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30-25.運営委員会

 さて、次はどうしようかしら。

外に仕事に出たハルちゃん達を見送って次の行動を考える。

私世界に行って打ち合わせをするべきか、メアちゃん達との話を先に済ませるべきか。



『……』


『話したい事があるの?

 なあに?何でも聞くよ?』


『……』


『三人で遊園地?

 う~ん。

 ちょっと今日はそこまでの時間は無いんだけど。

 でもそうね。

 ナハトと仲良くなるには丁度良いかもね。

 どう?興味はあるかしら、ナハト?』


『あんまり』


『そっか~。

 ナハトはどんな事が好き?』


『わかんない』


『そっか~』


『……(まかせて)』


『メアちゃんがどうにかしてくれるの?

 ナハトの事?

 なら、お願いするわ。

 ナハトも少しだけでもいいから、私以外ともお話してみてね』


『……うん』


 私はメアちゃんにナハトを任せて、先に私世界のミヤコ達に会いに行く事にした。

自室に戻ってベットで横になった後、私世界に意識を送り込む。

今回はイロハも同伴させる事にした。

まあ、うん大丈夫だとは思うんだけど一応ね。

私の体が無防備な状態だと好きに使えるし。



「思いっきり疑ってるじゃない」


「いや、ほら、私の事が好き過ぎて何かしちゃうかもだし」


「アルカと一緒にしないでよ」


「まあ、うん、ごめん。

 私なら絶対何かするわね。

 暇な状況で眼の前に無防備なイロハの体があったら」


「起きてる時でもいいじゃない」


 私達がミヤコとコマチの下を尋ねると、二人がイロハに飛びついてきた。

一昨日一緒に遊園地巡りをしていたばかりなのに、もう恋しくなってしまったのだろうか。


 少し寂しい。

最初にフィリアスになった時は私にベッタリだったのに、今ではすっかりイロハに夢中だ。


 まあ、イロハ可愛いものね。

容姿もだけど、なにより性格が。

普段ツンケンしてるくせに、何だかんだと自分を慕う子達を無下にはしないし。


 今もミヤコとコマチの勢いにタジタジになりながらも、ちゃんと話を聞いてリアクションを返している。

不器用なだけで優しい娘なのは間違いない。


 暫くして、二人はようやく私の方に向き直った。



「アルカ様、お話は伺っています」

「僕も参加して良い?」


「ありがとう、話が早いわ、ミヤコ。

 ごめんね、コマチ。

 二人はもうハルちゃんズみたいなものだから」


「私達にはお役目があるのですよ。

 弁えなさい、コマチ」

「で~も~

 僕もイロハ様の近くに居たいんだもん。

 ミヤコだって同じでしょ?」


「ミヤコもごめんね。

 望むなら、何れは役目からも解放するから。

 それに、ずっとここに張り付いている必要は無いからね。

 暇な時はいつでもニクス世界の方にも来ていいわ。

 アルカネットは使えるでしょ?」


「よろしいのですか?」

「良いの!?やったぁ~!」


「今更になってごめんね。

 イロハは謹慎中で、普段は私の体の中にいるから。

 私と同化してもらえば、いつでも会えるからね」


「嬉しいです。アルカ様」

「ありがと!アルカ様!」


 それから改めて話を始めた。

その内にフィリアス運営委員会の皆も集まった。

私が会うのは久しぶりだ。


 驚いた事に全員がハルちゃんズ入りに興味を持っていた。

どうやら未だにフィリアス達は暇を持て余しているようだ。

一応の役割がある運営委員会のメンバーも例外ではないらしい。


 アニメ鑑賞に飽きてしまったわけではないようだ。

まあ、アニメの方も元々時間の問題なのだけど。

私とお姉ちゃんの二十年にも満たない記憶の分しかない。

不眠不休で鑑賞できるフィリアス達なら、あっという間に消化してしまうだろう。


 何れは自給自足してもらうしかあるまい。

そっちも私達で主導した方がいいのかしら。

アニメの前にドラマでも作ってみるべきかしら。

アニメの作り方とか知らないし。


 ドラマというか、演劇の撮影くらいになりそうだけど。

まあ、撮影場所とか小道具とか特殊効果だけなら私達の世界以上に充実してるし、なんとかならないかしら。

その分目が肥えていると言うか、凄いと感じる基準が遥か高みというか、そもそもの感覚が違うだろうから、難しいかもだけど。

たぶん、か◯は◯波とかも、見た目だけなら同じこと出来るし。


 あかん。また脱線してる。考えを戻そう。

とにかく、運営委員会の子達も運営ではなく、参加者に加わりたいらしい。

ハルちゃんズ入りの話は想像以上に魅力的だったようだ。


 とはいえ、この子達の協力無しでは人手が足りない。

かといって、無条件で全員のハルちゃんズ入りを認められるわけでもない。


 運営委員会の子達は現在十名だ。

日々、ミヤコとコマチの下で私世界のフィリアス達の為、環境整備に取り組んでくれている。


 本当はもっと人数がいてもいいのだけど、イベント等で人手が必要な時はシーちゃんの分体もいるので、取り敢えずはこの人数で様子を見る事になったのだ。

単純な労働ならシーちゃんの分体に任せるけれど、運営側の中心はこの子達だ。


 そうでないと、全部シーちゃんで良くないってなりそうだし。

もういっそ、今回に限って全部シーちゃんに任せるべきかしら。


 とはいえ、場合によってはそのまま運営委員会が瓦解しかねない。

この子達はミヤコとコマチが見込んだ優秀な子達だ。

ハルちゃんズ入りする可能性も十分にある。

折角上手くいっているのに、何人も抜けたら困るはずだ。

ミヤコとコマチの努力を横から掠めるような真似もしたくない。


ならば、いっそ同等の何かを用意するべきだろう。

ハルちゃんズに入れない代わりに、何かメリットを提示するべきだ。

この件は、後でハルちゃんとも相談してみよう。

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