表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/1297

1-7.旅支度

私達は買い出しに来ていた。



しばらくはダンジョンを巡る旅に出ることになる。

ノアちゃん用の旅支度と消耗品の補充が目的だ。



いつものようにドワーフ爺さんの店に行く。

相変わらず何でも作ってくれるから便利な店だ。


「わかった。2,3日したら用意しとくからまた取りに来い。」


注文を受け付けて、爺さんはそう言った。


「しかし、お前さんがここまで動き回る事になるとは、嬢ちゃん様々だな」


ガハハと笑う爺さん。

ぐぬぬ!



確かにノアちゃんと暮らすようになってから、

外出の機会が格段に増えた。


皆してノアちゃんお手柄と褒めてるのを見るのは、

私のノアちゃん流石!って気持ちと、

私のこと何だと思ってるのよ!って気持ちで複雑だ。




いずれにせよ、私の引き籠もりライフを取り戻す為には、

早くダンジョンの暴走の件を片付けるしか無い。

まだ見ぬ犯人よ!この借りは高く付くと思え!



この調子だとまた次の事件も続きそう?

余計なこと言うんじゃないわよ!

それはフラグよ!




「お爺さんいつもありがとうございます。また来ますね!」


礼儀正しいノアちゃんと一緒に店を出る。



この子なんで奴隷になんてなってたんだろう。

絶対良いところの出だとは思う。

立ち居振る舞いや言葉遣いは明らかに教育を受けてる。


しかも、10に満たないこの年齢である程度の戦闘経験もあるようだ。

どっちも両立してるってことは騎士か何かの家だろうか。


それにしてはジョブが斥候に寄りすぎているけど。

まあ、ノアちゃんの適正を考えたらおかしな話でも無い気もする。


こんな事は考えたってわからないけど、

ノアちゃん本人にはまだ聞けていない。

きっと聞けば教えてくれる気はする。



でも、踏み込んで良いのかと不安になる。

もっと仲良くなって、ノアちゃんから

聴いて欲しいと言ってきたら聴くことにしよう。

私はノアちゃんに嫌われたくない。

ズルい考えかもしれないけど、今はそれでいい。





「アルカ?考え事ですか?」


「どうかした?」


「いえ、先程私を見てから何かに集中しているようだったので。

何か気になることでもありましたか?」


「なにも。ノア良い子って思って。」


「じゃあ、頭でも撫でてください!」


ノアちゃんは笑いながらそんな事を言う。

良いの!本当に触っていいの!ハアハア




「やっぱ良いです。なんか怖いです。アルカ」


私の怪しい気配を感じたようだ。

せっかくのチャンスを不意にしてしまった!私の馬鹿!


私が落ち込んだのを察したらしいノアちゃんが続ける。


「なんだかアルカの事少しわかってきました。

よく見ると表情の違いも結構あるものですね。

アルカは意外とコロコロ変わってて面白いです。」



ノアちゃんから微妙な評価を受けてしまった・・・

可愛いって言われたい年でもないけど、面白いって何よ!


でも、笑顔のノアちゃんが可愛いから許しちゃる!

お姉ちゃんはノアちゃんには甘々なのだ!




ところでこれってお買い物デート?

ノアちゃんと買い物行くのは別に初めてじゃないけど、

なんかいい感じにイチャイチャできてない!?

手とか繋いでみるか!いっちゃうか私!


「アルカまた不気味な雰囲気になってますよ」


ノアちゃんが引いていた・・・自重しよう。



あかん、ノアちゃんの私理解度が上がったせいで、

余計な事を考えると察してしまう!

嬉しいような困ったような・・・



ともかく気をつけよう。平常心平常心。

ノアちゃん可愛い。



私は頭を振って気持ちを切り替える。


「次は消耗品。行こう」


「はい!」



ノアちゃんを伴って買い出しを続けた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ