表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
30.白猫少女と人事計画

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

720/1386

30-42.時と場合

「という事で採用決定よ!

 おめでとう!ヤチヨ!

 ヤチヨには私の側についてもらうからね!」


「ダメです。

 何勝手に決めてるんですか。

 また配置については話し合いです。

 それにアルカ付きはもうセシルがいるでしょ」


「そんなぁ~!!

 ここまで来てそれは無いよぉ~!」


「とにかくその話は後です。

 先ずは全員で親睦会をするのでしょう?」


「ダメよノアちゃん!後回しにしないで!

 そもそも私の我儘でヤチヨの面接もねじ込んだのに、どうして今更取り上げようとなんてするの?」


「はいはい。そんな事しませんから。

 そもそも、ツクヨミとコマリの配置もまだ確定してないでしょう?

 コマリは良いんですか?

 ツクヨミは?

 セシルとヤチヨが側にいれば、二人の事は諦められるんですか?

 そんな話を、今ここでするんですか?

 全員交えて、各々の希望も聞いて、全部整理して決めましょうと言っているだけです。

 ヤチヨ達の希望も聞かずに選択肢を狭めないで下さいと言っているのです。

 私はそんなにおかしな事を言っていますか?」


「……ごめんなさい。

 ノアちゃんの言う通りです」


「少し燥ぎすぎですよ。

 もう少し落ち着いて下さい。

 嬉しいのはわかりますが、アルカがそんなでは子供達に示しがつきません。

 もっと家長としての自覚を持って下さい。

 時と場合を選んで下さい」


「はい……ごめんなさい」


「ノア、その辺にしなさい。

 それより早く移動しましょう。

 今度はあのホテルよね」


「そうです、セレネ。

 既に上位十位以内の者達は全員準備が出来ております。

 マスター達もそろそろご移動を」


 シーちゃんが分体を先行させて準備を整えてくれたようだ。

ミヤコ達も引き続き協力してくれていることだろう。



「ふっふっふ!

 私の企画したあのホテルは随分とお気に召したようだね!

 これからもバンバン利用すると良いよ!」


 ドヤ顔で胸を張るアリス。

確かにあのホテルには何かとお世話になってるんだけど、建物や設備を作ったのも、普段給仕してるのもシーちゃんだから、シーちゃんには感謝してても、アリスにはつい忘れてしまうのよね。


 何か素直にお礼を言い辛い。

いやまあ、感謝はしてるんだけどね。

今もシーちゃんの分体が裏で料理や参加者の案内を頑張ってるのに、今は何もしてないアリスがふんぞり返ってるとなんか違うよねってなってしまう。


 そうは思いつつ、取り敢えずアリスを撫でておく。

にへらと相好を崩すアリス。可愛い。


 もう片方の手でシーちゃんも撫でてから、全員でホテルに移動する。

シーちゃんが全員分のドレスを用意してくれているはずなので、先ずは専用の更衣室だ。



「逆ですセレネ!

 そっちが私のです!」


 早くも着替え終わったタキシード姿のセレネに、綺麗な薄ピンク色のドレスを手に持ったノアちゃんが詰め寄る。



「違うわ。私のがこれよ。

 ちゃんと胸のサイズは私用になっているもの」


「殆ど変わらないでしょ!」


「ノアちゃん、燥ぎすぎよ」


「ですが!」


「私がシーちゃんにお願いしたの。

 諦めてそれを着なさい」


「嫌です!無理です!恥ずかしいです!

 なんてことしてくれたんですか!

 こんなの着るくらいなら元の服で構いません!」


「ノアちゃん、時と場合を考えて。

 皆着飾ってるのに一人だけ普段着でいるつもり?」


「ですが!」


「ですがじゃないわよ。

 ほら手を上げて、バンザ~イ」


「止めて下さい!着替えないですってば!」


「ノアちゃん、いい加減にしなさい。

 これ以上ごねるなら怒るわよ。

 折角シーちゃんが用意してくれたのに文句言わないの」


「そうです!シイナ!

 シイナはどこです!?

 今からでも新しい服を!

 いえ、ルチアでも良いです!

 変身魔法を使って下さい!

 セレネと同じのでいいですから!」


「「ダメよ、ノア。我儘が過ぎるわ。

 普段人に厳しくするくせに、あなた自身の好き嫌いは全然克服しようとしないじゃない。

 これも経験よ。諦めなさい」」


「うぐっ……」


 ノアちゃんもこういうところは子供っぽい。

基本的には、『他人に厳しく自分に厳しく』なのに、どうしても嫌いな事だけはその限りではない。

レーネの事情を知っていながら魚介類を食べさせていたくせに、風呂はサボるし、可愛い服は嫌がる。

普段着だけならともかく、こんな時までゴネる程だ。

確かに少しばかり我儘が過ぎる。



「ノアちゃん。そのドレスはおかしなものじゃないでしょ。

 単にノアちゃんが嫌がってるってだけじゃない。

 ほら、皆もう準備終わっちゃうよ。早く着替えて」


「でも……」


「シーちゃん、ごめん、やっぱお願い」


「イエス、マスター」


 シーちゃんに頼むと、ノアちゃんの服が勝手に変わっていく。

あっという間に、手に持っていたはずのドレスに着替え終わっていた。



「!?」


 私は驚きで固まったノアちゃんの後ろに回り込んで、ノアちゃんの髪を手早く纏めていく。

セレネは正面に回ってノアちゃんの顔に化粧を施していく。


 そうしてあっという間に、着飾って何時もより更に綺麗になったノアちゃんが誕生した。



「「可愛い!!」」


「は!?」


 そこでようやく我に返ったノアちゃんは、慌てて顔を拭おうとする。



「「ダメよ!化粧が崩れるわ!」」


 慌てて私とセレネでノアちゃんの腕を捕まえて、そのまま夕食会の会場に連行した。

流石に他の子達の前なら大人しくするだろう。


 真っ赤になって縮こまってしまったノアちゃんを席に押し込んで、私とセレネでノアちゃんを挟んで座る。

取り敢えずはこれで大丈夫だろう。


 私達三人の席は特別に目立つ位置にある。

会場自体はまるで結婚式場のようだ。


 少しだけ段差になって高い位置に、私達三人が並んで座り、その両脇に二人ずつ、レミィを除く内定組四人、コマリ、セシル、ツクヨミ、ヤチヨが席についている。

 そして、上位入賞者十名までの残り五人が会場のあちこちに設置された丸テーブルに一人ずつついている。


 テーブル自体は十個用意されており、家族達は大体三人ずつくらいで別れて座っていく。

後で内定組も移動できるようになっているのだろう。

ここで待っているだけでなく、自分から親睦を深めたい娘もいるだろうし。


 そうして全員が席についたところで、ミヤコの司会で親睦会兼お疲れ様会が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ