の話なんだけど」


「提案です、アルカ様」


「どうぞ、ミーシャ」


「かつてアルカ様が使った、物品を媒介に座標を特定する魔術はどうですか?

 例の箱型魔道具が必要とは言え、眼の前にさえあればいいんですよね?

 ムスペル城の宝物庫で見せてもらうなり、忍び込むなりすれば、他の同型魔道具も見つけられるはずです。

 その手法で、全ての魔道具を回収しきれば、あの国への脅威もなくなります。

 そうなれば、政略結婚を受け入れる理由も無くなるのではないでしょうか」


「お~~。

 ミーシャ頭良いわね。

 撫でてあげるわ」


 私が膝に座るミーシャの頭を撫でると、上機嫌で抱きついてきた。



『むう』


 私のハルちゃんがイラッとしてる。

ダメよ、ハルちゃん。

もう少しだけ歩み寄ってあげようって決めたばかりじゃない。



『むむ』


 良い子ね、ハルちゃん。

後でハルちゃんも撫でてあげるからね。



『ふへ』


『なんか喋りなさいよ』


 大丈夫よ、イロハ。全部伝わってるから。



「とはいえ、状況的にあの箱型魔道具を見せてくれと頼むのは難しいと思うの。

 今はベアトリスちゃんの件で、返事を待ってもらってる状況だから。

 かと言って、侵入も出来ればしたくないわ。

 万が一察知されでもしたら、折角の信頼を失いかねない。

 それで、シーちゃんはどう思う?

 世界の外から、この世界に空けられた空間の穴の座標を特定出来たりはしない?」


 あの箱型魔道具は、箱の内部を世界の外の空間と繋ぐ仕組みだ。

つまり、箱を閉じる度に世界の壁に穴を開けているはずなのだ。


 現時点で穴の空いている場所を探せば、箱の中に繋がる筈だ。



「申し訳ございません、マスター。

 発見自体は可能ですが、特定は難しいかと」


「謝らなくていいわ。

 シーちゃんが悪いわけじゃないもの。

 それで、それはどういう意味?

 特定が出来ない理由を教えてくれる?」


「箱が複数存在している為です。

 重なり合った座標を解析しなければなりません」


 なる、ほど?


 私が理解できていないのを察して、更に詳細な説明を続けてくれた。



「外空間に観測機を放つ事で、世界の壁に存在する亀裂を見つけ出す事は可能です」


 シーちゃんの背後に出現したスクリーン上に、三角形が表示された。



「ですが、その亀裂は、いくつもの亀裂が重なり合ったものなのです」


 三角形に丸、四角、星型、ひし形と様々な図形が重ねて描かれていく。



「正しい座標を特定するには、一つ一つの亀裂を分けて調べる必要があります」


 いくつもの座標が重なって、ぐちゃぐちゃな黒い塊だったものから、一つ一つの図形が別れていき、並べて表示された。



「なるほど。

 その図形みたいにわかりやすい形じゃないから、分別できないのね」


「はい。

 実際には、二次元図形のようなものではなく、数字の羅列に近い状態ですが」


 今度はいくつもの数字が表示された。

次にその数字の合計値が、脇に表示された。


 その合計値から、足されていったものを取り出さなきゃいけないのね。


 足された数字もわからないし、それがいくつあるかもわからない。

そんな状態で、元の数字を見つけ出す事など不可能という事だ。



「わかったわ。

 ありがとう、シーちゃん。

 ならその方法は無しね」


「念の為、観測機は既に放っておきました。

 ムスペル以外の箱が開けば、場所を特定できるでしょう。

 不可視モードですので、見つけ出される心配はありません。

 それでも万が一ムスペルの者が察知した場合は、すぐに帰還させます」


「うん。ありがとう、シーちゃん。

 バッチリよ」


「はい。マスター」


 シーちゃんが私の隣に歩いてきた。


 私はシーちゃんの頭に手を伸ばす。

ナデナデ。


 暫くして満足したシーちゃんは、自分の席へと戻っていった。



「ノルンはどう思う?」


「調査方針はミーシャの案で良いんじゃないかしら。

 それで、少し話を逸らしてしまって申し訳ないのだけど、例の政略結婚を受け入れるのが手っ取り早いのではなくて?

 そうすれば、箱型魔道具とやらも安全に手に入れられるのでしょう?」


「良いの?」


「ええ。ムスペルとの関係を継続したいのであれば、悪い話では無いと思うわ」


「えっと、そうじゃなくて」


「ふふ。わたしはこはるを独占するつもりは無いわ。

 わたしのこはるなら、何人だって抱え込めるもの」


 私はミーシャを隣の席に座らせて、ノルンを抱き寄せ魔法で膝の上に抱え込む。


 そのままノルンの頬にキスをして、抱きしめる。



「ノルンだけよ~何時でも私を甘やかしてくれるのは~」


「マスター、聞き捨てなりません」


「そうですよ!私もですよ!」


「アルカ様、この場に集まったのはアルカ様に甘、寛容なメンバーかと。

 もちろん、この私も含めてです」


 そうね。ミヤコの言う通りだわ。

これは失言だったわね。



『ハルも』


 ハルちゃんはしょっちゅう機嫌損ねてない?

さっきもミーシャに対して苛立ってたし。



『うまれかわった』


 いやだから、さっきミーシャに。



『ゆるす』


 あ、はい。そすか。



『何時までも漫才してんじゃないわよ。

 さっさと話進めなさいよ』


 イロハはなぁ~。

厳しいこと言うけど、全部私の為だもんなぁ~。



『それならノア達も一緒じゃない。

 誰も彼も、アルカに甘すぎるわ』


 期待の新人セフィ姉は、どこまでストッパーになってくれるかしら。



『人ごとみたいに言ってんじゃないわよ!

 人任せにしないで自制しなさいよ!』


 はい。ごめんなさい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ