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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
30.白猫少女と人事計画

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30-33.反省会

 ハルちゃんズ採用オーディションの全プログラムが終了し、出場者達が一旦控室に下がった後、私とハルちゃんは壇上に上がって平伏した。



「誠に申し訳ございませんでした」


「もうしわけ」

「ございません」


「つまり不正が発覚したと?」


「なんで気付かなかったのよ。

 ここの娘だって全員アルカと契約してるんでしょ?

 パスがないんだから、おかしいと思いなさいよ」


「ぎそうした」

「ました」


「悪質過ぎるわね……

 ハル、あんたいい加減にしなさいよ。

 あんまり好き勝手し過ぎるなら、こっちだって何かしらの対処は考えなきゃいけなくなるのよ」


「ごめん」

「なさい」


「それで?

 具体的には何をしたのです?

 勝手に産み出して、不正出場させた。

 それで終わりですか?

 他に隠している事はありませんか?」


「ない」

「です」


「本当ですね?

 信じますよ?」


「はい」


「ここまで皆が頑張ってくれたのに、水を差して思うことはないわけ?」


「そもそも、知っていたのではありませんか?」


「いってない」

「わるいの」

「ハルだけ」


「直接伺ってはおりませんが、事前に察してはいました。

 ご不快にさせたのなら申し訳ございません。

 これも催しの一環なのだと判断し、確認を怠った私の落ち度でもあります」

「ごめんね~」


 あのタイミングでの告発はサプライズのつもりだったのか。

なら告発じゃなくて、発表したというか、付加情報を明かしただけというか、とにかく、面白おかしく紹介しようとしてくれたのだろう。


 そもそも殆ど私世界こっちで暮らすミヤコ達に、私達のそんな細かい機微は察しようがないだろう。

提案者側であるハルちゃんが持ち込んだのだから、そういうものだと判断してしまうのも当然の事だ。

ミヤコ、さっきはグルとか思ってごめんなさい……



「ミヤコ達は気にしなくていいわ。

 悪いのは全部ハルと、ハルを監督できていないアルカよ」


「「ごめんなさい」」


「私もですね。すみません。

 ハルに自重を教えると約束してお借りしていたのに」


「はい、これで説教はお終い。

 それで?

 誰をハルちゃんズに採用するの?

 このまま上位三名で良いの?

 レミィは不正出場だけが問題で良いのかしら。

 そもそも、ハルが産み出したのにハルちゃんズ入り出来ないなんて話があるの?

 レミィは別枠で考えて、残り三人、コマリ、セシル、ツクヨミで良いんじゃない?」


「ふっふーん!

 ツクヨミの入賞は私が全力で推したお陰ですね!」


 ミーシャが三票入れたの?

私もツクヨミに二票入れてたから、この娘も実質ブースト枠だったのね。


 あれ?

もしかして、純粋に多数から評価されて入賞したのって、コマリだけ?

一見、特段秀でたところがあるようにも見えないのだけど。

いや、まあ、私も入れてるんだけどさ。


 何にせよ、不正と忖度塗れの出来レースを純粋な実力で制したコマリは何か持っているのかもしれない。

良いわね。私の側に置きたいわ。

側に置くと言えば、この際だし。



「ノアちゃん」


「ダメです」


「まだ何も言ってない!

 このやりとり何度目よ!

 話くらい聞いてよ!」


「レミィが抜けたからヤチヨを繰り上げたいのでしょう?」


「なぜそれを!?」


「何故も何も、あれだけ落胆していればわかります」


「わかりやすかったわね。

 ヤチヨの五位が確定した時のアルカの反応」


「そもそも、既に三名が選出されています。

 繰り上がっても四位なのですから、関係ないでしょう」


「でもほら、ちょっとメンバーが心許ないと思わない?

 コマリもセシルも、単独で仕事を任せられる娘っぽくないし、ツクヨミはしっかりしてそうだから、レーネにつけてあげたいし」


「何がほらですか。

 それの何が問題なのです?

 元々は、レーネの専属候補を探したかったんですよね?」


「それ以外にも、ノアちゃん達の手伝いだって必要でしょ。

 少なくとも、メアちゃんとナハトが育つまではね。

 ナノハにももう少し自由な時間をあげたいの。

 せめて夜間の警護は別の娘に任せたいわ」


「レミィに任せれば良いのでは?」


「すぐはむり」

「レミィ」

「きょういくちゅう」


「それに」

「とくべつしよう」

「ちょうせい」

「ひつよう」


「どういう事?」


「うむむ」

「せつめい」

「むずかし」


「レミィ」

「きのう」

「つめこみすぎた?」


「なんか」

「おさない?」


「何かってなによ。

 ハルがそう産み出したんでしょ?」


「じっけんてき」

「わからないこと」

「おおい」


 マッドなサイエンティストだぁ~

いや、ダメでしょハルちゃん。

そろそろコアを取り上げるべきよね……



「ハル、二度としないと今度こそ約束して下さい。

 本当に次はありませんよ」


「はい」


「中々わかりあえないものね。

 まあ、ハルの生まれを考えればその辺りの倫理観がゆるいのもわからないではないのだけど。

 自分がそうやって生み出されたのだから、それの何が悪いのって考え自体は、こっちも否定しづらいのだし。

 やっぱりお姉ちゃんが全部悪いんじゃない?」


「お姉さんが無茶を始めたキッカケはニクスです」


「「ごめんなさい……」」


 お姉ちゃんとニクスが揃って頭を下げる。

これ私も謝るべきだったかしら。

別の時間軸の?世界の?とにかく、未来の私も関係してるんだし。

流石に関係ない?



「お陰で私達もアルカと出会えたのよ。

 今更ニクスの事にまで言及するのは無しよ」


「セレネがお姉さんの事を言及したんじゃないですか。

 ここで梯子を外さないで下さい」


「わるかったわ。

 少し適当に喋り過ぎたわね。

 私もちょっと衝撃的だったものだから、色々誤魔化したかったのよ」


「気持ちはわからないでもないですよ。

 ハルとのズレは以前から認識していましたが、まさかここまでとは」


 ノアちゃんとセレネが同じような、頭痛が痛いみたいな表情を浮かべる。

元々そっくりな顔が、よりそっくりになった。



「そもそも、レミィには何かやらせたい事があるんじゃないの?

 ハルちゃんだって誰より多忙なのだし、従順な手駒が欲しいって気持ち自体はわかるわ。

 それを自分の産み出した娘にやらせるというのは思うところが無いでもないけど、ハルちゃんのそういう所も良くわかってるもの」


「いえす」

「レミィ」

「ハルのせんぞく」

「ハルのぶんしん」

「そうつかう」


「今更だけど、レミィってハルが名付けて契約したの?

 あの子も既にフィリアスみたいだけど」


「いえす」


「アルカとの直接契約でなくとも、フィリアスは増やせるのですね。

 ハルが力を増した影響でしょうか。

 気になりますが、その辺りの話はまた今度にしましょう。

 今はこの後の予定に繋がる事を決めるとしましょう」


「ヤチヨを採用するかどうかね。

 確かにアルカの言う通り、コマリとセシルは安心して任せられるタイプじゃないわね。

 というか、セシルに票入れたのアルカよね?

 何票入れたの?」


「ナイショ」


「アルカ」


「……半分くらいです」


「元々そういうルールとはいえ、アルカとハルに有利すぎましたね。

 次回はバランスを見直しましょう。

 アルカ達の票は今回の半分で十分でしょう」


「それでも全振りしたら誰か一人ずつは固定になるわね。

 いっそ別枠にしたら?

 順位とは別に特別賞みたいにして」


「そうですね。

 その方がより正確に家族全員の総意で決められそうです」


「総意となると一位のコマリですら十三票だから、三分の一程度なのよね。

 次回からは順位じゃなくて、過半数を越えたらにしない?

 とはいえ、この方法だと人数が増える程不利になるわ。

 だからその代わりに、二回に分けましょう。

 フィリアス達ハルちゃんズ側の採用オーディションと、それ以外の家族とで」


「良い案ですが、また話が脱線していきますね。

 アルカ、コマリとヤチヨには何票ずつ入れたのですか?」


「言わなきゃダメ?」


「どうせフィリアス達にはバレてんでしょ?

 言わないならアウラから聞くわよ?」


「コマリに二票とヤチヨに一票です」


「本当に小さい子が好きね。

 私ももう少し幼くなろうかしら」


「逆にしていれば、望み通りヤチヨまで入賞でしたね。

 一位二人と、三位三人になっていたので」


「うぅ……」


「たらればはやめなさい。

 取り敢えず、面接してから決めましょう。

 勘違いしているようだけど、まだ本決定では無いし、私達の承認だって必要なのよ。

 コマリはともかく他の子達の事は、一部主旨を理解していない大人げない人達がいたから、面接で落ちる可能性だって残されているわ。

 低票数の子が無理やり引き上げられても、そこで躓く可能性だってあるの。

 ヤチヨの事もそれから判断しましょう。

 定員割れしたら、改めて面接するくらいは良いでしょう」


 そうだった……

素で忘れてた……

というか、消化試合だと高を括ってた。


 こうなっては、皆も真剣に面談に臨む事だろう。

本来なら、これからよろしくねと笑い合うだけの席が、真面目な面接会場と化してしまったのだ。

あかん……セシル落ちるかも……

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