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5-4.魔王の封印

「アルカ!いました!」



ノアちゃんの指す方を見ると、

いつか見た神殿のような建物があった。


「敵はあの中ね?

魔王の一味で間違いない?」


「はい!あの枢機卿が間違いなくいます!

というより、おそらく枢機卿と魔王の封印だけです」


「え!?

わかったわ。一先ず帰りましょう」



私は転移門を開いて帰還する。


「枢機卿の拠点を見つけたわ」


私とノアちゃんは見てきた事を皆に話す。



どうやら、枢機卿は仲間を増やさなかったようだ。

その代わりに以前とは比べ物にならない程大きな力を得ていた。



「おそらく、あれからも聖女の素質を持つ者を使って力を引き出していたのだろう。

それでも封印が残っているという事はまだ魔王は復活していないという事だ。

まだ最悪の状況ではない」


グリアが状況をまとめる。


「さて、この後の事を決めなければ。

アルカ君の魔力量はどうかな?」


「少し休めば回復するわ。今日挑んでも問題ない」


「それは何よりだ。

力を増している以上、少しでも早い対応の方がよかろう。

最悪魔王が復活する可能性も無いではない」


「皆もそれで良い?」


「「はい!」」「おう」


「じゃあ二時間後に集合!」




----------------------





ノアちゃんとクレアは訓練場に向かった。

体を温めておくつもりのようだ。


セレネはグリアと相談している。

聖女の力で魔王の力を削ぐ方法について

ギリギリまで検討するようだ。



私は部屋で休み、時間まで魔力の回復に専念する。


そうして、もうそろそろ集合時間というところで、

私の部屋にノアちゃんとセレネがやってきた。


「「アルカ!」」


二人は私の名前を呼びながら勢いよく抱きついてきた。

決戦の時が迫ってきっと不安なのだろう。


十分な準備はしてきたのだから、自身がないわけではない。

それでも誰かが傷つくかもしれない。もう会えないかもしれない。

そんな不安が無いはずがない。


「二人共、絶対大丈夫。

皆が二人を守ってくれるし、

二人も皆を守ってくれる。

絶対、全員で無事に帰ってこよう。

そうしたら今度は皆でのんびり過ごそう」


「「うん」」



「ノアちゃんは無茶だけはしないでね。

クレアが隣で戦ってくれる。

後ろには私もセレネもグリアだっているんだから」


「はい!」



「セレネは初代の聖女に拘らなくていいからね。

魔王の力が削げなくたって、私達は負けない。

昔の勇者と聖女には私がいなかったんだから。

私がいるセレネが負けるはずないでしょ?」


「うん!」




「二人共もう大丈夫。

これでもう怖いものなんてないでしょ?」


「「アルカこそ無茶しないでね?

一人で頑張りすぎないか不安なんだよ!」」


「ふふ。二人共息ぴったり。

絶対に二人を残してどこかに行ったりしないわ。

まだまだ一緒にやりたい事がいっぱいあるんだから」


「「約束だよ!」」


「約束するわ!」



しばらく二人を抱きしめて、

私達も部屋を出てクレアとグリアの所に向かう。



全員が揃った所で、

転移門を開き、枢機卿が居た神殿の前に移動する。



「封印の力がとっても弱い。

もうすぐ魔王が復活しちゃう」


転移した途端、セレネが警告する。


どうやらかなりギリギリだったようだ。

早く枢機卿を倒して、封印を強化する方法を調べなきゃ。



私達は神殿の中に進んでいく。

以前、魔王の封印が安置されていた神殿と良く似た作りだ。

同じ時代のものなのかもしれない。



以前と同じような広い空間の部屋で

エルドス枢機卿は待ち構えていた。



「待っていたよ。アルカ君」


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