27-16.下部組織
「みやこ、こまち、あなた達は何か希望はある?」
「お任せしますわ、アルカ様」
「僕もなんでもいい~」
みやこはお嬢様みたいな口調だ。
こまちは少年みたい。そしてボクっ娘だ。
哀れサナ。またもキャラ被りだ。
まあ、性格は全然違うのだけど。
家族とそれに近い子達だけでも、既に二十人以上はいるからキャラ被りとか避けられない。
世の中そうそう変な語尾の子とかいないものだ。
だれか「にゃ」とか付けてくれないかしら。
「「みやこ、こまち、あなた達は暇な子達の中から好きに選定して、下部組織を結成しなさい。
どう考えても私達だけでは手が回らないわ」」
「了承致しました。
お姉様方の助けとなれるよう尽力致します」
「みやこ任せた!」
「ダメですよ、こまち。
あなたも働くのです」
「仕方ないな~」
「下部組織か~
確かに必要ね~
今回のイベント後にそのままこの船内のフィリアス達を取り纏めて欲しいわね。
そうなると、組織名も考えたいわね。
それに、船内のフィリアス達も何か呼び方ないかしら。
フィリアスと言っても、船の子達とそれ以外で一々呼び分けるのが面倒だわ」
「また始まったのです。呼び方とかどうでも良いのです」
「まあ、そう言わないでよ。
名前が無いと色々面倒なのよ」
「ハルちゃんズとフィリアスじゃだめなの?」
「ラピス達もフィリアスじゃない」
「「ミーシャの子供達は?」」
「「「嫌」」」
「ミーシャ何したの?
何でこの短期間で嫌われてるの?」
「せいしん」
「かんしょう」
「はじける」
「けど」
「ちくちく」
「うっとしい」
「それが」
「いらいらする」
「アルカ」
「きずいてない」
「けど」
「何でクルル達が弾けるのに、私には通用するの?」
「あいしょう」
「それに」
「ほんのう」
「クルルたち」
「つねにけいかい」
「クルルたちのせかい」
「からしたら」
「せかいのてき」
「ミーシャ、哀れ……」
「でも」
「アルカ」
「いったとおり」
「ミーシャ」
「なにもしてない」
「どりょく」
「ひつよう」
「もともと」
「てき」
「それに」
「いっぱい」
「やらかした」
「アルカ」
「ミーシャ」
「すきじゃない」
「みんなにも」
「つたわる」
「だから」
「いんしょうかいぜん」
「ひつよう」
「まずはアルカ」
「アルカが」
「ミーシャすき」
「なれば」
「みんなも」
「てきい」
「へる」
「はず」
「たぶん」
「随分、自信が無いのね……」
「しかたない」
「ミーシャ」
「きらい」
「ハルも」
「かいぜんする」
「しんじる」
「むずかし」
「なんか一周回って可愛そうになってきたわ。
全部本人のせいなのに。
いやまあ、お姉ちゃんのせいと言えなくもないのだけど」
「そんな風に思う必要なんて無いわ。
みゆきがハルを産み出さなくても、この子は元々世界を守りきれる様な器じゃないわ」
「ノルンちゃん……あんまりです……」
「ミーシャ、後で二人きりで話しましょう。
一度くらいは私からも歩み寄ってあげるわ。
ノルンの言い分はともかく、お姉ちゃんが迷惑をかけた部分も無くはないのだし」
「アルカさん!!嬉しいです!
是非お願いします!」
「甘すぎるわ、こはる」
「大丈夫よ。
一人でとは言っても、ハルちゃんには同化してもらうし、イロハも居てくれるからね」
「イロハは役に立たないのです」
「もう、サナったら。
もしかしてイロハに嫉妬してるの?」
「違うのです!
引きこもりのイジケっ娘なんて相手じゃないのです!」
『……』
ちょっと反応した?
『……』
出てきたら?
皆歓迎してくれるよ?
美味しいお菓子もあるよ?
『……』
私の中から黒い霧が伸びて、焼き菓子をいくつか取り込んだ。
私の中で飲食は出来ないはずだけど、どうするつもりなのかしら。
『……』
もしかして知らなかった?
まあ、そんなわけないか。
私の中での感覚なんて私にはわからないけど。
「とりあえず、ミーシャとイロハの事は置いておいて、先ずは名前決めよ。
必要ないって意見もわかるけど、私が便利だから名付けるわ。
皆も協力してね」
「「「「「「「「「「「「は~い」」」」」」」」」」」」




