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30-19.約束

 メイド服着用を渋るノアちゃんが逃げ出したのをキッカケに、本日の家族会議は終了した。

次は、個別面談だ。

まずは誰からいこうかしら。


 レーネとレヴィは一緒に話しても良いのかしら。

二人とも専属フィリアスについてだったけど。

でも、レーネはなんだか言いづらそうにしていたから、個別に話をするべきかも。


 後はお姉ちゃんとノアちゃんの方ね。

私には言い辛いなら、ハルちゃんに……もダメね。

ハルちゃんでは、ブラック方面に躊躇がないから。



『めいれい』

『まもる』

『しんじろ』


『勿論信じているけど、基準が悪いわ。

 ハルちゃんが出来ると思っても、それは一般的な人間の生き方からは外れてしまうかもしれないでしょ』


『なにがいけない?』

『ハルできる』

『ママもできる』

『ノアもできる』

『むりしてない』


『なら』

『すきにする』

『それのなにがダメ?』

『にんげんらしさ』

『むじょうけんに』

『しばるのダメ』

『ちゃんとかんがえる』


『言い分はわかるけど、私は何よりも、ハルちゃんが私に会えなくても構わないと思ってるのが許せないのよ。

 毎日私の下に帰って来る事より優先したい事があるなんて、絶対に認めないわ。

 何よりも私を優先しなさい』


『それは』

『ごめん』

『ムキになった』

『そんなふう』

『おもってない』

『ハルもアルカ』

『ずっといたい』

『いっしょ』


『それは信じているわ。

 けれど、それでもつい楽しくなっちゃう事だってあるものね。

 だから、ルールを決めましょう。

 その範囲で好きなようにしましょう。

 ハルちゃんは必ず私の下に帰って来る。

 どれだけ楽しくても、泊まりは原則禁止。

 やりたい事があるなら、都度事前相談。

 そう約束してくれる?』


『うん』

『それでいい』

『やくそく』


『ありがとう、ハルちゃん。

 なら、取り敢えずハルちゃんに任せるわ。

 さっきの言葉は取り消すから。

 だから、後でどうなったか教えてくれる?

 それで問題ないか、私にも判断させてくれる?』


『がってん』

『まかせろ』


『うん、お願いね。ハルちゃん』


 ハルちゃんが私の中から消える。

お姉ちゃんとノアちゃんを捕まえに行ったのだろう。

あちらはシフトを決めて報告してくれるはずだ。

私はレーネとレヴィの事に専念しよう。


 とりあえず、レヴィからかしら。

もうすぐ寝る時間だし、小さい順にしておこう。

まあ、実はレーネよりレヴィの方が歳上なんだけど。

実年齢はともかく、種族特性的にレーネの方が心身ともに成熟しているから、レヴィを優先させてもらおう。



「レヴィ、話をしましょうか」


「うん。ママも一緒でいい?」


「ええ、もちろん。

 なら、セフィお姉ちゃんの部屋にしましょうか」


「もちろん、構わないよ」


「ありがとう、セフィお姉ちゃん。

 レーネ、先にレヴィと話をして来るけど、次はレーネの番だからね」


「はい。自室でお待ちしております」


「うん、ありがとう」


「アルカ、レーネの次は私とも話しましょう」


「カノンは明日でもいい?

 ファッションショーの件でしょ?

 ミヤコとコマチにも相談しなきゃだし、折角なら私世界の方で打ち合わせしましょう」


「その前に二人で話したいわ」


「アルカ様。

 カノンはアルカ様と二人きりになりたいのです。

 その口実として、声をかけているのですよ」


「そう言うって事はレーネもだったの?

 なら悪いことしたわね。

 じゃあ、明日は私の番ね」


「良いの?」


「ええ。

 皆で話した後でもいいから、ちゃんと時間作ってね」


「うん。約束」


「指切りする?」


「ふふ。ごめん、やめとく」


「まったく。

 相変わらず、約束が軽いわね」


「ごめん、カノン。

 悪気は無いんだけど」


「わかってるわ。

 別に責めて無い。

 毎度毎度、予定が狂うのは不可抗力なんだもの。

 でもまあ、きっと大丈夫でしょ。

 ここ数日は平和なんだし」


「そういうの、フラグっていうのよ。

 あまり口にするべきじゃないわ」


「そうね、じゃあこれ以上余計な事を言う前に退散するわ」


「カノン、お待ち下さい」


「どうしたの、レーネ?」


「これから私の部屋に来てくれませんか?

 今後の事を相談したいですし」


「別にそれは構わないけど」


『という事ですので、アルカ様。

 カノンが逃げてしまう前に来て下さいね』


『レーネ、程々にね。

 カノンは未だに、以前のレーネ以上に初なんだから』


『存じております』


「さて、待たせてごめんね。

 私達も行きましょうか」


「うん!」


 私はセフィお姉ちゃんの膝の上に座っていたルビィを抱き上げて、レヴィと手を繋ぐ。

レヴィは、もう片方の手でセフィお姉ちゃんと手を繋いだ。

幸い、我が家は廊下も十分な広さがある。

部屋まで三人分横に広がって歩いたところで窮屈さもない。


 そのまま四人仲良くセフィお姉ちゃんの部屋に向かった。

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