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27-1.異世界転移

「どこよここ!!」


 気が付くと、私達は船ごと見知らぬ土地に転移していた。

周囲は一面見渡す限りの砂の海だ。砂漠とも言う。

そんな光景が、シーちゃんがどこからともなく出現させた、船内モニターに映し出されていた。



「点呼!」


「いち」


「二!」


「三なのです!」


「…………よん」


「五やで~」


「「六、七」」


「八です」


「九よ」


「あの場にいた子は全員揃ってるわね。

 というか、こういう時ってノルンは姿消したりするもんじゃないの?

 あんな怪しいムーブしておいて、普通にそのまま同行する事ある?」


「おやくそく」


「そんなの知らないわよ。

 必ず守るからって言ったじゃない。

 わたし、嘘はつかないわよ」


「つまりこの状況はノルンが原因では無いのね?」


「ええ。その通りよ。

 覚えていてくれたのね。

 わたしにはこはるを害する気持ちが無いって言ったこと」


「今も状況を説明してくれないのは何か制約があるから?」


「制約、そうね。

 制約というより約定かしら。

 わたしは本来ここに来るはずではなかったの。

 こはるのお陰で今ここにいるだけよ。

 現状でも色々と無茶してるからこれ以上は止めておくわ」


「誰か黒幕がいるのね。

 その人、じゃないわね。

 その神から私を守ろうとしてくれたの?

 けれど、約定って事はその神と何か取引もしたのね?

 まあ、良いわ。

 説明できる時が来たら話してくれるのでしょうし」


「随分あっさりしているのね」


「ニクスで慣れているもの」


「なら納得ね。

 お母様の意思の強さは折り紙付きだわ」


「ハルちゃん、そういう事らしいけど、どう思う?

 これ、ただの転移じゃないわね。

 ノアちゃん達との繋がりが遠すぎるわ」


「そう」

「いせかい」

「てんい」


「時間差どっちかしらね。

 アリア達が年を取る前に戻りたいのだけど」


「アルカ」

「れいせい」

「なんで?」


「どうせ黒幕はこの世界担当の神でしょう?

 さっさと引きずり降ろして帰りましょう」


「むり」

「えにしない」


「けれど、まさか呼び出しておいて放置はないでしょう?

 近い内に向こうから接触してくるわ。

 なら私達のやるべき事はこの世界の最大宗教の教会か神殿を目指すことね。

 そっちの方が向こうも出てきやすいだろうし」


「アルカ」

「ほんとに」

「へん」


「まあ、今は誰かに頼ってる場合じゃないもの」


「やればできる」

「こういうこと?」


「ノアちゃんのお墨付きよ。

 安心した?」


「うん」

「けど」

「いつもあんしん」

「アルカのそば」

「いるだけ」


「そうね。私もハルちゃんのお陰で心強いわ。

 ともかく動きましょう。

 例え一分一秒でも、私達の世界でどれだけの時間が経過しているかわからないわ。

 今はほんの一瞬でも時間が惜しいの。

 フィリアスは全員同化して。

 シーちゃん、船は飛ばせる?

 ノルンは言える事だけでいいから、役に立ちそうな情報があれば伝えて頂戴。

 全員行動開始!」


「「「「「「「「「らじゃ」」」」」」」」」


 私の指示通り、すぐさまフィリアスが全員私に同化する。

シーちゃんは船を起動しすぐに離陸させた。



「マスター周辺探査の為に偵察機を飛ばします。許可を」


「全てシーちゃんの判断で決めて良いわ。

 私の許可は必要だと思った時だけ確認して頂戴。

 後、この世界で力の出し惜しみなんてする必要もないわ。

 それで世界が荒れるのなら神が出張ってくるでしょうし。

 思いっきり、自重無しで暴れてやりましょう」


「イエス、マスター!」


「ふふ」


「嬉しそうね、ノルン」


「ええ。

 この調子なら何の心配もいらなそうだもの。

 流石わたしのご主人様ね」


「そう思うのなら少しは口が軽くなるんじゃない?」


「そうね。なら一つだけ。

 あなたが一番心配している問題はすぐに解決するわ。

 だから安心して、そのまま思うがままに行動なさい」


「今の遠回しな言い方は少しだけニクスみたいだったわ」


「嬉しいわ」


「マザコンめ」


「もう。そんなに喜ばせたってこれ以上はダメよ」


「褒めてないわ」


「マスター!

 都市を発見しました!」


「様子はどう?

 教会でもありそう?」


「いえ、ありません。

 住民は全員魔物と思われます」


「……え?」


「全員魔物の少女です。

 容姿にハル達と似た特徴があります」


{……つまり?」


『むすめたち』

『またふえた』


「吸血鬼の惑星なの?

 ここ、私達の世界の未来だったりしない?」

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