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30-16.家族会議・続

「それで、次はノアちゃんが担当してくれてる家事の件ね。

 ノアちゃんも出来る限りではやってくれるそうだけど、外に出ていたり、訓練の時間も必要だったりで忙しいから、出来れば負担を減らしてあげたいの

 それでこれは、サナとセフィお姉ちゃんにお願いしたいのだけど、頼まれてくれるかしら?」


「勿論、構わないよ。

 家事全般だけでなく、子供達の訓練の方も私が見るよ。

 ルネルに任せきりというわけにもいかないからね。

 それに私も鍛え直さなきゃいけないし」


「まだ運動はダメだよママ!」


「安心して、レヴィ。

 今すぐにという話ではないわ。

 アリア達が学園に入学する日からにしましょう。

 その頃にはセフィお姉ちゃんも復帰できるでしょうから」


「それなら……いいけど」


「それまでは、悪いけどリヴィにお願いね。

 これまでみたいにノアちゃんを手伝うと思って、サナを支えてあげて」


「まかせて!

 リヴィがんばる!」


「ありがと、リヴィ」


「なら私も手伝うよ!」


「うん、ならお願いするわ、レヴィ。

 サナとリヴィを手伝ってあげて。

 きっとノアちゃんとルチアの代わりは大変だろうから」


「うん!」


「家事の方はこんな所かしら」


「アルカ様、私もお手伝いしてよろしいですか?」


「ごめん、レーネは無しで。

 レーネは基本的にカノンと一緒に動いてくれるかしら。

 カノンを手伝いながら、訓練の方にも引っ張ってきてもらいたいのよ」


「かしこまりました」


「ありがとう、という事で次はカノンの番ね。

 ずっと同行できなくてごめんね。

 最近調子はどう?」


「本当よ。

 こっちは大変なのに、全然気付いてもくれないんだもの。

 悪いけど、あの店は一度引き上げる事になったわ」


「どういう事?」


 一瞬、ノアちゃんとカノンが目配せを交わす。

セレネ曰く二人は何かを計画しているらしい。

これは本当の事を全て話すとは限らないわね。

どうしてそんなに秘密にしたがるのかしら。

まあ、全て私のためなのだろうけど。

それはわかってるんだけど……



「監視の目があるわ。

 どうやらギルド関係みたい。

 一度姿を変えて出直すわ」


「つまり、カノンが見張られているのは私関連だと?」


「……ええ」


「どこで私とカノンを結びつけたのかしら。

 私はあの店に関わる間、姿を変えていたわ。

 バレたとしたら、国を出る前よね。

 まさかあのデートだけで目を付けたのかしら」


「そうでしょうね。

 おちおちデートもさせてもらえないなんて、本当に鬱陶しい連中よね」


「カノンはどうやってギルド関連だと目星を付けたの?」


「自分を嗅ぎ回ってる奴がいれば、こっちだって調べるわ」


「まあ、スミレもいればそれくらい簡単よね」


「なにか気になる事でもあるの?」


「ううん。

 ごめんね、カノン。

 私は全然気付けなかったわ。

 苦労をかけるわね」


 私やハルちゃんが気付けない監視をどうやって見つけたのかしら。

すでに何かしらの干渉でも受けた?

それとも、誰かから聞いた?

テッサのギルド長さんかしら。

ノアちゃんも絡んでいるなら、可能性は高そうね。


 ノアちゃんの秘密にも絡んでそうね。

ノアちゃんが聞いて、カノンに伝えたのでしょうし。

なら、お姉ちゃんと一緒に調査しているのはギルド長さん達よね。

なんでそこまで秘密にする必要があるのかしら。


 今回の敵組織もあの地下の町に関係があるのでしょう。

お姉ちゃんが一度も帰らずに張り付いているのも、罪悪感が原因かもしれない。


 ノアちゃんは私に罪悪感を抱かせないために黙ってるの?

セフィお姉ちゃんが襲撃されたのは、私が見逃してしまったからかもしれないと、そう思わせないため?

それだけでは、ここまで隠す理由には弱い気がする。

もっと何か、大きな目的があるはず。

それを私に知られたくないのね。



「アルカ、カノンの件はレーネに手伝ってもらうという事でしたよね。

 レーネも既に姿を見られています。

 変身魔法の修得が必要不可欠です」


 ノアちゃんがわざとらしく話を変える。

私の思考をルチア伝いに察したのかしら。

まあ、良いわ。

これ以上掘り下げるのは嫌だという事でしょうし。

というか、ごめんセレネ。

これはバレてるわ。

まあ、セレネもわかってるから、大した事は言わなかったのでしょうけど。



「そうね。

 レーネにもフィリアスを用意したいのだけど、どうしようかしら」


『あたらしくうむ』

『わんおふ』


「どうせならパートナーを用意するって事ね。

 まあ、そうね。

 レーネならそれでも問題ないでしょう。

 でも、そもそも契約出来るの?」


『こんなことも』

『あろうかと』


「用意してくれていたのね。

 専用の契約魔法」


『ほめて』


「流石、私のハルちゃん!」


『ふへ』


「アルカ様、私は……」


「って、ごめんレーネ。

 レーネの意見も聞かずに勝手に進めて。

 どうかしら。

 フィリアスとの契約、受け入れてくれる?」


「それは……」


「ごめん、急すぎたわね。

 後で話をしましょう。

 スミレもいるから無理にとは言わないわ。

 変装の方法くらいならいくらでもあるから」


「はい。それでお願いします」


「うん。

 カノンもレーネと一緒に行動するのは問題ない?」


「ええ。

 人手が増えるのは助かるもの。

 それにレーネならきっと良い看板娘になってくれるわ」


 まあ、レーネなら多少容姿を変えても問題ないでしょ。

愛想良いし、性格良いし、声も良い。

我が家の癒やし担当だ。



「そう言ってくれて良かった。

 それなら次は……」

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