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30-18.家族会議・続々続

「他に何か話したい事がある人はいる?」


「私から」


「どうぞ、お姉ちゃん」


「ノアちゃんと一緒に進めている敵の調査の件よ。

 私はまだ暫く、殆どの時間を向こうで過ごす事になるの。

 けれどナノハをずっと付き合わせるわけにはいかないわ。

 だから、小春からもたまには帰るように言ってあげて」


『…………ひつよう』


 ナノハはイロハに頼まれて、お姉ちゃんを護衛してくれていたんだったかしら。

けれど、今はもうそれだけじゃないのね。

ナノハが自分の意思で頑張ってくれていたみたい。



「ナノハありがとう。

 けれど、取り敢えず護衛任務はもういいわ。

 ナノハも自分の判断で好きに動いていいからね。

 好きに休んで良いし、好きに帰ってきて良い。

 勿論、お姉ちゃんと相談の上でね。

 その代わりではないけれど、必要だと判断したら、お姉ちゃんがなんと言おうとも側にいてあげて。

 その場合はノアちゃんと相談してくれればいいから」


『…………がってん』


「もう少し信用してくれても……」


「ダメよ。

 お姉ちゃんは無茶しすぎるもの。

 お目付け役は必要よ。

 護衛じゃなくて、見張りが欲しいのよ。

 いっそお姉ちゃんにも専属のフィリアスを用意する?」


『ダメ』

『みとめない』


「愛娘からNGが出たわね。

 でもハルちゃん、ハルちゃんは私のだからね。

 お姉ちゃんにだってもう返すつもりは無いのよ」


『それはそれ』

『ママのフィリアスも』

『ハルだけ』


「面倒な三角関係は他所でやりなさい。

 というかそっちの人員はどうなってるの?

 さっきノアとも相談していたじゃない。

 今後は、ノア、お姉ちゃん、ハル、ルチア、ナノハ、メア、ナハトでいくのよね?

 もう人数は十分でしょ?

 あとはお姉ちゃんがちゃんと自重して休めば済む話じゃないの?

 アルカに頼む前に、自分の方どうにかしなさいよ。

 そういう所が無茶し過ぎって言われてるんじゃない」


「ごめんなさい……仰るとおりです……」


「そうね。

 お姉ちゃんが帰ってくれば、ナノハも安心して休めるものね。

 でも、メアちゃんとナハトが代わりに見張るの?」


「そうですね。

 私は別行動の場合も多いですから」


「えっと、一回整理しましょう。

 ノアちゃん、ハルちゃん、ルチアが自由に動いていて、お姉ちゃんとナノハが敵の拠点とやらで調査と待ち伏せを続けているのよね。

 結局メアちゃんとナハトはどう使うの?

 お姉ちゃんのところで一緒に働いてもらうの?」


『メアかナハト』

『ハルにつきそう』


「メアちゃんかナハトを連れたままどっちもカバーするの?

 日中はノアちゃんについて、ノアちゃんがこっちに帰ってきたら、向こうでお姉ちゃんと交代するの?」


『そう』


「それだと結局、ハルちゃんの負担が増えるだけじゃない」


『もんだいない』


「ダメよ。ブラック禁止」


『むむ』


「夜は私の所に帰ってきなさい」


『むずかし』


「ダメよ。命令」


『おうぼー』


「そんな事言うなら、ハルちゃんも謹慎にするわよ」


『がんこ』


「どっちがよ」


「いい加減にしなさい、二人とも」


「二人が喧嘩しないでください」


「とにかくちゃんとシフトを組んで頂戴。

 寝なくても平気だからって、働き続けるのはダメよ」


「ノアとルチアとハルで一セット。

 お姉ちゃんとナノハで一セット。

 メアとナハトは二人で半人前。

 それに対して、二十四時間監視が必要な場所が一つ。

 それとは別に外回りも必要。

 せめて単独で動けるのがもう一人か二人欲しいわね」


「やる事自体は最悪見張り番だけでも良いのよね?」


「ええ。それで構わないわ。

 資料の方はこっちでやるから」


「この件は後にしましょう。

 これ以上は家族全員で話し合う事ではないわ。

 ノアとお姉ちゃんも、何時までも意地張ってないで、手が回らないのならアルカにちゃんと話しなさい。

 そうしたくないのなら、弱音を吐かずに全て自分達でどうにかしなさい。

 勿論、アルカに心配をかけずによ。

 良いわね?」


「「はい……」」


「ありがとう、セレネ。

 そうね、後でもう一度整理しましょう。

 それで、家族全員で何か話したい事はある?」


「はい!」


「どうぞ、アリア」


「アリスとシイナにお礼が言いたいわ!

 遊園地、とっても楽しかったもの!」


「それはいい考えね!

 出てきて、二人とも」


 私の中からシーちゃんと、シーちゃんの分体を借りたアリスが飛び出す。



「二人とも、ありがとう!

 とっても楽しかったわ!

 今度また遊ばせてね!」


 アリアに続いて皆がアリスとシーちゃんに感謝を告げる。

ニクス達も手伝ってくれたっぽいけど、ここは空気を読んでとやかく言うまい。


 大量の感謝に、照れる二人。

二人ともモジモジしていて可愛い。


 説明されていないので、何のことやらと戸惑うレヴィ。

ごめん、そういえば、レヴィ達はまだだったわね。

いや、忘れてたわけじゃなくて、セフィお姉ちゃんだけ置いていくのは可哀想だと思っただけなんだけど。


 セフィお姉ちゃんが元気になったら連れていくとしよう。

復帰祝に、レヴィとルビィも連れて。

それに、深雪お姉ちゃんとナノハも不参加だったから今度は強制参加させよう。


 暫くして場が落ち着いたところで、ノアちゃんが手を上げた。



「アルカ、エリスの事はどうするのですか?」


「どうって?」


「日中訓練を受けるのはエリスだけになりませんか?

 ルネルさんに頼むにせよ、セフィさんにお任せするにせよ、アリア達とは別枠で考えなければなりませんよ?」


「そうだったわね。

 ならいっそ、エリスも学園に行ったほうがいいのかしら」


「一度マリアさんとも相談してみましょうか」


「そうね。元々は通ってなかったのかしら。

 何にせよエリスは一応、あの国では出奔した事になってるはずなのよね」


「学園の方は年齢の問題かもね。

 エリスはまだ九歳だし、初等部がある学園なんて珍しいって話だったし」


「ああ、そっか。

 お貴族様だから、普通は家庭教師とかに教わるのよね。

 カノンはどうだったの?」


「私は十二歳の時から、三年だけよ。

 まあ、城の敷地内だったけど。

 極一握りの高位貴族や王族しかいないようなものだから、学園って程ではないわね」


「カノンって卒業したばかりだったの?」


「ええ。というか、実質中退ね。

 必要な勉学は終わらせていたし、仕事もあったから去年から通ってなかったけど、籍は残っていたはずだし」


「制服とか無いの?」


「無いわよ。

 それで思い出したけど、例のコスプレイベントの話も詰めましょう。

 提案だけされてそのままだったものね」


「なんですその珍妙なイベントは?」


「私も混ぜなさいよ。

 何でそんな面白そうな話、二人だけで進めてんのよ」


「いや、何も進んでないし……

 つい最近、思い付きを話しただけだし……

 そうだ!それより、メイド服!

 セフィお姉ちゃんとレヴィにも着てもらいましょう!

 きっと似合うと思うの!

 うちで家事をする子は、全員着用を義務付けましょう!」


「「賛成~!」」


「嫌です、着ません」


「ふふ。私は構わないよ」


「ママが着るなら私も」


『仕方ないのです。

 ボクも着てあげるのです』


「リヴィもきる!」


『これって私も?

 別に良いけど』


「さあ、後はノアちゃんだけよ」


「観念しなさい、ノア」


「イ・ヤ・で・す!」

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