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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
4.白猫少女とドワーフの秘密

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4-12.悪人

私達は拘束した兵士達を一箇所に集める。



どうやら大きな怪我をした者はいないようだ。


さて、こいつらどうしよう。

まさか兵士達までギルドで捕らえるわけにはいかないだろう。


そもそも大義名分は相手にあるのだ。

私達は他領の遺跡に侵入して

一方的にその領地の兵士達を捕らえた。


やってる事はこっちの方が悪人だ。



ただし、この兵士達は犯罪者と共にいたのだ。

その点で開き直ることにしよう。


「なぜあの男と一緒にいたの?

あいつが犯罪者だと知らなかったとは言わせないわよ」


私はこの場で一番偉そうな兵士に問いかける。



「我々は何も知らされていない。領主様の命だ!

貴様らこそこんな所で何をしている!

こんな事をしてただで済むと思うのか!」



案の定な答えが返ってきた。

まあ、そう言うでしょうね。



流石にギルドにこの人数を収容する施設はないはずだ。

それに勝手に連れて行ってギルドを

この件に巻き込むわけにはいかない。

そんな事をすれば国や領主と敵対しかねない。



ひとまず、兵士達はここに残して調査を続けよう。


「クレア。悪いけどこいつら見といてくれない?

私はもう一箇所行きたいところがあるの」


「おう。いいぜ」


「グリア。あの魔道具をなんとか出来ないか調べてくれない?

可能なら収集された魔力を開放して無力化したいの。

あの魔道具はこの国を滅ぼした物だから扱いには気をつけて。

最悪の場合は収納空間でなんとかするから無理はしないでね」


「任せたまえ」


「セレネはグリアを守ってあげて」


「わかった!」


「ノアちゃんは一緒に来てくれる?」


「はい!」



私はノアちゃんと二人で町の中央に向かう。




----------------------




町の中央にある大きな建物の中に入り、

階下へと続く階段を降りていく。


幸い道中の扉は問題なく開いた。

セキュリティシステムくらいありそうなものだけど。



そうして、奥に進んで行くと、

巨大な装置が見えてくる。


「アルカ」


「うんわかってる。」


装置の周囲には先程と同じように

人が集まっていた。


「一人魔王の力を取り込んでいる者がいます。

幸い大きな力ではないですが」


「わかるの?」


「はい。なんとなく感じます」


ノアちゃんもセレネと同じく聖女の素質があるからだろうか。



一番偉そうな人物の近くに控えていた

鎧姿の男がこちらを指しながら、

偉そうな男に何事かを伝える。



「聖女がこの地になんの用だ?」


偉そうな男がこちらに向かって問いかける。

向こうもこっちの気配を感じ取ったのだろう。



「あなた達こそこんな所で何を?」


私はノアちゃんを背後に隠しながら敵の前に姿を現す。



「貴様!なぜこんな所にいるのだ!

よもやこの様なところまで邪魔しに現れるとは!

どこまでワシを愚弄する気だ!」


偉そうな男が態度を急変させて激怒する。



「あなた私を知っているの?」


「知っているかだと!?白々しい事を抜かすな!

今まで散々邪魔をしてきておきながらとぼけるつもりか!」



え?誰?


「わるいけど心当たりはないわ。人違いじゃない?」


「そんなわけがあるか!

行け!やつを殺せ!」


怒りのあまり、周囲にいる者たちをけしかけてくる。


今度は魔王の眷属もいるので手加減はできない。

向かってくる兵士達を倒しながら、

こちらからも近づいていく。


この場にいる魔王の眷属はあの鎧の男のようだ。

彼はまだ、偉そうな男を守る様な位置にいる。



「何をしている!お前も行け!」


兵士達が少なくなってくると、

偉そうな男は鎧の男をけしかけてくる。



「ノアちゃん!」


「はい!」


私は兵士達の相手をノアちゃんに任せて、

鎧の男を止めるために、空に上って攻撃を仕掛ける。



やはり、魔王の眷属には普通の魔法は殆ど効いていない。



私は偉そうな男に向かって風の魔法を放つ。

鎧の男は守るために偉そうな男の前に飛び出す。


その隙を狙って、二人の足元にそれぞれ転移門を展開する。


とっさに気付いた鎧の男は偉そうな男を突き飛ばすが、

自分だけ穴に落ちる。その瞬間を狙って転移門を解除した。



「ひい!!」


真っ二つになった鎧の男の半身を見て、

突き飛ばされて尻もちを付いている偉そうな男が悲鳴を上げる。



我ながら今回やってることは完全に悪人だ。

当然良い気分ではないが、

この鎧の男に手こずるようでは、

魔王はおろか枢機卿にも勝てない。



「観念しなさい」


偉そうな男を拘束するために近づく。


「アルカ!」


ノアちゃんの叫び声を聞いた瞬間、

私は再び空を飛んでその場を離脱する。


残された鎧の男の半身から闇の触手みたいなものが生えて襲いかかってくる。


(こいつもう完全に人間じゃないわね!)



相変わらず、魔王の眷属の攻撃は魔法を受け付けない。

転移門を障壁のように自分の前に展開して、

襲ってきた触手を切断する。


しかし切断しても、次々に伸ばしてくる。

キリが無い。



「アルカ!任せて下さい!」


兵士達を倒したノアちゃんが触手に斬りかかる。


ノアちゃんの攻撃はあっさり触手を切り裂いていく。


しばらくそうして耐えていたが、

次第に触手の数が減っていき、ついに動かなくなった。


どうやら今度こそ力尽きたようだ。



部屋の隅で縮こまっていた偉そうな男と

生き残った兵士達を拘束していく。



「それで?あなたは何者?」


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