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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
33.白猫少女とパンドラの箱

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33-1.フリーダム

「え?

 ベア姉ちゃん?

 なんで?」


 朝になって、いつも通り我が家を訪れたエリスに、ベアトリスちゃんの事を聞いてみた。


 すると、訝しげな視線と共に、そんな質問が帰ってきた。

まさか、エリスにまでそんな目を向けられるなんて……。



「エリスのおじいちゃんに嵌められたの」


「あ、そういう事なのね。

 納得だよ。

 でもそっか。

 別におかしな事じゃないよね。

 むしろおじいちゃんらしいかも」


 何やら独り言のような事を呟きながら、一人納得するエリス。


 どうやら先程の視線は私への軽蔑ではなかったようだ。

よかったぁ~。


 あれ?

じゃあ、どういうこと?

ベアトリスちゃんに何か問題でもあるの?



「どゆこと?」


「えっとね~。

 ベア姉ちゃんは……その……ちょっと……変わってるの。

 あ、いや、悪い意味じゃないんだけどね。

 ただ少し……ううん!なんでもない!」


 なにそれ……めっちゃ不安になるやつじゃん……。



「エリス個人はどう思ってるの?」


「えっと、よくわからないの。

 あまり会ったことなくて」


「え?

 でも、ベア姉ちゃんって呼ぶくらいには親しいんでしょ?」


「それはその、初めて会った時に、そう呼んで良いって言われたから……」


 なるほど。

取り敢えず気さくな娘ではあるようだ。



「私がベアトリスちゃんと結婚する事になったら、エリスはどう思う?」


「良いと思うよ?」


 何でそんな事聞くの?って感じの答えが帰ってきた。

エリスは特段気にしていないようだ。

うう。良い子やぁ~。


 私はエリスにハグをしてお礼を伝え、エリスを訓練場に送り届けた。


 結局、エリスはベアトリスちゃんがどんな娘なのかは教えてくれなかった。

とはいえ、拒絶している様子もない。

変わり者ではあるけど、嫌っているわけでもないようだ。


 もしかしたら、よく知らないから言葉を控えたのかもしれない。

その割には、変わり者という点については確信しているようだったけど。


 先程の訝しげな視線は、私やベアトリスちゃんの事ではなくて、何故そんな話になってるのか、という意味だったのだろう。

もしかしたら、ベアトリスちゃんが結婚する事に驚いたのかもしれない。


 成人済みの王族にもかかわらず、婚約者もいなかった事と関係があるのだろうか。


 昨晩会って話をした限りでは、特段おかしな様子は見受けられなかった。


 少なくとも、場面に応じた相応しい態度を取ることはできるようだ。


 むむむ。具体的な人間性が見えてこない。

取り敢えずマリアさんにも聞いてみよう。

昨晩は案内してもらった後、すぐに引き下がってしまったし。


 と言うかあの王様、よく護衛もなしに、冒険者と一対一の話し合いなんて出来たわね。

別にマリアさんくらいは側にいても構わなかかったのに。


 あんな事言われた割には、随分と信頼されていたようだ。

最初から全部計画通りだったのだろう。

もう完全にしてやられたってやつだ。

ぐぬぬ。



「先にリリカの様子を見てから、マリアさんのところにお邪魔してみようか」


『クレアはいいの?

 少し体を動かしたら、戻ってくるんじゃない?』


 そういえば、クレアはまだ私の側にいると言い張っているのだった。

しょっちゅう抜け出してるけど。


 今日も、朝一で様子を見に来てくれたけど、そのまますぐに私世界の訓練場に行ってしまった。

今頃アメリ達と修業でもしているのだろう。


 まあ、クレアが居るのは私の中なんだし、私がいつどこにいようとこっちに連れ戻せるんだけど。


 そう考えると、ある意味何時でも一緒にいるようなものなのか。



『むむ』


 私の心のハルちゃんが反応を示した。

融合までしたのに、いちいち嫉妬しないで下さい。



『結局大して変わってないじゃない』


『しかたない』

『あんぜんはいりょ』


 何れは安全装置も段々と解除できるといいわね。

完全に一つに混ざり合うくらいまで。



『ふへ』


『させるわけないでしょ』


『『え~』』


『あんた達、ノアを泣かせたいの?』


『『それはいや!』』


『なら悪巧みは止めておきなさい』


『『むむ』』


『記憶共有の乱用も控えなさいよ。

 何度も繰り返されたら、守りきれなくなるわ』


 そんなぁ!

あれが一番の目玉機能なのに!?



『『おうぼ~』』


『あんたらねぇ!

 私が誰のために頑張ってると思ってんのよ!?』


『『ごめんなさい』』


『まったく。

 二人とも、前にも増してフリーダムね。

 ハルとアルカって性格的には最悪の組み合わせじゃない』


『『でへへ~』』


『どこに照れる要素があったのよ……』


 なら、やっぱりイロハも融合する?



『バランス』

『いい』


 補助も内側からの方が楽じゃない?



『何が「なら」なのかわからないし、そんな事するわけないじゃない。

 いいかげん、諦めなさい』


『『は~い』』


『言っておくけど、チハルもダメよ。

 というか、これ以上増やすのは認めないわ』


『『ぐぬぬ』』


 本当はチグサにも加わってほしかったのだけど。

研究班代表として、色々意見を聞かせてほしかったし。


 それに、ヤチヨとか……。



『うわきもの』


『ごめんなさい……』


『今のは無いわね。

 チグサはまだ理解できなくもないけど、ヤチヨは完全に私情じゃない』


『おきにいり』


『そうやって明確に差を付けるのは、ハーレムの主として失格よ。

 ちゃんと平等に愛しなさいな』


『いいの?』

『アルカ』

『ヤチヨより』

『イロハのこと』


『ハル、やめなさい』


 別に差をつけてるとか、そんなつもり無いんだけど……。

単に人数が多いからその時々で接している娘が違うだけだ。

最近、ヤチヨとの絡みが多かったからってだけだ。


 今はイロハが側に居て世話を焼いてくれるから、イロハの事を特に沢山考えているだけだ。


 私は何時だって皆の事も考えているし、愛してる。

誰かへの愛が、他の誰かへの愛と比べて劣る事なんて、ありえない。

少なくとも、私はそのつもりだ。


 それは、思考の偏りとはまったく別の話だ。

例え考えている時間が長くとも、真っ先に思い浮かべるのが特定の娘だったとしてもだ。

ノアちゃんとセレネを特別大切にしているからと言って、他の子達への愛が減るわけがない。



『だ、そうよ。ハル。

 ハルはノアに負けてるわけじゃないんだって』


『しってる』

『ぜんぶ』

『つたわった』


『融合して真っ先に確認したのね。

 というか、別に常時融合してる必要なくない?

 そういう、どうしても確認したい事の為だけに、一時的に融合したってかわんないじゃない。今の使い方なら』


 その話はもうお終い~!

もう散々話合ったでしょ~!

イロハも許可くれたでしょ~!


『イロハ』

『まじめすぎ』


『あんたらがふざけすぎなのよ……』

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