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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
32.白猫少女と独占欲

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32-2.転移と興味

今回はアリア視点のお話です。





「おはよう!ルイザ!テオ君!」


 早朝の教室では、ルイザとテオ君が二人きりで何やら話をしていた。


 私はラピスを引き連れて、元気いっぱいに挨拶をしながら、二人に近づいていく。


 教室の扉の前には男の子が一人立っていたけど、教室の中にいるのは二人だけだ。


 あの子は護衛かしら。

名前は確か、ミハイル君よね。

王子の護衛を一人で任されるなんて、優秀な子なのかも。


 私の事を普通に通してくれたって事は、ある程度事情は聞かされているのかもしれない。

テオ君もそれだけ信頼しているのだろう。



「おはようございますですわ!アリア様!ラピス様!」


「おはよう、アリア。

 わかっていると思うが、皆がいるところでその呼び方は」


「わかってるわ!殿下!」


「うむ。それで良い」


「良くないのですわ!

 言葉遣いも改めるのですわ!

 いえ!そんな事よりもですわ!

 ラピス様は転移が使えるのですわ!?」


 ルイザちゃん!

興奮しすぎて言葉遣いがおかしくなっているのですわ!


 というか、流石に忘れてはいなかったか。

私は勉強のしすぎで忘れかけていたのに。


 何だか、昨日の事が数日前のような気分だ。

深層も使ってないのに。


 やっぱり夜ふかしはダメね、うん。



『現実逃避してないで、ルイザをなんとかしなさいよ』


『聞かれてるのはラピスじゃない』


『この状況はアリアのせいでしょ。

 なんとかして、お姉ちゃん』


『仕方ないわね~』


『ちょっろ』


「ルイザ、転移の事をなにか知ってるの?

 この国では、グリア先生くらいしか研究してなかったんじゃないの?」


 それだってもう五年も前の話だけど。



「アルカ様のお陰ですわ!

 アルカ様が転移を用いるようになった事で、この国の一部でも研究が盛んになったのですわ!」


 え?どういう事?

そんなに前からバレてたの?

グリア先生がいたから?



「それっていつから?」


「たしか、二年程前なのですわ!」


 なるほど。

ならまだ、本当にごく一部での研究なのだろう。

ただし、グリア先生個人の研究から、国の主導に変わったってところかしら。


 侯爵令嬢であり、王子とも近しいルイザだからこそ知り得た情報なのかも。


 二年前という事は、アルカが地下の町と関わっていた頃のはずだ。


 隣国のダンジョン暴走事件の件か、あの地下の町の件で、ギルドを通してアルカの力が知れ渡っていたのだろう。


 そして、この国の誰かがその情報を信じたのだ。

少なくとも、可能性はあると考えた。

先んじて、グリア先生が転移を研究していた事も影響しているのかもしれない。


 そっか。

グリア先生がアルカに付いて行った事も、知られているのよね。

なら、転移魔術はグリア先生の成果だと思われてるのかも。



『それはどうかしら。

 グリアのお母様、つまり理事長は、グリアが転移を習得した事に驚いていたわ。

 一番グリアを信じているであろう立場でもその程度の認識だったのだから、誰もグリアの成果だなんて思わないんじゃない?』


『だからこそじゃないの?

 グリア先生の研究を一番理解してくれていたのは、きっと理事長先生でしょ?

 研究の進捗もきっと事細かに把握していたのよ。

 当時の転移は必要魔力量が膨大すぎて、机上の空論になっていたって話だし、あくまでも驚いたのは、グリア先生本人が転移を使えるようになった事だと思うわ。

 案外、グリア先生の研究成果そのものは認められたのかも。

 膨大な魔力を持つ、アルカだからこそ使えると思われていたとかかしら』


『だとすると、この国がまともな転移を使えるようになるまでには、まだまだ時間がかかりそうね。

 それこそ、何十年、何百年ってかかりそうだわ』


『そうね。

 そこは少し安心できそうだわ』


「アリア様?」


「あ、ごめん、ルイザ。

 つい考え込んじゃった。

 それで、ルイザが聞きたいのはラピスが転移を使えた事だったよね。

 まあ、昨日も見た通りラピスは転移を使えるわ。

 それで、ルイザはどうしたいの?

 自分も習得してみたい?

 それとも、転移でどこか行ってみたいところでもある?」


「習得が可能なのですか!?」


「う~ん、まあ、出来なくはないんだけど。

 まだ私も使えないのよね。

 本気で習得したいなら、今度うちに遊びに来る?

 時間はかかるし、守ってもらわなきゃいけない秘密も増えるけど、きっと皆も歓迎してくれると思うわ」


 あわよくば引き込んでしまおう。ふふふ。



『わかってるでしょうけど、ノアの許可を貰ってからよ。

 大体、転移を教えるって事は、私達家族に加える事だって本当にわかってるの?

 ルイザの人生を変えてしまう事なのよ?』


 大丈夫よ!責任は取るわ!


『まったく……。

 そんな軽々しい事ではないのよ……』


「よろしいのですか!?

 もしやアルカ様ともまたお会いできるのですか!?」


「えっ?うん。まあ、会えるだろうけど……」


「是非お願いしたいのですわ!」


 食い気味に迫ってくるルイザ。

なんだか面白くない。



「やっぱダメ」


「そんなぁ!?」


「なんか、転移よりアルカが目当てみたいだもの」


「そんなご無体な!アリア様ぁ~!!」


「ルイザ、その辺にしておけ。

 そろそろ皆が登校してくる時間だ」


「アリア様!この件はまた後ほどですわ!」


「アルカに目移りしないなら考えてあげるわ」


「無理ですわ!吸い寄せられてしまうのですわ!」


「残念ね。どうやらアリアの片思いみたいよ」


「一体何の話をしているんだ、君たちは……」

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