31-18.お披露目(強制)
「アリア!ルカ!リヴィ!ラピス!クルル!
みんな!おかえり!」
「「「「「おそいよ!!!」」」」」
「ごめん!みんな!」
「ただいま、アルカ。
いったい何してたの?」
「えっと、秘密の新技術開発?」
「見せて」
「え?今ここで?」
秘密って言ってるのに……。
「うん。
ルネル!アルカの新技術見てみたいの!」
「なんじゃ、ルカ。
わしに相手させるのか?
自分でやってみればいいじゃろうが」
「お願い。ルネル」
「そんな目で見るでない!
まったく。ルカはいい度胸しとるのう。
ほれ、始めるぞ。アルカ」
ルカに甘すぎる……
ルネルって小さい子好きよね。
リヴィの事も特に可愛がってるし。
自分より小さいと尚良しなのかも。
◯リコン?
「え~。本気なの?
まだルネルに見せるには練度が足りてないんだけど」
「ならば尚さらじゃ。
わしが鍛えてやった方が手っ取り早いじゃろうが」
「ルネルに勝つ為の秘術開発でもあるのよ?
ルネルに先に見せちゃったら本末転倒じゃない」
「要らぬ心配じゃな。
今のお主が小手先の術を身に着けたとて、わしとの差は埋まらんよ」
それはそうだけど!
そんなハッキリ言わなくてもいいじゃん!
『まあええやん。
折角の機会やし。胸を借る思て』
『どうせならハルちゃんが帰ってからの方がよくない?』
参加したいんじゃない?
『ハルママもええ言うとるよ~』
ぐぬぬ。
せめてツクヨミが万全ならなぁ……
『問題ありません。
アルカ様の内よりお力添えする事に、私の肉体の状況は関係ありませんので』
本当?
イロハはどう思う?
『まあ問題はないわね。
本当に戦闘の補助だけならだけど。
力と肉体の制御側には組み込まないで、思考補助にだけ徹させなさい』
もちろんそれだけでも十分に心強いけども。
仕方ない。
ここまでお膳立てされては、やらないわけにもいかない。
ちゃんと学園組を出迎えられなかった罰だとでも思って、もう一戦頑張るとしよう。
『ミーシャの方は?
まだいける?』
どうせなら神威が通じるのかも試しておきたい。
まあ、ツクヨミにも結局突破されたのだし、ルネルなら普通に無視できそうだけど。
『残念やけど止めとくべきやな~』
残念。
まあこれも仕方ないか。
元々長くは使えないって話だったし。
「いい加減作戦会議は終いにせい。
ほれ、やるぞ。アルカ」
「わかったわ。
最初から全力で行くわね」
私は再び黒い竜鱗を身に纏う。
「リヴィといっしょ!!」
嬉しそうな声を上げるリヴィ。可愛い。
そうだね~。お揃いね~。
「「格好良い!」」
セフィ姉とエリスはこういうのが好きなのね。
覚えておきましょう。
「なんで黒なの?
さてはハルのせいね!
折角なら金色の方が格好良いと思うわ!」
アリアはご不満なようだ。
金色だと、聖◯士◯矢みたいにならない?
「……」
ルカは何も言わずにこちらを見つめている。
見た目ではなく、機能に興味があるのかもしれない。
早速披露するとしよう。
私はいつも通り、ルネルに向かって突っ込んだ。
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「ふむ。手段は好かんが、強くなったのうアルカ」
私を地に転がしながら、お褒めの言葉を発する我が師匠。
有り難くて涙が出そう。
決して惨めさからなんかじゃないやい。
『尻尾はあかんかったか~』
そうね。
ク◯パみたいに振り回された時は切り離したくなったわ。
あれが一番怖くて惨めだったもの。
『ええ考えやな!
検討しとくで!』
トカゲみたいに?
『尻尾切りや!』
翼の方もお願い。
結構邪魔になるし。
『ハルママと相談してみるなぁ~』
まさかと思うけど、強さよりビジュアル優先してたりしないわよね?
『難しいんよ~』
何が?
強さを優先してビジュアルを犠牲にする事が?
「アルカ!すごい!
かっこいい!リヴィもやりたい!」
仰向けに倒れたままの私に駆け寄って、飛びついてきてくれたリヴィ。
リヴィから見て格好良く映ったのなら及第点よね。
そう思うことにしましょう。
「一緒に色々試してみましょうね~」
「うん!!」
お揃いがよっぽど嬉しいのか、ハイテンションで私の腕を抱き抱えて頬ずりするリヴィ。
可愛い。
「ルカにもできる?」
なりたいの?ドラゴンに?
『見た目だけならなぁ~』
オートカウンターとかはアルカネットありきらしい。
私以外で完全再現するのはまだまだ先のようだ。
「アルカ!次は私とやろ!
ほら立って!」
「勘弁してよセフィ姉~
今日はもういっぱい試合したから動けないの~」
「じゃあ明日!明日やろ!
私も戦ってみたい!」
セフィ姉無謀すぎない?
流石に勝てないってわかるでしょ?
この状態で消し飛ばさないように加減するのは難しいのよ?
『主、遊園地は?』
……。
『……』
『行くわよ!クルル!イロハ!』
私は気合を入れ直し、二人を連れて私世界に舞い戻った。




