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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
32.白猫少女と独占欲

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32-22.夢の魔法

「セフィ姉、クレア、明日少し時間を貰えないかしら」


「良いけど、二人まとめてなの?

 折角のデートなのに」


「ううん。デートは次の休みの日に行きましょう。

 明日は指輪作りをお願いしに行くのよ」


「ああ。少し抜けるって話ね。

 わかったよ。

 なら、昼食後にでも行こうか」


「うん。ありがとう、セフィ姉。

 クレアもそれでいい?」


「……付けねえぞ」


「まだそんな事言ってるの?

 いい加減、諦めなさいよ」


「首輪は付けてやるってんだ。

 それで我慢しろよ」


「嫌よ」


「クレアさん、往生際が悪いですよ。

 家族の前で婚約を発表した時は何も言わなかったのに、まだゴネていたのですか?」


「なんでノアがそっち側につくんだよ……」


「クレアさんが子供みたいな事ばかり言っているからです。

 変わったのは見た目だけなのでしょう?

 いい加減、聞き分けて下さい」


「くっ……」


「そもそも、クレアは私の側にいてくれるのでしょう?

 なら、自動的に着いてくる事になるじゃない。

 指輪だって完成までに一月はかかるんだから、それまでに覚悟を決めれば大丈夫よ」


「わったよ……」


「素直になるには、まだ暫く時間がかかりそうだね。

 それはそうとアルカ。

 私の分の首輪は?」


「今で良いの?

 デートの時にプレゼントしようかと思ったのだけど」


「今が良いな~」


「良いわよ。こっち来て、セフィ姉」


 私は近寄ってきたセフィ姉の首に腕を回し、収納空間から取り出した首輪を付ける。


 そのままキスをして、セフィ姉の前から離れた。



「ありがとう!アルカ!」


「ねえ、お母さん。

 それってお嫁さんだけ?」


「レヴィも欲しいの?」


「うん。欲しい。

 皆とお揃いだし」


「セフィ姉、どうする?」


「うむむ。

 もう少し考えさせて」


「……ママの意地悪」


「ごめんね~!レヴィ~!」


 レヴィに縋り付いて説得を試みるセフィ姉。

結局まだ抵抗があったようだ。

果たして、レヴィは納得するのかしら。



「クレアもよ。こっちに来て」


「結局どっちも付けるのかよ」


「そうよ。受け入れなさい」


 渋々近づいてきたクレアにも、同じように首輪を付けてキスをする。



「こんなとこですんじゃねえよ」


「恥ずかしがり過ぎよ。

 この程度で真っ赤になってたら、この先保たないわよ?」


「何だかんだ言いながら、クレアさんもすっかりその気になってるんじゃない。

 本気で嫌なら避けられたでしょう?」


「セレネ、あまり余計なことを言わないで下さい。

 クレアさんはまだ時間が必要なんです」


「もう。皆して遠慮しちゃって。

 これからは同じ嫁同士なんだから、積極的に距離を詰めていかなきゃ。

 そうだわ。

 クレアさん、今後はクレアと呼ばせて貰うわね。

 千年も経てば、十歳程度の年の差は関係無くなるのだし、別にいいでしょ?」


「好きにしろ」


「まったくセレネは。

 まあでも、セレネの言う事にも一理ありますね。

 乱暴な理屈ではありますが」


「ノアちゃんだけは慕ってあげてね」


「もちろんです。

 理屈は納得できますが、私まで付き合うつもりはありません。

 私にとってクレアさんは師であり、姉のような存在なんですから。

 どちらも何千年経とうが、変わりません」


「なら、今晩はノアちゃんに貸してあげる。

 私の代わりに優しく甘やかしてあげてくれる?

 大分精神疲労が深刻みたいだから」


「仕方ありませんね。

 婚約初日にほっぽり出すなんて。

 とはいえ、アリアとの約束もあります。

 良いですよ。クレアさんの事は任せて下さい」


「勝手に决めやがって……」


「良いじゃない。

 あなたの大好きなノアちゃんが、一晩たっぷり甘やかしてくれるわ。

 折角子供の姿になったんだし、素直に甘えてみなさいよ」


「んなことできるか……」


「本当に弱ってるみたいね。

 私は退散するわ。

 ルビィ、行きましょう」


 セレネはルビィを抱き上げて部屋に戻っていった。

ノアちゃんもクレアの手を引いて後に続く。


 セフィ姉とレヴィはまだ話し合い中だ。


 アリア達は既に部屋に戻っている。

勉強が終わったタイミングでラピスが声をかけてくれるだろう。


 それまで、私は部屋に戻ってイロハとヤチヨに相手をしてもらうとしよう。



「小春、ちょっと」


「お姉ちゃん?

 どうしたの?

 部屋に戻ったんじゃなかったの?」


「うん。途中で思い出して。

 小春の不老魔法、私にも使ってくれないかなって」


「ああ。なるほど。

 そうよね。

 毎回変身魔法でその姿維持するのも面倒だものね。

 私もそうじゃないかと思ってたのよ。

 もちろん良いよ。

 今すぐかけるね」


「うん。お願い」


 私は深雪お姉ちゃんに不老魔法をかけた。

深雪お姉ちゃんの姿が一瞬光りに覆い隠された後、想像よりずっと小さな深雪お姉ちゃんが現れた。



「うん?あれ?」


『どうしてこうなったのかしら。

 術式にそんなの含まれて無かったように見えたのだけど』


『私も見破れませんでした。

 これがバグというものなのですね。

 興味深いです』


「いや、あの、関心してる場合じゃないような?

 とりあえず、調子はどう?

 お姉ちゃん」


「視線がとっても低いわ」


「でしょうね。

 多分、十二歳くらいの姿だし」


 普段お姉ちゃんは、十六歳の頃の姿で過ごしている。


 その状態でも今の私と身長は同じくらいだし、元々よく知っている姿なのもあって、あまり違和感はなかったのだけど……。



「これが小春の理想なの?

 仕方のない子ね。

 良いわ。今後はこの姿で過ごしてあげる」


「うん、そう。それは……ありがとう。お姉ちゃん」


「でもこれでは、妹みたいよね。

 小春お姉ちゃん?」


「くっ!悪くない!

 けど違和感が凄い!

 お姉ちゃんはどんな姿でもお姉ちゃんだし!」


「ふふ。嬉しいこと言ってくれるわね。

 なら何時もの姿に戻しましょうか?」


「くぅう!!悩ましい!

 けど折角だし!

 取り敢えず、暫くその姿でお願い!」


「わかったわ。

 小春お姉ちゃん」


「それは止めて!」

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