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30-5.お誘い

今度はエリスの下にやってきた。

今はノアちゃんも深雪お姉ちゃんも出ているので、ルネルが中心になって子供達の訓練をしてくれている。



「ルネル、エリス借りて良い?」


「アルカ様!」


「エリスだけずるい!」


「アリアすてい」


「リヴィはがまん……」


「何故です、リヴィ?」


「リヴィ、アルカといっぱいあそんだ。

 けいやくもした。

 こんどはアリアたちのばん」


「リヴィは良い子ですね」


「アリア、リヴィの話を聞いてなんとも思わない?」


「うぐっ……

 仕方ないわね。

 エリスは来たばかりだものね」


「ルネル、全員連れて行ってもいい?

 アリア達ももうすぐ学園が始まるから……」


「別に構わんが、何もこんな中途半端な時間からにせんでもええじゃろうが。

 思い付きで行動せんで、ちゃんと朝から時間をとってやるべきじゃろ」


「仰るとおりです……」


「今から明日いっぱいまで休みじゃ。

 後は好きにせい」


「「「わ~い!」」」


「ありがとう、ルネル。

 皆で遊んでくるね」


「その分戻ってきたら厳しくしてやろうかの。

 お主もじゃぞ、アルカ。

 いい加減サボりすぎじゃろうが。

 わしを超える気が本当にあるのか?」


「サボってないわ。

 別の場所で訓練してるだけよ」


 深層に慣れるために頻繁に少しずつ籠もってるのよ。

早くノルンとの約束も果たしたいし。



「見た所、成果が出ておらんようだぞ。

 なんぞ、気を取られながらやっとらんか?」


「鋭いわね……。

 でも、その環境に慣れる事も目的の内だから」


「なれば、それ以外の方法も並行して進めんか。

 本来の訓練が疎かになっては元も子もなかろう」


「仰るとおりです……」


「お主もこっちに参加せい」


「所でルネル。

 ルネルって未来視使えるの?」


「セフィから聞きおったな」


「酷いわ。

 今までそんなインチキしてたなんて」


「ああん?」


「ひっ!」


「バカ者!

 わしがそんなもんに頼っとるわけなかろうが!」


「え?うそ!?」


「やはり今すぐ訓練を再開するべきじゃのう。

 まったく。何度教えても根づきやせん」


「ごめんなさ~い!」


「アルカのバカ」


「折角遊びに行けるはずだったのに」


「よけいなこといった?」


「そうなんです。

 またルネルを怒らせてしまったんです」


「アルカ様は何時もこうなの?」


「そうよ!

 エリスも心しなさい!

 アルカと付き合うには広い心が必要よ!」


「まったく。

 冗談じゃ。

 わしの気が本当に変わらん内に、とっとと行くのじゃ」


「ありがとう、ルネル!」


「ルネル好き」


「リヴィはだいすき!」


「優しいお師匠様に感謝します」


「アホなこと言っとらんではよ行かんか!」


「「「「「「は~い!」」」」」」


 私達はルネルの下を離れて、最初に私の部屋に移動して私の体を寝かせてから、私世界に移動した。


 実はこのタイミングでエリスに声をかけた事にも意味はある。

私世界に新しいアトラクションが誕生したのだ。

なんと、アリスとシーちゃんが遊園地を作ってくれた。


 散々放置していたお詫びにエリスを招待しようと思って声をかけた。

もちろん、セレネにも許可を貰っている。

というか、セレネの方から提案してくれた。

ついさっきまでセレネともここで遊んでいたのだ。


 ルビィをレヴィとセフィお姉ちゃんに任せて、セレネと共に私世界に入ると、直ぐ様飛んできたアリスがハイテンションで遊園地を紹介してくれた。

早速遊び始めた私達だったが、セレネは早々にギブアップした。

どうやらジェットコースターは肌に合わなかったらしい。


 普段の訓練で、結界の足場を使って平気でもっと高いところに上がるくせに、何故ジェットコースターはダメなのかしら。

落下についても、結界が壊されて自由落下状態になる事も珍しくないだろうに。

セレネも最近、模擬戦はご無沙汰だったからだろうか。

セレネの事だから基礎訓練は欠かしていないのだろうけど。


 ともかくそんなこんなで、セレネを私の家に連れて行った後、エリスを迎えに行く事にしたのだった。


 私は遊園地の入口に全員で転移して、皆を振り返る。



「さあ、皆!

 好きに遊んで良いからね!」


「「「「「???」」」」」


 あれ?

なんかピンときてないご様子。

まあ、まだ何の説明もしていないし当然か。


 エリス、イリス、アリア、ルカ、レーネはキョトンとしている。

リヴィは一足先にこの世界を経験しているからか、既にワクワクが溢れ出している。




「私もガイドするよ、小春」


「お手伝いします、マスター」


「ラピスはアリアに付くわ、あるじ!」


「主、イロハ様は?」


 なんでクルルまで出てきたの?

でも、そうね。

イロハも呼んであげましょうか。

私の体で好き勝手されても困るし。


 私がイメージすると、直ぐ様イロハが召喚された。

クルルはイロハに飛びつくと、あっという間に手を引いて走り去っていった。

気まますぎない?

まだ何の説明もしてないんだけど。

まあ、いいか。

そこまで厳しく見張らなくても。



「ラピスはアリアとルカの事をお願いね。

 シーちゃんは、リヴィとレーネかな。

 アリスはエリスとイリスをお願い。

 私は皆の所に順番に混ざるから」


 取り敢えずの方針を定めて、私達は遊園地に乗り込んだ。

時間を忘れないようにしなくちゃ。

この世界に閉園時間なんて概念は無い。

場合によっては、マリアさんにエリスの外泊許可を貰うとしよう。

夜になって皆が帰ってきたら、ノアちゃんやカノン達を呼んでも良いかもしれない。

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