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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
31.白猫少女と新学期

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31-24.運命

「結局するんですか?」


「やっぱり大切だと思うの。

 私がどれだけノアちゃんを愛しているか伝えるのって。

 それにほら。

 誰かに愛される記憶を思い浮かべながら悪いことをするのって難しいでしょ?

 だから、ノアちゃんの記憶にこびり付いてどんな時でも引き剥がせないくらい、塗りたくってあげようかなって」


「悪質です!

 そんな事言わないで下さいよ!

 結びつけちゃうじゃないですか!」


「たっぷり耳元で囁いてあげるわ。

 なにかしようとする度に頭に浮かぶようにしてあげる」


「やめて下さい!

 もう気分じゃなくなりました!」


「ダメよ。逃さないわ」


 ノアちゃんがどれだけ逃げようとも、抱き寄せ魔法の前には無力だ。

流石のノアちゃんでも未だにこの魔法への対抗手段は見つけられていない。


 家族特効過ぎて、試合の類では使用を禁止されている。

まあ、その目的で使ってしまうと本気で対策されかねない。

それはそれで面白くない。


 そういえば、これならルネルにも通用するのかしら。

なんか無意識に除外していたけれど、別にルネルとの試合にまで禁止はされないだろう。

今度試してみよう。

もしかしたら、あっさりルネルが手に入るかもしれない。



「アルカ」


 ジト目のノアちゃんが私の腕の中から見上げてくる。

ノアちゃん以外の事を考えているのがバレたようだ。


 私はノアちゃんにキスして誤魔化す事にした。



「何で避けるの?」


「今誰の事を考えていましたか?」


「ノアちゃんの事よ。

 ノアちゃんでもこの魔法には太刀打ち出来ないのねって」


「対策する気が無いだけです。

 この魔法は特別ですから」


 可愛い。

今度こそ。


 再びキスすると、今度は避けずに受け入れてくれた。




----------------------




 暫くノアちゃんをイジメて楽しんだ後、ノアちゃんが話を始めた。



「アルカ」


「な~に?ノアちゃん?」


「アリアの事が気がかりです」


「お友達の件?」


「そこもですが、それだけではありません。

 アリアにも何かしらの干渉があるのではないでしょうか」


 因果やら世界やらの話?

確かにストラトス侯爵の件は出来過ぎだとは思うけど……。



「なら安心して良いんだと思うよ、ノアちゃん」


「どういう事です?」


「アリアは私とは違うわ。

 アリアに付いているのはきっと幸運の女神よ。

 必ず良い方向に物事が進むようになっているの」


「アリアが両親と死に別れたのも今この時の為だとでも?」


「違うわ。そうじゃない。

 両親を亡くして、貧乏な孤児院に入って、路地裏を彷徨い歩いていてさえも、アリアは綺麗な心を失わなかった。

 それってきっと何かに守られていたからでしょ?」


「つまり、サマラス先生やストラトス侯の件でどれだけ拗れようと、アリア本人にとっての最悪にはならないと?」


「うん。たぶんね」


「それは……どうでしょうか。

 そう言い切るには少し疑問があります。

 そもそもの発端の部分で疑惑が残っているのです。

 当時のアリアにとっての最善はお母さんと一緒にいる事だったはずですから」


「単に出来る事に限りがあるだけかもしれないわ。

 アリアのお母さんはどうやっても助からなかったのかもしれない」


「アリアを幸福にしたい何者かの意思が介在する可能性はありませんか?

 アリアの望む幸福ではなく、その何者かが思うアリアの幸福を押し付けられている可能性は?」


「それは……どうだろう。

 ごめん、さっきは幸運の女神なんて言い方をしてしまったけれど、ただの慣用句のつもりだったの。

 アリアの幸運に関してはニクスに教えて貰った事なんだけど、例に漏れず詳しく聞けたわけじゃなくてね。

 なんとなくの印象としては、人格のある何かが見守っているというよりも、何らかの事象みたいな話だった。

 そういう星の下にいるのだと、そして何らかの役割があるのだと言っていたわ」


「役割ですか」


「ニクスの指名した勇者がクレアなら、世界が指名した勇者がアリアなのかもね」


「なら、アリアが倒すべきはアルカになってしまうのでは?

 どうやら世界は、アルカの事を目の敵にしているようですよ?」


「それはどうかしら。

 私だって結果的に幸せな今を過ごしているじゃない。

 世界も私の事が大好きなのかもしれないわよ?

 ただ皆と引き合わせてくれただけかもしれない。

 トラブルは単なる副産物なのかもしれないわ」


「……アルカならあり得ない話でもありませんね。

 その内ひょっこり現れるかもしれません。

 世界の意思が、そんなものが存在するのならですが、アルカと触れ合いたくて人の姿で現れたとしても驚きません」


「ノアちゃん、そういうのはフラグって言うのよ。

 あまり妙な事を口にしていると、現実になりかねないわ。

 実際に似たような存在のアリスもいるんだから」


「大丈夫です。ここならニクス世界は聞けませんから」


「フラグってそういう意味じゃないのよ。

 アニメで学ばなかった?」


「……作劇上の都合では?」


「まあ、それはそうなんだけど。

 けれど、言霊という考え方もあるの。

 発した言葉には力が宿る。

 結果が言葉に引き寄せられるのよ」


「それはまあなんとなくわかりますけど」


「私の産まれた世界の有名な人も言っていたわ。

 思考は言葉に、言葉は行動に、行動は習慣に、習慣は性格に、性格は運命になるって。

 だから思考に気を付けなさい。

 言葉に気を付けなさいってね」


「それはまた違う話では?

 人生の教訓としての話ですよね?

 というか、言霊とフラグも別物では?」


 あれ?もしかして、ノアちゃん言霊の事も知ってるの?

何のアニメに出てきたんだったかしら。



「そうね。ぜんぶ意味も意図も全然違うものよ。

 けれど、そうやっていくつもの似た考え方が生まれるくらい、言葉が大切なものであるのも事実でしょう?」


「それもわかりますけど、いったい何の話をしてるんです?

 これも前フリというやつですか?

 まさか、意図的にニクス世界の意思を人化させて飼い慣らそうとでも思ってます?

 そうすれば、アルカの軟禁生活が手っ取り早く終わるとでも思ってます?」


「面白い事思いつくのね!ノアちゃん!

 ちょっとニクスと相談して試してみましょうか!」


「やめてください!」

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