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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
31.白猫少女と新学期

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31-37.昔話

「……お母上ではなかったのか?」


 言葉を取り戻したテオ君が最初に口にしたのは、そんな言葉だった。


 真っ先に気になる所がそこなの?

というか、どう答えるべきかしら。


 あまり、細かい所までは伝えちゃダメよね。

今更とは思うけど。



「その、一般的な意味ではお母さんなんだと思う。

 両親を亡くし、孤児院も潰れて、路地裏を彷徨っていた幼い私達を拾ってお世話してくれた人だから。

 アルカは私にとって英雄ヒーローみたいな人なの。

 ただ母というだけじゃなくて、本当に大好きな人なの。

 私はそんなアルカと一生を共にしたいと願ったの」


「……そうか」


「本当のアルカはとっても優しい人なのよ。

 いつもニコニコしていて、家族皆を愛していてくれる。

 少しやりすぎてしまう事もあるけど、誰かの為に一生懸命になれる人なの」


「……」


『アリア、その辺にしておきなさい。

 テオが難しい顔し始めちゃったわよ』


 あ……つい。ごめん、テオ君。



「まあ、なんだ。

 話はわかった。

 そういう事もあるのだろう。

 うむ。わからぬ事でもない。

 幼子が母上と共に在りたいと願うのは自然な事だ。

 そのような経験をしていたとなれば、尚の事だろう」


 あれ?

テオ君何か勘違いしてない?

まさかここまでの話の流れをちゃんと理解してなかったの?



「殿下、そういう意味ではありませんわ。

 アリア様はアルカ様に恋心を抱いているのですわ。

 決して幼心によるものでは無いのです。

 故に待っていようとも、殿下にチャンスが訪れる事は無いのですわ」


 ルイザ!?

容赦なさ過ぎるよ!?

何もそんな言い方しなくても!?



「……そうか」


 再び機能停止するテオ君。

どうやら上手く飲み込めていないようだ。



「ああ!そうだ!気になってた事があったのよね!

 ルイザって、テオ君の婚約者候補だったりはしないの?

 何だか、テオ君のお父さんとも親しげだったし、家族ぐるみで付き合いがあったりとか?」


 どうにか空気を変えようと、思いつきを無理やり絞り出した。



『何でアリアがテンパってるのよ』


 いやだって!

何か変な空気になっちゃったんだもん!



「流石アリア様ですわ。

 ええ。アリア様の仰るとおりですわ」


 まっじで?



「とはいえ、私では殿下のお力にはなれなかったのですわ」


 どゆこと?

って、テオ君の女性恐怖症(仮)の事だろうけど。


 そもそも、ルイザは候補として上げられただけで、婚約はしていないのだろう。



「テオ君はルイザの何が不満なの?」


「いや、不満などという話では無くてだな……」


「私も秘密を話したのだし、この際だからテオ君も話してみない?

 私に出来る事なら力になるわ!

 王子様が何時までも苦手だなんて言ってられないでしょ?

 一緒に頑張って克服しましょう!」


「おい、まて!何を知っている!?」


 うん?あれ?喋りすぎた?



『アリア……』


 またラピスが呆れてる。

先に止めてよ……。



『考えてから発言して。止める隙が無いんだってば』


 ごめんなさい。



「申し訳ございません、殿下。

 此度の騒動についてアリア様にご理解頂く為、私が説明致しました」


「うむ……まあやむを得ぬか。

 どの道、半ば公然となっていた事でもある。

 そも、これに関しては私の不徳故でもあるしな」


 あっさりルイザを許してくれたテオ君。

意外とテオ君も話の分かる子なようだ。



「それで、なんで苦手なの?

 怖いの?嫌いなの?」


「アリア様、どうかその辺で。

 ズケズケと踏み込むものではございませんわ」


「でも私、テオ君ともちゃんとお友達になりたいもの。

 何がキッカケでテオ君に嫌われてしまうかもわからないのは困ってしまうわ。

 だから今の内にちゃんと知っておきたいのよ。

 勿論、無理に話せなんて言わないけど」


「うむ……」


 それ口癖なの?



『興味ないんじゃなかったの?』


 まあ、うん。

正直、話題を変えるために無理やり絞り出した内容だったんだけどね……。

つい勢いというか、その場のノリというか……。

引っ込みがつかなくなったと言うか……。



『絶対にそんな事口にしてはダメよ』


 わかってるわ。それくらい。



「……恐怖、を感じるのは成熟した女性だ。

 同年代の者に感じるのは苦手程度のものだ」


 ゆっくりと確認するように言葉を紡ぎ出すテオ君。

どうやら話してくれる気になったらしい。

ならばこちらもしっかり聞いておくとしよう。



「理由は……流石にこれは君達に話せる事ではない。

 まあ、あれだ。

 亡き母上と関係があるとだけ言っておこう」


 お母さん?

そっか……。

テオ君のお母さんももういないんだ……。



「エウフェミア様は心優しくお美しい方でしたわ。

 幼き頃によくして頂いた記憶が朧げながら残っております」


「そっか……。

 テオ君とルイザって幼馴染なの?」


「ええ。近頃は疎遠となっておりましたが、今より更に幼き頃には幾度もお会いしておりましたわ」


「……すまぬ。避けるような真似をした」


「どうかお気になさらず。

 殿下のお気持ちは察しておりますわ」


「うむ……」


『何だか十歳児らしくない会話ね』


 それ指摘するのは今更過ぎない?



『まるで昔付き合ってた恋人が久しぶりに再会したみたいな空気じゃない』


 そういう事言うの止めて!

私のルイザに元彼なんていないわ!



『じゃあなんで、ルイザとテオの関係なんて聞いたの?』


 だからついだって!

話題変えようとしただけなんだってば!



『言っておくけど、ルイザを家族にするのはダメだからね。

 アリアまであるじみたいに増やし始めたらキリが無いわ』


『別にそこまで考えてるわけじゃないわ!まだ!』


『まだ!じゃないわよ!

 思いっきり考えてるじゃない!

 ノアを説得する方法考え始めてるじゃない!

 ラピスには全部わかってるんだからね!』


 だってぇ~!

仕方ないじゃない!



『これも全部あるじのせいね……。

 まだ幼いアリアに悪い見本を見せすぎだわ。

 アリアにも少しは我慢と自重を覚えさせなきゃ……』


『それは……アルカの我慢を強引にこじ開けた私達が言える事じゃなくない?』


『それはそれよ!

 あるじには保護者として、そしてハーレムのあるじとしての責任があるわ!』


 ラピスが何やら決意してしまったようだ。

面倒な事を言い出さないといいのだけど……。

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