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5-1.成長

「クレア!」


「おう!任せろ!」



私達はいつもの五人でダンジョン探索を行っていた。

魔王の封印を探す装置に必要になった素材を取りに来たのだ。


どうせならと、全員で連携の訓練もしている。



クレアがゴーレムを蹴り飛ばして、

倒れ込んだ所に私が転移門を設置する。


ゴーレムの半身が入った所で転移門を解除して切断する。


真っ二つになったゴーレムは機能を停止した。



「アルカ君。これも収納しておいてくれたまえ」


私はグリアに言われるがまま、

倒したゴーレムを収納魔法で回収する。



そんな調子で順調に進み続けていた。



「なかなかセレネの力が必要になるような強敵はいないわね」


セレネは強力な結界を貼れるようになっていた。

少しだが、治癒も使える。



「次は私とセレネだけにやらせてくれませんか?」


「そうね。ノアちゃんの意見採用!

セレネもそれで良い?」


「うん!任せて!」



ノアちゃんも今ではクレアとすらやり合うことができるほどだ。

今更魔物相手に遅れはとらない。


ノアちゃんの聖女としての力は結局増えなかったが、

その代わりにセレネのように自ら制御できるようになった。


普段は全身に纏っている力を一箇所に集中させる事が出来る。


剣先に集中させて突破力を上げたり、

足に集中させて機動力を上げたり、

腕等に集中させて敵の攻撃をしのいだりと、

ノアちゃんらしい器用な力の使い方だ。


流石にセレネのように自分以外も守るような範囲の拡大はできない。




「セレネ!見つけました!」


「うん!ノア気をつけて!」


ノアちゃんを前にして、

セレネが少し離れて付いていく。


セレネもかなり体力が付いた。

ノアちゃんも全速力では無いけれど

ちゃんと付いていけるようになった。



数体で現れた、二足歩行の牛頭の魔物に斬り掛かっていくノアちゃん。

ノアちゃんが戦っている魔物以外を結界で囲い動きを封じるセレネ。


ノアちゃんが一匹倒す毎に結界を解除して、

魔物を一匹ずつノアちゃんの方に誘導する。


セレネにノアちゃんの素早い動きに対応する瞬発力は無い。

なので、ノアちゃんの戦いの邪魔にならないように

上手くサポートに回っている。


そうしてノアちゃんの得意な戦い方に持ち込んだ二人は、

あっという間に敵を殲滅した。



「お疲れ様!二人ともすっごく強くなったわね!」


思わず二人を抱きしめる。



「ダンジョン内でこんな事するのは油断しすぎです!」


ノアちゃんは恥ずかしいのか、

厳しい口調でそう言いながらもはねのけようとはしない。

尻尾が嬉しそう。



「アルカ!アルカ!上手く出来てた?」


「うん!セレネも凄かったよ~!」


「いつまでも乳繰り合ってないで先進むぞ」


そう言いながらクレアと続いてグリアが先に行く。


「ほら!アルカ!もう行きますよ!」


ノアちゃんが私の腕から抜け出した。


「じゃあ行こうかセレネ」


「うん!」



私達はまた先に進んでいき、

必要な素材を集めていく。



「必要な物はこれで揃った。

さあ、帰るとしようか。

アルカ君、転移門を開いてくれるかね?」


「わかったわ。

皆も一旦帰るんでいい?

物足りなければ希望者だけ残っても良いけれど」



全員帰還する事にした。


ノアちゃんとクレアはまた訓練場でやるようだ。

この二人はすっかり意気投合してしまった。


なんだかんだ、ノアちゃんも強くなることが好きなので、

クレアとは相性が良かったようだ。


最近では、クレアも連れて帰ってきて

夕食を一緒に食べている。


ちょっと年は離れているけれど

友達みたいな関係で楽しそうだ。


悔しくなんてないんだからね!



ノアちゃんが幸せならそれが一番だ。

先日、誤字報告くださった方、ありがとうございました!

いつも読んで頂けて大変嬉しく思います!

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