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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
30.白猫少女と人事計画

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30-29.マスター

 夕食後一時的に戻ってくれたハルちゃんにお願いして、アリアとラピス、ルカとクルルの契約を完了した。

力の制限も問題なく出来ているようだ。

ラピスとクルルが同化しても、アリアとルカに大きく変わった様子はない。


 アリア達は初めての契約に、案の定大はしゃぎだった。

アリアはともかく、普段は冷静なルカですら抑えきれないようだ。

こんな調子で今晩はちゃんと眠れるのかしら。

日中に済ませるべきだったのかもしれない。

まあ、大部屋に放り込んでおけば、きっとすぐに眠れるだろう。

別の意味で盛り上がってしまうかもだけど。

私も参加したい。



『はいはい。

 それは後になさい。

 次はミユキでしょ』


『は~い』


 私はアリア達と別れて、お姉ちゃんを呼び出した。

ナノハ伝いに聞いていたからか、今日はまだルネルとの晩酌を始めていなかったようだ。

後でルネルも呼んであげよう。

今から行くところは、きっと気に入る筈だ。


 私はお姉ちゃんを連れて、私世界のホテルの最上階フロアに作られた、バーのような場所を訪れた。

ような、というか、バーそのものなのだろうけど、私は実際に行った事があるわけでなく、映画とかで見たことがあるだけだから、なんとなく自信はない。

種類とかあったとしても、よくわからない。

もしかしたら、お姉ちゃんなら詳しいのかもだけど。

でも、こっちに来たのは未成年の時のはずだから、流石に知らないかしら。



「嬉しいわ、小春。

 ここに誘ってくれるなんて。

 けれど、それならルネルさんにも声をかけておくべきだったんじゃない?」


「先にお姉ちゃんと二人きりで話をしたかったから。

 それが済んだら、ルネルも誘うつもりよ」


「どうしたの改まって。

 大切な話?」


「まあ、まずは飲みましょう」


 私がそう言うと、いつの間にか現れたシーちゃんがいつの間にか作ってくれたカクテルを差し出してくれた。


 ところで、今日はシーちゃんがマスターなの?

あれ?バーテンダーってマスターとは言わないの?

マスターって喫茶店の場合だっけ?

ダメだ。わからん。

私には映画やドラマで見ていたなんとなくの知識しかない。



「マスターでも良いのよ。

 シイナちゃんが店主なんでしょう?

 ああ、でも女性だと違うんだったかしら」


「お姉ちゃんもうろ覚えなのね。

 というか、ニクス世界にも同じ様な形態の店はあるんじゃないの?」


「どうかしら。

 確かに似ている部分は多いけれど、完全に一緒というわけでもないのよ」


「なら諸々落ち着いたら、今度一緒に探してみようね。

 それで、記憶との違いを調べてみましょう」


「ふふ。良いわよ。

 そんな日が来るのを楽しみにしているわ」


「きっとすぐよ。

 ノアちゃんも何やら頑張ってくれているみたいだし」


「話ってその事?

 私は何も言わないわよ?」


「違うよ。

 そんな事しないってば」


 否定しなかったという事は、やっぱりノアちゃんの目論見は私の行動の自由を確保する事みたいね。

カノンの身バレの件とセレネの口ぶりからもしかしたらと思っていたけれど、ギルドに何かをするつもりなのかしら。


 地下の町の件みたいに、力で脅すのかな。

その方向性はあまり上手くいきそうにない。

悪さをするなと、脅威を調べるな、では意味が違いすぎる。

調べるなと言われても、止められるものでもないだろう。


 とりあえず、思考を戻そう。

今は指輪の事だ。

お姉ちゃんが少し警戒してしまった。

このままでは雰囲気がよろしくない。

先ずは楽しく飲んで忘れるとしよう。


 私とお姉ちゃんは思い出話に花を咲かせながら、次々とお酒を飲み干していった。

ここまでガッツリ飲む前に指輪を渡すつもりだったのに、少しやらかした気もしなくはない。

けどもうこの際勢いだ。

私は覚悟を決めて、お姉ちゃんに指輪を渡す事にした。



「お姉ちゃん、これを受け取って欲しいの」


 なんか何時もと違う。

他の子達に渡した時とは異なる、照れくささと言うか緊張感というか、とにかく妙な感覚だ。



「ありがとう。嬉しいわ、小春」


 お姉ちゃんは特に驚くこともなく、普通に受け取ってくれた。

なんでこんな時だけ余裕なのかしら。

いつもは私から迫ればすぐに崩れるのに。



「あんまり驚いてないの?」


「う~ん。ふふ。ごめんね。

 さっきから小春が妙にそわそわしてたらから、もしかしたらって思っちゃって」


「そんなに出てた?

 普通にしてたつもりだったんだけど」


「そうでもないわよ。

 それに、小春は普段そんなに飲まないでしょ?

 緊張を和らげたかったんじゃない?」


「うぐっ……」


「ふふ。可愛い」


「お姉ちゃんが余裕ぶってると何か違う」


「ぶってるって何よ。

 私にだって余裕くらいあるわよ。

 心の準備さえ出来ていれば造作も無いわ」


「心構えなんてしないで、素のお姉ちゃんの反応を見せてほしかったわ」


「小春」


 お姉ちゃんは私の頬に手を添えて自分の方に向かせると、そのままキスをしてくれた。



「もっと」


「ルネルも呼ぶんじゃなかったの?」


「空気読んで」


「ふふ。ごめんなさい」


 再びキスしてくれるお姉ちゃん。

何だか思ってたのとは全然違うけど、これも悪くはないわね。

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