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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
31.白猫少女と新学期

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31-6.似た者同士

「セフィ姉が座学も見るの?」


「不安ならアルカも参加したら?」


「残念ながら予定が詰まってるのよ。

 悪いけど、午後は抜けさせてもらうわ」


 エリスとセフィ姉との午前の訓練を終えてから、家に残っていた他の子達も集めて、私達は昼食を食べていた。


 午後の予定を聞いた所、昼食後は座学をするそうだ。

眠くなりそう。


 今まで座学は、グリア、お姉ちゃん、ノアちゃんが持ち回りでそれぞれの得意分野を教えていたけれど、今はあいにくと全員が出払っている。


 グリアはここ数日、どういう風の吹き回しか、教会に詰めているのだ。セレネは行かなくていいのだろうか。


 そうでなくとも最近は殆ど私世界に引き籠もっていたから、どの道教師役はもうやらなそうだけど。


 いやまあ、声をかければ不満を零しながらも、何だかんだと付き合ってはくれるだろう。

素直じゃないだけで、世話焼きお姉さんだし。

よし。普段お世話になってるお礼に、今度お姉ちゃんと呼んであげよう。



『ただの嫌がらせじゃない』


 失敬な。

たっぷり愛を込めて呼ぶに決まってるじゃない。



『少し妬けてしまいます』


 ツクヨミも呼んであげようか?

ツクヨミお姉ちゃん?



『はうぁ!

 いけません!アルカ様!

 刺激が強すぎます!』



 なんか長いから、ツク姉でいい?



『ぐふっ!』


 ツクヨミが沈黙した。


 そう言えばニクスはどうかしら。

たまに座学も教えてくれてたみたいだけど。


 権能関連の制限があるせいで、難しい部分もあるらしいけれど、この世界の一般常識程度の知識なら教える事も出来るらしい。


 私の所有物になった事で、その辺りの融通が効くようになった影響もあるらしいけど。


 その辺りの匙加減は相変わらずよくわからない。

神様特有のふわっとした基準が働いているそうだ。

しかも、その基準ですら状況次第で頻繁に変わっちゃうし。



「私が必要なら手を貸すけど」


 今も私の思考を覗いていたらしく、一緒に昼食を食べていたニクスがそう言った。



「ならセフィ姉がしっかりやれてるか見ておいて」


「そんなに疑わなくてもいいじゃん」


「セフィ姉ってなんかすぐに脱線しそうな気がするのよね」


「よくわかってるね、お母さん。その通りだよ。

 ママは教えるのは上手だけど、気になる事があるとすぐに脱線しちゃうの」


 苦笑い気味に答えるレヴィ。

どうやら常習犯らしい。



「ニクスの感想も交えて、後でノアちゃん達とも相談しましょうか」


「ふふ。そこまでしなくて大丈夫だよ。

 今後は私がセフィの補助につくから」


「ありがとう、ニクス。お願いね」


「まったく。失礼しちゃうよ。プンプン!」


「そういうの止めてよママ。

 子供っぽいよ?」


「うぐっ……」


 セフィ姉がフルボッコだ。

まあ、これも日頃の行いね。


 とはいえ、流石に可哀想になってきた。

少し飴を与えてあげよう。



「ごめんね、セフィ姉。

 今晩は忙しいから、明日の晩にでも一緒に飲みましょう。

 言い過ぎたお詫びに好きなだけご馳走してあげるから」


「本当に!やったぁ!」


 しめしめ。

セフィ姉もバーに連れて行ってみよう。

そのまま良い雰囲気になったら攻略するのもやぶさかじゃない。



「ダメだよ、お母さん。

 ママが行くなら私も行くよ!」


 流石に不味くないかしら。

レヴィのママを酔わせて口説く所をレヴィに見せるわけにはいくまい。



『こんな所で誘うからでしょ。

 思いつきで喋るの止めなさいよ』


 イロハの意地悪!

そう思うなら先に止めてくれればいいじゃん!

今更正論なんか聞きたくないやい!



『知らないわよ。まったく』


『アルカ様。

 不肖この身で宜しければ何時でも御酌させて頂きます』


 ツクヨミはまだ止めとくは。

そのまま美味しく頂かれちゃいそうだし。


『ああ、そんな、ご無体な……』


 どっちが?



「ごめんね。レヴィにもまた別の機会を用意するから。

 少しだけセフィ姉の事貸してくれる?」


「ダメだよ!絶対お母さんに迷惑がかかるよ!」


 レヴィ!良い子!

私の下劣な目論見に気付かず、只純粋に私の事を心配してくれている。

こんな良い子を無碍にしてまで、私は何をしようとしているのか!



「レヴィ、勘違いしてはダメよ。

 アルカはセフィを口説きたくて誘っているだけよ。

 そんな風に心配する価値なんて無いわ」


「セレネ!?」


 何でバラすの!?



「お母さん本当?」


「……いや、口説くとかじゃ……。

 ただもっと仲良くなりたいなって思っただけで……」


「私の本当のお母さんになる為じゃないの?

 ママと結婚するんじゃないの?」


 あれぇ?

どうしてそっち方向に舵切ったの?

いや、レヴィの気持ちは知ってたけどさ!



「それはほら!セレネの許可も必要な事だから!

 私は何時でも大歓迎なんだけどなぁ~」


「いい度胸ね、アルカ。

 あなたがその気なら、何時でも来てくれて構わないのよ?

 セフィと二人で、結婚を許してくれと懇願に来なさい。

 話くらいは聞いてあげるわ」


「うぐ……」


 セレネに擦り付けようとしたら、手痛い反撃を食らってしまった。

まだ私にそんな覚悟は無い。


 だからこそ、少しお酒でも飲みながら仲良くなろうと思ったのだけど……

順序が逆なのね……



「ならセレネ、レヴィ、セフィ姉。

 明日の晩は、私とセレネとノアちゃんとセフィ姉の四人でどうかしら。

 最初はあくまでも、これから仲良くやっていきましょうという事でね?

 勿論、他の子達も順番にセフィ姉との時間をセッティングするわ。

 少人数ずつで、少しずつね。

 家族が多くて全員一緒だと、どうしても話せる時間が少なくなっちゃうから。

 それでそれとは別に、レヴィ達家族全員も含めてセフィ姉の快気祝いもやりましょう。

 そんな感じでどうかしら?」


「私は構わないけど」


 取り敢えずセレネ様の許可は降りた。



「勿論私も大歓迎だよ」


 セフィ姉はノリノリだ。

もう少しレヴィとの温度差を考慮して欲しい。

セフィ姉ってそういう所あるよね。

だからレヴィが心配するんだよ?



「……お母さん。ママをよろしくね」


 レヴィは暫く考え込んでから、そう答えた。

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