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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
32.白猫少女と独占欲

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32-35.依頼

 陛下は概ね状況を把握していたようだ。

どうやら手土産持参で来たらしい。

祝辞と共に、結婚祝の品を贈られた。

中身は何かしら。

結構重い。

お酒?


 ときに、王子。

まさかとは思うけど、意図的に情報流してない?

いくら何でも準備が良すぎるわ。


 しかも、タイミングも完璧じゃない?

丁度、王子とクレアの関係が軟着陸したところに来たし。

予め示し合わせてたんじゃないの?


 さっきの謝罪は、気取られたことに対してではなく、私達を騙した事に対してだった?


 私は再び訝しげな視線を王子に向ける。

くそう。こっちを向きすらしねえ。


 ところで陛下。

あなたもあなたで、クレアの姿に疑問は無いのですか?

何の疑問も示さずに受け入れないで下さい。


 普通に祝福されても困ります。

こっちの心情も汲み取って下さい。

不信感バリバリです。ナウ。


 まさか、盗聴でもされてたの?

監視カメラでも仕掛けられてる?

王子が逐一情報を流してた?



『どんな手段であれ、私にすら見破れないなにかよ。

 そんな方法があると考えるより、事前に打ち合わせ済みだったって方が納得できるのだけど』


 たしかに。

私はともかく、イロハの目を欺けるわけがない。

なら、やっぱり王子は黒ね。

ちくせう。


 二度とクレアと会わせてやるもんか。



「陛下。

 例の件、アルカ殿に依頼されてはいかがでしょうか?」


 話が落ち着いた所で本題を切り出したのは王子だった。

いくら何でも開き直り過ぎでは?



「ふむ。一考の余地はあるがな。

 しかしこのような祝の席で切り出す事でもなかろう」


「あれについてはギルドを通すわけにも参りません。

 この機会を逃す手はないでしょう。

 事は急を要するのですから」


「やむを得ぬか」


 なにこの三文芝居。

王様に泥を被せない為だからって、わざとらし過ぎるわ。

クレアは気にしないだろうけど、私は嫌な気持ちにしかならないわよ?


 自慢じゃないけど、私はクレアみたいに心広くないんだから。



『落ち着きなさい。本当に自慢じゃないわ。

 ここで借りを返せるなら、今後の憂いが早々に一つ消化出来るのよ。

 むしろ運が良かったと考えてしまいなさいな』


 イロハは頼りになるな~

その調子で例の件とやらもお願いね~



『それは内容次第ね。

 場合によっては、アルカが自分で動かなくたって良くなるわ』


 まあそうだけどさ。

そもそも、私が自ら解決に動くことをノアちゃんが許してくれるとも限らない。


 取り敢えず聞いてみない事には始まらないだろう。

それと、下らないお芝居を何時までも見せられるのは苦痛なので、さっさと用件を聞き出して、ご退場願うとしよう。



『男相手だと容赦がないわね』


 それは仕方がない。

可愛い幼女からの頼みなら二つ返事で引き受けるけど、壮年男性の悩み事なんて、積極的に聞きたいわけがないのだ。



「陛下、どうぞお話を聞かせて下さいませ。

 つい先日、借りを返すとお約束したばかりでございます。

 早くもお約束を果たすことが出来そうで何よりです」


 (要約)

これで貸し借りはチャラだぜ!

さっさと用件言っちゃいな!



「アルカ嬢のお気遣いに感謝する。

 少々心苦しいがこの際だ。甘えさせてもらうとしよう」


「それで、例の件とは?」


「うむ。

 恥ずかしい話だが、我が城の宝物庫に賊が忍び込んだ。

 より正確に言うならば、その痕跡を発見した。

 事がいつ起きたのか、不届き者が何者なのかすら、依然として判明しておらんのだ」


「それで、賊を捕らえて何かを取り戻したいのですね?

 盗られたのはどのような物なのですか?」


「魔道具だ。

 異質で強大な力を秘め、厳重に封印されていた品だ」


 異質で強大?

まさか、複合魔石?

なんでこんな遠い国まで?

とにかく、放置しておくのはマズそうだ。

場合によっては、ニクスの力も借りるべきだろう。



「魔道具ですか……。

 現場を見ることは?」


「許可しよう」


『ノアに引き継ぎなさい』


 え?

何でノアちゃん?



『いいから任せなさい』


 まったく。また秘密?

こんな時くらい話してくれても良いじゃない。


 ノアちゃんが追っているのは複合魔石関連なのね。

ならやっぱり、例の組織の残党が相手なのよね。

少しずつ見えてきたわね。



『詮索は止めなさい』


 してないでしょ。

私が考える事まで止める権利は無いはずよ。



「そういうお話なら、近日中に専門の者を派遣しましょう。

 彼女の能力ならば、その手の調査に向いています」


 ノアちゃんは元々気配に敏感だし、半月もかけて徹底的に追っている相手の情報なら、それなりに掴んでいるはずだ。

何せ、お姉ちゃんやハルちゃん達もついてるんだし。



「先日同行されていた、ノア嬢の事かな?」


「ええ。そうです。

 覚えていらしたのですね」


 って、この言い方は失礼だったかしら。

つい口から出てしまったけど。



「うむ。以前からノア嬢の噂も聞き及んでいたのでな。

 承知した。

 案内はマリアに任せるとしよう」


「御意」


 陛下は話は済んだと城に戻っていった。

王子とマルセルさんもそれに続く。


 逃げたな、あんりゃろ。

残っていたら、問い詰めてやるつもりだったのに。

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