表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
32.白猫少女と独占欲

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

846/1386

32-48.数日後

「ハルちゃん……何日経ったっけ」


「さあ」


「また試合でもする?」


「やだ」


「なんでよ」


「アルカ」

「よわすぎ」


「そんな事言わずに強くしてよ。

 最初はノリノリでしごいてくれたじゃない」


「あきた」


「またそんな事言って。

 どうせ私から離れたくないだけでしょ?」


「しかたない」

「ぎゅ」

「すき」


「ハルちゃんも飽きないわね。

 私だって好きだけど、いい加減じっとしてるのもしんどいのよ。

 少し運動したらまた抱きしめてあげるから」


「ダメ」


「縛って放置しておこうかしら」


「いや」


「なんで?

 何時もなら喜ぶじゃない」


「きぶん」

「ちがう」


「ハルちゃんの意見ばっかりじゃなくて、私の意見も聞いて欲しいなぁ~」


「うるさい」


「ひどい……」


「アルカ」


「なあに?ハルちゃん」


「ねる」


「さようで」


 最近のハルちゃんは、すっかり赤ちゃんみたいになってしまった。

それもイヤイヤ期のやつだ。


 チーちゃんに会えないのが想像以上に堪えているのかもしれない。



「お昼寝しかする事無いなら、そろそろギブアップしたら?

 もう十分証明できたでしょ?」


 もう何日経ったのかわからないくらい潜ったままだし。

またノアちゃんに怒られそうだ。


 いくら満足するまでと言われたからって、調子に乗りすぎだ。



「ダメ」

「たりない」


「まだ私の気持ちが信じられないの?」


「アルカへん」

「もっと」

「とりみだす」

「はずだった」


「そうね。私も不思議なんだけどね。

 ハルちゃんが側にいるし、やろうと思えば何時でも出られるからかしら。

 皆と沢山潜って、慣れたのもあるのかな?

 ちょっと前まで、トラウマで耐えられなかったのにね」


 本当はそこまで余裕があるわけでもないんだけどね。


 それでもハルちゃんに気付かれない程度には抑えられている。

ここが私の心の深層で、ハルちゃんに私の心が見えていないからというのもあるけど。



「アルカ」

「いんちき?」


「どうやって?」


「かくれて」

「ノア」

「つれこんでる?」


「出来るわけ無いじゃない。

 そもそも、ハルちゃんの側を離れた事がないでしょ」


「むむ」


「ハルちゃんはそんなに信じたくないの?」


「ちがう」


「なら良いじゃない。

 いい加減、機嫌治してよ。

 もうずっとハルちゃんだけを見てるんだよ?

 いっぱいぎゅってしたし、キスだって。

 これ以上、どうしたら満足出来るの?」


「かんがえて」


「それって答えがあるようなものなの?」


「しらない」


「もう。そればっかり」


「アルカのせい」

「アルカが」

「ふがいない」


「それはわかるけどさぁ」


「はなしおわり」

「ねる」


「私は?」


「このまま」


 抱き枕になっていろと。



「しゅくだい」

「ハル」

「おきるまで」

「かんがえて」


「がってん……」


 そのまま本当に寝息を立て始めたハルちゃん。

相変わらず、ハルちゃんはお昼寝も大好きだ。

今ばかりは、単なる暇つぶしに過ぎないんだろうけど。



「そんな事言われてもなぁ……」


 抱き枕にされていると、ハルちゃんの顔を見ることも出来ない。

流石にこれでは辛い。

とはいえ、もう少しだけ我慢だ。

深い眠りに着いたら、少しくらいずらせるだろうし。


 今のハルちゃんは何を望んでいるのだろう。

身体的な接触だとか、そういうのでは無いのだろう。


 必死な私が見たいのかしら。

泣きじゃくって、許しを請えば認めてくれるのかしら。


 いや。違う気がする。

今ハルちゃんが欲しいのは、言葉とかそっち系だと思う。

上手く言いくるめられたいのだと思う。


 私の苦手な分野だ。

考えても思いつく気がしない。


 ぐぬぬ。

ハルちゃんは無茶を言う。

私に口達者になれと仰せか。



「ハルちゃん。大好き。愛してる。

 今だけは間違いなく、ハルちゃんが私の一番よ」


「zzz」


「こんな言葉はもう聞き飽きちゃった?

 何か違う言葉が欲しいの?

 でもごめんね。何を言ったら良いのかわからないよ。

 キスでもハグでも埋められないのなら、後は何があるんだろう。

 ケンカもいっぱいしたし、他に出来る事なんてあるのかな。

 後はもう、時間をかけるしかないのかな。

 ここで二人きり、百年でも、千年でも暮らせれば満足してくれるのかな。

 やっぱり、もうそれしか思いつかないや。

 ならとっても怖いけど頑張るね。

 千年後にノアちゃん達の事を忘れちゃってたらどうしよう。

 でもそんな事、今から心配したってしょうがないよね。

 お姉ちゃんは私への気持ちを捨てずに六百年も頑張ってくれたんだし。

 なら私だって出来るよね。

 ノアちゃん達への気持ちを薄れさせる事なく、千年耐えてみせれば良いんだよね。

 私頑張るよ。

 ハルちゃんを安心させるために。

 それで、千年経ったら外にでようね。

 ノアちゃんにいっぱい謝ろう。

 約束破ってごめんねって。

 ハルちゃんも、その時は一緒に謝ってくれるよね。

 だからハルちゃんも。

 皆の事、忘れないでね」


「……」

「zzz」


 ハルちゃんは私の決意を聞いてくれたかな。

それとも、やっぱり本当に寝ちゃってるのかな。


 私ももう寝てしまおう。

寝ている間だけは寂しく思うことも無いんだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ