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4-15.顛末

私は再びドワーフ爺さんに修復された杖を握りしめていた。



この杖は確かに強力だ。

これならば魔王にすらダメージを与えられるかもしれない。


けれど使い方を間違えれば仲間もろとも消し飛ばしてしまうだろう。

扱いには気をつけなければ。




これで魔王戦に向けて用意したかった物は一通り揃った。


そろそろギルド長に尋問の結果を聞きに行こう。


無人島に放り込んだルスケア領主の事も相談しておかなければ。



私は自宅に居たセレネとグリアを連れてギルドに向かう。

ノアちゃんはクレアとギルドの訓練場だろう。



ギルドについてギルド長を捕まえ、

例のごとく会議室で向かい合う。


ノアちゃん達はセレネに呼びに行ってもらった。

ノアちゃん達も合流した所で情報共有を進めていく。



「何か吐いた?」


「まあ、ペラペラと喋ってはくれるんだがな・・・

おそらくあの司教自身、枢機卿と魔王の居場所は知らされていない。」


「残念ね。

あまり信用されていないだろうとは思っていたけど」


「ルスケア領主はまだ生きているんだよな?」


「ええ。一応様子は見てるわ。ほら」


私は小さな転移門を開き、窓のようにして

上空から領主の姿を見えるようにする。

領主は無人島の砂浜に座り込んでいた。



「もう呆然としてるだけで何もしようとしないのよ。

こっちで食料放り込んでやらないと野垂れ死ぬわね」


「お前なぁ・・・

仮にも貴族だぞ?ペット扱いじゃないか。

魔王の眷属と組んでたとはいえ、

あまり妙な扱いをして国を敵に回したらどうするつもりだ」


「そうは言っても、今国に返すわけにはいかないんだから

しょうがないじゃない。それにあんなペットいらないわよ!」


「まあ、今回の件を未然に防げたのはお手柄だがな。

ドワーフの遺産だったか?強力な魔道具が敵の手に渡らなかったのは何よりだ」


「それに魔王の眷属も一人倒したわ。

以前は手も足も出なかったけど、

今なら十分戦える事がわかったのも大きな成果よ」


「そうだな。お前たちの頑張りのお陰だ。礼を言う」


「まだ早いわよ。何としても枢機卿と魔王の封印の居場所を見つけて止めないと」


「司教が何も知らなかった以上、領主がそれ以上に知らされているとも思えん。

奴を尋問するよりは、今はまだギルドの関与を否定できるようにしておいた方が良いだろうな」


「そうね。私が一人で勝手にやったことだわ。気にしなくていいわよ」


「すまんな」


「必要なことよ。万が一敵に取り戻されて、国や領主として動かれた時に面倒な事になるもの」


「そうだな。他に手がかりの宛はあるか?」


「一応無いこともないわね」


「その件ならば、私から説明しようじゃあないか」


「お願いグリア」


「うむ。セレネ君の聖女の力の研究を続けた結果、

初代聖女によって施された魔王の封印の居場所を割り出せそうなのだよ」


「現在、ドワーフ翁氏と共に装置の開発中だ。

完成すれば敵の居場所も判明することだろう」


「ドワーフ爺さんまで駆り出したのか。

よくあの爺さんが協力したものだ」


「ギルド長知らなかったんですか?

アルカはお爺さんと仲良しなんですよ」


「何だと!?なぜそれを早く言わない!」


「知らないわよ!」


「あの爺さんはギルドの頼みでもそうそう聞いてくれなくてな。

しかし、魔道具の知識は随一だ。いろいろ相談に乗ってもらいたいのだが

毎度苦労するんだ」


「お爺さんに魔道具の事を聞くのは止めてあげてくれませんか?」


「なぜだ、ノア?」


「なんでもよ。いろいろあるの。

ノアちゃんをいじめないで」


「そんな事しとらんだろうが」


「はいはい。話を進めるわよ

まあ、結局のところ敵の居場所を掴むのも時間の問題よ。

そっちは任せて領主の件なにかいい案考えといて。

あんなの一生養う気はないわ。

ああ、それとついでに兵士達もね」


「また無茶なことを・・・

っておい待て!兵士達ってなんだ!?聞いてないぞ!」


「あれ?そうだったかしら?

30人くらい生け捕りにしてるから、

開放手順を考えておいて欲しいのだけど」


「聞いとらんわ!!

なんでまた、今回はわざわざ生け捕りなんて事したんだ!

そんな手間かけてまで生かす理由があるのか?

兵士とはいえ、魔王の一味に協力していた者達だぞ!」


「まあ、そうは思ったんだけどね・・・」


「まったく、お前というやつは・・・」


頭を抱えてしまうギルド長。


「まあ、ともかくそういう事だから。

後は頼んだわ!」


私は言うなり転移門を開いて帰宅する。

セレネとグリアも続く。

ノアちゃんとクレアはまだ訓練を続けるのだろう。


「おい!待て!」


ギルド長の言葉を聞き流しながら転移門を閉じた。


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