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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
31.白猫少女と新学期

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31-23.白猫少女と個人面談

 家族会議が終わった後、私はノアちゃんを連れて二人きりで深層に潜った。



「突然どうしたんです?」


 強制的に連れてこられたノアちゃんは不服そうだ。

いや、わざとそう見せているだけだろう。


 私だってノアちゃんの事はよくわかっている。

例え心を読めずとも、その程度の事を見抜くのは造作もない。



「少し二人きりになりたかっただけよ。

 言っておくけど、拒否権は無いわ。

 私もノアちゃんの事が心配なの。

 私だって軟禁を受け入れているのだから、この程度の事は従ってもらうわよ」


 私は深層屋敷のリビングに設えたソファに腰掛ける。



「……別にそこまで念押しせずとも拒否なんてしませんよ。

 そもそも私がここから出る方法なんてありませんし。

 わざわざルチアとの同化まで解かれているんですから」


 言葉通り観念したのか、ノアちゃんも隣に座った。



「そうね。

 どれだけノアちゃんが強くなろうとも、こうして閉じ込めてしまう事も出来るの。

 大切に大切に閉じ込めて、私の側に居続けてもらう事も出来てしまうわ」


 私はノアちゃんの肩に手を置いて抱き寄せる。



「仕返しのつもりですか?」


「違うわ。

 そんなわけないじゃない」


「じゃあ何がしたいのですか?

 良いですよ。何でも付き合います。

 とりあえずベットに移動しましょうか」


「ううん。その必要は無いわ。

 少しゆっくり話がしたいだけなの。

 私が満足するまでは、ここに座っていて」


「そうですか……」


 少しの間沈黙が流れる。

私はたっぷりと考えて、言葉を選びながら、ノアちゃんに語りかけた。



「ノアちゃんは今楽しい?」


「こうしてアルカと二人でいることがですか?

 勿論楽しいですよ」


「違うわ。そうじゃなくて。

 今の生活は楽しい?

 苦しい事はない?

 やりたくない事をやってはいない?」


「……必要な事です」


「答えになってないわ。

 ノアちゃんはそれを楽しめてる?」


「……はい」


「嘘つき」


「……何も話しませんよ」


「うん。知ってる。

 だから聞かないわ。

 ノアちゃんが今何をしているのかはね。

 それに止めもしない。

 その代わり一つだけ約束して欲しいの」


「なんですか?」


「やりたくない事はやらないで欲しいの。

 ノアちゃん前に言ってくれたでしょ。

 私に変わってほしくないって。

 ノアちゃんの好きな私のままでいて欲しいって。

 私も同じ気持ちよ。

 ノアちゃんには私の好きなノアちゃんで居て欲しい。

 勿論、人間だから成長もするでしょう。

 けれど切り捨ててはダメよ。

 大切なものは守り通して欲しいの。

 自分の想いを貫き通して欲しいの。

 その為に皆を頼って欲しい。

 それが得意な人に任せて欲しい。

 全部ノアちゃんが言ってくれた事よ?

 ノアちゃんは自分の言った事を守れてる?

 胸を張って、家族に向き合える?」


「……」


「私がお願いしたいのはそれだけよ。

 私が大好きなノアちゃんのままで居てね。

 家族に負い目を感じるような事はしないでね。

 何より、ノアちゃん自身が好きな自分のままで居てね」


「……難しいです」


「そうね。

 私もそう思う。

 皆の事が大好きだからこそだものね。

 自分で何でもやりたくなってしまうわよね。

 少しくらいならって無理も重ねてしまうのよね。

 けれどそれでもよ」


「……」


「必要ならいくらでも人員は用意するわ。

 人手さえあれば、手段も選べるかもしれない。

 それでも手段を選べない時もあるかもしれない。

 そんな時でも、ノアちゃんが手を汚してはダメよ。

 ノアちゃんにはそんな事向いてないわ。

 私やセレネで足りないのなら、フィリアスに頼みなさい。

 ルチアにやらせたくないのなら、他の子達がいるわ。

 ハルちゃんは絶対に断ったりしない。

 それで傷ついたりもしない。

 万が一傷ついたなら、私が慰める。

 だから他の誰かを頼りなさい。

 ちゃんと大人を頼りなさい。

 少なくとも今だけは。

 ノアちゃんはまだ幼いの。

 まだ心が出来上がってないの。

 だから無理をしてはダメよ。

 無理を重ねてはダメよ」


「……」


「約束出来ないのなら、テッサのギルド長さんの所に乗り込むわ。

 私のノアちゃんに何をさせたのか、拷問してでも吐かせるわ」


「やめてください」


「なら約束して」


「……ハルに相談します」


「取り敢えずそれで良いわ。

 私もハルちゃんに言い含めておくから。

 この件でハルちゃんが私に嘘を付けないよう、命令もするからね」


「強引過ぎます……」


「そうよ。

 大人は強引で汚いものなのよ。

 ノアちゃんはこんな大人にはならないでね」


「あと半年もせずに大人です」


「年齢は関係ないわ。

 そんな事、ノアちゃんならわかっているでしょ?」


「ならアルカも子供ですね。

 無茶はしないで下さい」


「約束するわ。

 私は無茶しない」


「……誰に無茶させるつもりなんです?」


「それは内緒よ。

 ノアちゃんが全部話してくれたら、私も全部話してあげる」


「あの五人ですか?」


「何でそこでイロハじゃないの?」


「させないでしょう?

 イロハに無茶な事なんて。

 あの子にも向いていませんから」


「流石ノアちゃんね。

 よく見ているわ」


「それで?

 あの五人とはどこまで行ってるのですか?」


「はて。何の話かしら」


「惚けられるとでも?」


「ノアちゃんこそ私の秘密を暴こうと言うのなら、自分の秘密が暴かれる事も承知の上よね?

 私がハルちゃんに命令すれば、隠し切る事は出来ないのよ」


「汚いです!それはズルすぎます!」


「だから言ってるじゃない。

 大人は汚いものなのよ。

 ノアちゃんは汚い大人になんてならないでね。

 いっそ、ずっと綺麗な子供のままでいてね」


「反面教師のつもりですか?」


「わかりやすいでしょ?」


「根本的な問題があります」


「どこに?」


「私はアルカの事が大好きです。

 心の底から愛しています。

 どれだけ汚い大人だろうとも、否定できるはずがありません」


「それはそれよ。

 私みたいになりたいわけじゃないでしょ?」


「それは……そうですが」


「まあ、そこであっさり認められちゃうとちょっと悲しいけど」


「ならアルカこそ、私達に胸を張れる人でいて下さい」


「……頑張ります」

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