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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
31.白猫少女と新学期

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31-29.昼食会

今回もアリア視点のお話です。





「アリアさん。

 学園はどうかしら。

 早速お友達も出来たみたいだし、少しは気に入って頂けたかしら?」


「はい!とっても!」


「そう。それは良かったわ。

 ふふ。アリアさんはとっても快活な子なのね。

 お母様に聞いていた通りだわ」


 お母様というのはアルカの事だろう。

ルイザの前だから気を遣ってくれたようだ。


 グリア先生から言われた事もあるし、ルイザの前でアルカの事を話すのはマズイのかもしれない。

それでも私は、敢えて名前を出す事にした。

既にルイザは知ってしまっているし、どうせなら腹を割って話したい。

そう伝えたいと思うから。


『ダメよ、アリア。

 無難な答えに留めなさい。

 いえ、ここは私が話すわ』


『それこそダメよ、ラピス。

 私がこの件の当事者よ。

 今この場で話すのは私よ。

 そうでなければ理事長先生に失礼だわ。

 サマラス先生への対応は大人しく任せるから、ここは譲りなさい』


『……わかったわ』


「理事長先生。

 アルカはどんな話を?」


「それは……内緒にしましょう。

 ルイザさんも居るのですもの。

 お母様との話なんて気恥ずかしいのではない?」


 アルカの話は止めておこうと尚も気を回してくれる理事長先生。

もう少しハッキリ伝えてみる事にしよう。



「大丈夫です。

 ルイザは親友ですから。

 それに私の事をいっぱい助けてくれました。

 ですから、出来るだけ隠し事はしたくないんです」


「そう。ふふ。

 やっぱり少し聞いていた印象とは違うかもしれないわ。

 きっとアルカちゃんには素直に甘えられているのね」


 どうせアルカは私の事なんて能天気なお調子者くらいにしか思ってないものね。

まあ、間違っても無いんだろうけど。


 何にせよ今度は乗ってきてくれた。

私の気持ちが伝わったようだ。


 とはいえ、「こちらの好意には甘えられないのか」という意味にも聞こえなくはない。

少し強引過ぎたのかもしれない。



「えへへ~。

 そうですね~。

 なにせ優しいお母さんで大好きな婚約者ですから」


「え!?」


 お行儀よく話を聞いていたルイザが驚愕の声を上げる。



「あらあら。

 羨ましいわ。

 うちの娘も素直に甘えてくれたら嬉しいのだけど」


「グリア先生は恥ずかしがり屋さんですから。

 けれど、とっても優しい先生です。

 私もグリア先生の事が大好きです」


「ふふ。嬉しいわ。

 娘の事をそんな風に言ってくれて。

 ありがとう、アリアさん」


「はい!」


「けれど、アリアさん。

 ルイザさんの前でもアルカちゃんとの事は、あまり話してはダメよ。

 こんな事を言いたくは無いのだけれど、お母様と婚約するの一般的な事では無いもの。

 少しばかり刺激の強い事でもあるでしょうから」


「はい。承知しています」


「え?本当に?

 アルカ様と?」


「うん。そうだよ。

 ほら」


 私は指輪の擬態を解いてルイザに見せてみる。



「……」


「ルイザ~?

 大丈夫~?」


 動きを止めたルイザの眼の前で手を振ってみる。

ダメだ。何の反応も無い。


 私はルイザの復活を諦めて、理事長先生に視線を向ける。



「以後は気を付けます。

 理事長先生」


「そうね。

 その方が良いと思うわ。

 ルイザちゃんや他の皆の為に我慢してあげてね」


「はい」


「それでアリアさん。

 昨日の放課後の件で少し聞きたいのだけど」


「はい。お答え致します」


「テオドロス殿下に求婚されたという噂は本当かしら」


「え?」


 え?

何でそんな話に?


 というか、テオって愛称だったの?

テオ君ったら、意外と積極的なのね。



「アリア」


 ラピスが予想外の質問で呆けてしまった私に、早く回答するようにと促してくる。



「あ、いえ。

 そのような事実はありません。

 どうやら二つの会話が混ざってしまったようです。

 あの時、私には婚約者がいるという話を最初にしました。

 その後にテオ殿下から城に遊びに来ないかと誘われました」


「そう。

 そういう事だったのね」


 少し考え込む理事長先生。

出回っている噂の違いは何か影響があるのだろうか。


 私がテオ君に求婚されて断ったのと、単にお城に誘われて断ったのとで、何か大きな違いでもあったりするのだろうか。



「先程はサマラス先生が失礼な事を申しましたね。

 代わってお詫びするわ」


 何故か今更になって謝ってくれた理事長先生。

どういう意図なのだろう。

さっきの質問と関係があるのだろうか。



「いえ!

 私がテオ殿下に失礼な態度をとったのは事実ですので!

 こちらこそ騒ぎを起こしてすみません!」


「いいのよ。

 アリアさんの落ち度では無いのだから。

 もしアリアさんがテオドロス殿下に同行していれば、事態はより深刻なものとなっていたでしょう。

 アリアさんの選択は間違っていなかったわ」


 正直そこまで考えてなかったけど……。



「ですが、もう少し断り方を考えるべきでした」


「そこは気にしてもあまり意味が無いわ。

 どの道、王族のお誘いを断らざるを得ない以上、言い方の違いになんて大した差はないの。

 そもそもの話、この学園内では皆平等よ。

 身分による力関係を持ち込んでしまっては、学園として成り立たなくなってしまうもの」


 それはまあその通りだろう。

もしテオ君が王子として気ままに振る舞えば、気に入らない先生を排除したりする事も容易なのだろうし。

別にテオ君がそんな子だと思ってるわけじゃないけど。

というかまだよく知らないし。

結局今日はまだ会えて無いものね。


 テオ君の休みもこの件に関わっているのかしら。

休みの理由って理事長先生に聞いたら教えてくれるのかな。



「理事長先生、テオ殿下はその……」


「お休みの理由?

 申し訳ないけれどそれについては話せないわ。

 個人の事情を勝手に伝えるわけにはいかないの」


「はい。そうですよね。

 すみません」


「とはいえ、このタイミングでは気になってしまうのも無理からぬことね。

 そうだわ!ルイザさん、少しよろしいかしら?」


「はい。何でしょう理事長先生」


 理事長先生は、さも今思いついたような言い方で、ルイザにテオ君と私の繋ぎ役を提案してきた。

テオ君を私の味方に引き込めれば、全ての問題が解決に近づくだろう。

まさか、最初からこのためにルイザも呼び出したのかしら。


 ルイザを間に挟む事で、平民の私が直接王子殿下との接点を持つわけではない事になる。

それはわかるけど、ルイザに面倒事を押し付け過ぎではないだろうか。



「この件!是非私めにお任せ下さいませ!」


 何故かルイザがノリノリだから良いのかしら。

ありがとう、ルイザ。

いつか我が家に招待するわ。

遊園地にも連れて行ってみたい。


 でも、そんな事したらアルカに取られちゃわないかしら。

ルイザもとっても可愛いもの。


 うん。絶対に守り抜こう。

ルイザは私の親友だもの。

大好きなアルカにだってあげないわ。

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