26-33.弱点
「シーちゃ~ん」
「マスタ~」
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「「なんか良い雰囲気になってきたわ」」
「しんぱいない」
「アルカちょろい」
「「それでいいの?」」
「自分でも言っていたじゃない。
キスくらいなら散々してるんだから、押し倒しちゃえって」
「「そうだけど……」」
「何が気になっているのです?」
「「……まだ私達何もしてないわ」」
「げーむますたー」
「ごっこ」
「したかった?」
「悪趣味なのです!」
「でも少し面白そうだわ!
脱出ゲームって言うのもあるのね!
誰かセッティングしてくれないかしら!
私謎解きの方をやりたいわ!」
「ならうち考えんで~」
「ありがとう!チグサ!
お願いね!」
「任せときーな」
「ボク、てぃーあーるぴーじーってやつやりたいのです!
シイナなら良い感じのセット作ってくれそうなのです!」
「てぃー?なにそれ?
それもミユキママの記憶情報にあったのよね?
私にも見せて!」
「これなのです」
「ふむふむ。
面白そうね!
前にシイナが出してくれたのに少し似ているわ!
ルアラ、これでげーむますたーやったら良いんじゃないかしら!」
「「ルアラはやめて!
ルチアとアウラってちゃんと呼んで!
アルカに付けてもらった大事な名前なの!」」
「ハルちゃんズみたいなものじゃない。
あだなってやつよ!
二人とももっと仲良くなりたいわ!」
「「そんな事言って、面倒くさくなっただけでしょ?」」
「まあ、その気持も無くはないわ」
「「ラピスは正直ね……」」
「いいこでしょ?」
「じまんのむすめ」
「「この内容では同意しかねるわ。
というか、ここにいるのは全員あなたの娘でしょ?
私達は自慢出来ないの?」」
「そんなわけない」
「みんないいこ」
「たいせつ」
「そもそも、母とも呼んで無いくせに都合よく娘を主張するなです」
「そんな言い方はダメよ、サナ。
フィリアスは皆、ママとあるじの娘よ。
本人がどう呼ぼうともね」
「わかったのです。
ルチア、アウラ、ごめんなさいなのです」
「「うぐっ……
そっそんな事より!
アルカ達が何か始めたみたいよ!」」
「コスプレやな~」
「…………ふぁっしょんしょー?」
「ナノハ、やっと起きたのね!
あるじは、シイナに記憶映像を見せてあにめの衣装を再現させてるみたい。
二人ともなんだか盛り上がってるわね」
「「さっき別の方向に盛り上がりかけてたじゃない!
どうしてそっちいっちゃったの!?」」
「さすがの」
「アルカも」
「シイナ」
「せいしん」
「おさなすぎて」
「ふみきれない?」
「やるべきこと」
「あたまでは」
「わかってるけど」
「アルカはん、たまに妙なとこで怖気づくなぁ~」
「レーネの時のやつね。
相手が純粋過ぎるとダメみたいね」
「…………けど、レーネにもリヴィアにもてだした」
「…………あいてからくれば、もんだいない」
「「シイナにその知識が無いから進展しないのね」」
「勝手に記憶見るのはともかく、それを話題にするのは止めた方が良いのでは?
レーネとの初夜はボク達を別の部屋で眠らせたのです。
見せるのを避けたのですから知らないフリをするのです」
「サナの意見もわからなくは無いけれど、あるじは気にしてないわよ?」
「きっとレーネは嫌がるのです。
プライバシーを守るのです」
「ふだんから」
「きをつける」
「みんなのまえ」
「うっかり」
「でないとも」
「かぎらない」
「わかったわ。気をつける。
流石サナね!良く気付いたわ!」
「ふへへ」
「ほめてのばす」
「ほうしん?」
「「ラピスが長女だっけ?」」
「…………ラピスおねえちゃん?」
「ナノハ!それ良いわね!
お姉ちゃんが抱っこしてあげるわ!」
「…………やった」
「サナが長女なのです……」
「サナお姉ちゃん!」
「ラピスに言われるとなんか違うのです」
「なんでよ!?」
「…………ラピスおねえちゃん、もっとぎゅして」
「ナノハ!」
「「何でこっちが盛り上がってるのよ。
アルカとシイナの方はどうするの?」」
「確かに少しまずいかもしれへん」
「急に真剣になってどうしたのです?」
「いい加減、見てるだけも飽きてきたわぁ~
うちも参加してきてええ?
なんか向こう楽しそうやし」
「「良いわけ無いでしょ!
まずいってチグサの方なの!?
やっとやる気出してくれたのかと思ったのに!」」
「でも」
「チグサのいけん」
「どうい」
「コスプレ」
「たのし」
「母様のはガチすぎるのです。
もっと可愛いのが良いのです」
「か◯ん◯いだー」
「◯ター◯ル」
「いしょう」
「つくった」
「ひろうしたい」
「あれはもう衣装じゃないのです!
機能まで再現したらコスプレじゃないのです!」
「「何でサナはコスプレにそんな拘ってるの?
ハルの趣味くらい好きにさせなさいよ」」
「流石に見せられてもノッてあげられないのです。
熱意が違いすぎるのです。
というか、眼の前で母様のノリノリな変身シーンとか見せられると恥ずかしいのです。
そういうのはノアに見せれば良いのです。
きっと喜ぶのです」
「「それはそうでしょうけど」」
「うむむ」
「かなしい」
「むすめとも」
「たのしみたい」
「ハルママかんにんえ~
うちも流石に無理やわ~」
「むねん」




