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31-19.一家団欒

 私はクルルとイロハと夕食前まで遊園地で遊び倒した後、二人を残して一旦ニクス世界に帰還した。


 私の多忙さを知っていたイロハが、気を遣ってクルルを預かってくれた。

早速母親としての気持ちが芽生えてきたのかしら。

無邪気な笑顔の幼女にママ、ママと手を引かれていれば、誰だってそうなるわよね。


 まあ、クルルの実年齢は私よりずっと上なんだけど。

イロハからしたら些事よね。

イロハなんて数千歳は下らないのだし。

本人も正確には把握してないみたいだけど。


 ダメだ。

こんな事考えてたら、またイロハの機嫌を損ねてしまう。

折角気を遣ってくれたのに。

折角上機嫌でクルルに手を引かれていたのに。



『アルカ様。

 イロハ様から、後で覚えてなさいと』


 ごめんなさい……。


 私が夕食の席に加わると、ナノハ、ヤチヨ、コマリ、セシルが私に同化した。

まだツクヨミとチグサも残っているし、今日はとっても賑やかだ。


 まあ、ナノハは同化してすぐに寝ちゃったけど。

ナノハはまだ、夜番もする予定だ。

今の内に寝ておくつもりなのだろう。


 明日から暫くは、ナノハが昼間休んで夜番、ヤチヨは昼番で夜休みになる予定だ。

今日までは、ナノハが昼も同行してくれたのだ。

お疲れ様、ナノハ。


 今はハルちゃんが、メアちゃん、ナハト、チハルを連れて現場に出ているのよね。

メアちゃんとナハトは交代制にするって言っていたけれど、結局殆ど連れ歩いているみたい。


 ハルちゃんは気まぐれな上にスパルタだからなぁ~。

まあ、さっさと二人の教育を終えてチハルの方に専念したいのかもだけど。


 早速報告を始めてくれたヤチヨ、コマリ、セシルから話を聞きながら夕食の席に付く。


 約束通りメイド服を着てくれたサナ、レヴィ、セフィ姉。

皆可愛い!セフィ姉もやっぱり似合うのよね!

ノアちゃんにも着て欲しいな~!


 やっぱりコスプレサバゲー企画を早く進めるとしよう。

その前にブ◯ック・ラ◯ーンも忘れずに見せておかなきゃ!


 準備が整い、サナ達の用意してくれた夕食を家族皆で食べ始める。


 うん。美味しい!

サナもあっという間に腕を上げたわね!

流石私のサナちゃんね!


 セフィ姉とレヴィが手伝ってくれたのはどれかしら。

どうやらセフィ姉もあれで家事は万能らしい。

もっとガサツなイメージがあったのだけど。


 というか、ぶっちゃけ二人暮らしの時はレヴィが代わりにやっていたのかもと思っていた。


 でも大しておかしな話でもないのか。

セフィ姉は好奇心旺盛で努力家だから、何でもかんでも手を出して極めていたのだろうし。


 そうだ!レヴィに聞きたい事があったのよね!



「レヴィ、フィリアスの件はどう?

 受け入れてみる気になった?」


「う~ん……。

 もう少し考えてもいい?」


「もちろん構わないわ。

 急かしたりはしないから、ゆっくり考えてね。

 役割だとかも一緒よ。

 暫くそんな事は気にしないで、ルビィと遊んであげてね」


「うん。ありがとう、お母さん」


「アルカ、私には?」


「ママはダメだってば!」


「ふふ。レヴィ次第ね」


「ぶーぶー!」


「いい年してそういうの止めてってば!」


 セフィ姉は懲りないわね。

レヴィがもう少し成長したら喧嘩が絶えなくなりそう。

まあ、でも大丈夫か。

仲良し母娘だし。



「ルカはどうだった?

 クルルとの学園生活、問題は無さそう?」


「うん。大丈夫。

 クルル良い子」


「そう。良かったわ」


「あるじ!アリアの話も聞いて欲しいわ!」


 ラピスが我慢できずにといった感じに、声を上げた。



「ラピス!?

 後で話すんじゃなかったの!?」


 慌ててラピスを止めようとするアリア。

食後にアリアの事で緊急家族会議を開くことになったという話は聞いている。

早速何かやらかしたらしい。

正直、それ自体はちょっと予想してたわ。



「少しだけよ!

 ただの雑談よ!

 あるじ!アリアったら初日からクラスの大半の子を落としちゃったのよ!

 もしかしたら、あるじ以上の人誑しかもしれないわ!」


 うんん?

落とした?惚れさせたの?

いやまあ、アリアの美少女っぷりならそれもやむなしとは思うけど、ラピスがわざわざ伝えてきたという事は、そう単純な話でもないのだろう。



「ラピス、どういう事です?」


 ノアちゃんママが質問する。

途端にアリアが震え上がる。

何やらやましいことでもあるのだろうか。



「ぜっ全員と友達になろうとしただけよ!」


 ラピスへの質問にアリアが真っ先に答えた。



「クラス全員の手を握りながら声をかけて回って、よ。

 特に全男子と一部女子がアリアに強い好意を抱いたわ。

 もちろん他の子達も全員が大なり小なり好意的よ」


 補足するラピス。



「ラピスは止めなかったのですか?」


「ええ。そこだけ止めたって意味ないもの」


 それはそう。



「それで、ラピスはどう思ってるの?

 アリアの中でコントロールするフィリアスが必要って話?

 それとも、何かしらの許可が欲しいの?」


「いいえ。どっちでもないわ!あるじ!

 ただ知っておいて欲しいだけよ!

 アリアはあるじをも上回り兼ねない逸材よ!」


 うん?

これはもしかして自慢しているの?

私のアリアちゃんはこんなに凄いのよ!って言ってるの?

実はラピスもアリアに攻略されちゃってたの?

さすアリ。



「他にはどんな事があったのですか?」


 食事と一緒に色々言いたい事を飲み込んだノアちゃんが、ラピスに続きを促した。


 今度はラピスが語りながら、少し慌てたアリアが補足を入れるという形で今日あった事を話してくれた。


 アリアを昼食に誘った女子生徒が、アリアに至近距離でお礼を言われて気絶したそうだ。

それからその女子生徒を看病したアリアは、大層好かれて自宅にも招かれたらしい。

家族会議が必要になった理由も、その件が間接的に関係しているそうだ。


 どうやら、その女子生徒だけでなく同じクラスの王子様にまで好かれてしまったらしい。

その結果、編入初日から王子にも城に遊びに来ないかと誘われたそうだ。

この王子への対応方法について、相談する事になったのだった。


 まったく。

私のアリアに色目を使うなんていい度胸してるわね。

少し話をする必要があるかしら。



『相手は幼子でございます、アルカ様。

 それもアリアの言う通りならば色恋すら解せぬ年頃の。

 アルカ様がムキになるような相手ではございません』


 冗談よ。大丈夫。

乗り込んで脅したりなんてしないわ。

今のところはね。

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