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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
26.白猫少女と漂流者

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26-29.浮気

 私は早速、指輪を用意する事にした。

先ずはカタチからだ。

とはいえ、爺さんの店でいつものような特注品を作ってもらったのでは、時間がかかりすぎてしまう。

かと言って、見た目十歳未満の子供達に合うまともな市販品などあるはずもない。


 結局、シーちゃんの分は爺さんに急ぎで一つだけ作ってもらう事にした。

材料は仕入れる必要の無い手持ちの物に限るけれど、爺さんなら良いものを作ってくれるだろう。


 そして、フィリアス達の分はシーちゃんの通信機と同じものを用意してもらう事になった。


 一応、今すぐ用意する指輪は婚約指輪のつもりだ。

結婚指輪はまた改めて作る事になる。

というか、発注だけはしておく事になった。

スミレ以外のフィリアス全員とホログラムシーちゃん、計八名を引き連れて、私達は爺さんの店に乗り込んだのだ。

とはいえ、ハルちゃんにはもう必要ないし、ラピスは発注済みなのだけど。



「という事で、婚約指輪一つと、結婚指輪六つお願い」


「まだ前回頼まれた分も出来とらんぞ。

 そうポンポン注文されても追いつかんじゃろうが」


「そう言いながらチョーカーの方はもう出来てるのね。

 流石、仕事が早いわ」


 ラピスの指輪も色々と条件付けちゃったものね。

 いつも通り材料の仕入れに掛かる時間だろう。

 私が仕入れて来ても良いのだけど、既に発注は済ませてあるのだろうし今更ね。

 というか、まだ私カノンとお姉ちゃんの指輪も渡せて無いのよね……


 またカノンに怒られるわね。

チョーカーと一緒に渡すつもりだったって事にして誤魔化せないかしら。

そういう問題じゃない?

わかってるってば……


 私は大量のチョーカーを受け取って、代わりに婚約指輪に使えそうな素材を収納空間から取り出す。



「これで出来る?

 足りないのがあったら採ってくるけど」


「Sランク向けの防具でも作る気か?

 普通は指輪一つにこんなもん使うわけ無いじゃろうが」


「今更何言ってるのよ。

 他のだってこれ以上の素材使ってるでしょ?」


「わかっとるわい。

 文句の一つも言いたくなって当然じゃろうが。

 儂の店をなんじゃと思っとる」


「なんでも屋?」


「お前さんいい加減にせんと、出禁にするぞ」


「ごめんなさい。それは困るわ」


「まったく……」


「まあ、そう言わないでよ。

 今更私達に武器や防具が必要ないのはわかってるでしょ?

 それでもこうして、爺さんの店に頼らせてもらってるんじゃない」


「ノアはまだ使ってくれとるじゃろうが」


「最近浮気してるわよ?」


「なんじゃと!?」


「遠方の島国で手に入れた刀に夢中みたい」


「かたなじゃと?」


「その様子だとまだ見せてもらっていないのね。

 色々注文するつもりだったみたいなのだけど。

 刀の習熟に熱中して忘れているのかしら。

 久しぶりにえらく興奮していたし無理もないわね。

 もしくは、バツが悪かったのかしら?」


「……今度連れてこい」


「わかったわ。

 爺さんの腕でもっと良いのを作ってあげて。

 爺さんの作る武器が負けるはずないもの。

 新しい刀を作ってあげればきっと喜ぶわよ」


「うむ」


 私は忘れないうちにノアちゃんに念話を飛ばしながら、指輪の作成依頼を進める。



『ところで、ルチア帰してくれませんか?』


『えっと、その件につきましては……』


『何故言い淀むのです?

 ルチアは関係ないでしょう?

 今、いったい何をしているんです?』


 ノアちゃんに、というか他の家族の誰にもフィリアス同時攻略の事なんて説明していない。

どうしよう……

なんて言えばいいのかしら。



『『ノア』』


『ルチアとアウラですね?

 そちらで何をしているのですか?』


『『ナイショ』』


 なんで?

ならなんで、今話しかけたの?



『アルカ?

 ちゃんと説明して下さい』


『その、ね。

 私の補助の練度を高めてもらうために、親睦を深めていると言いますか……』


『なら何故言い淀むのです?

 本当にそれだけならば何も問題などありませんよね?』


『はい……』


『正直もうオチは予想が付いています。

 この期に及んで言い逃れなどせずに、ちゃんと自分の言葉で説明して下さい』


『……ルチアとアウラも私のお嫁さんにさせて下さい』


『嫌です。ルチアは私のです』


『アウラは私のよ。あなた達何やってるの?』


『『なら二人が受け入れてくれるの?』』


『それはそれです。

 興味があるのはわかりますが、そんな軽い気持ちで靡かないで下さい』


『もう少し成長したら考えるわ。

 だから帰ってきなさい。アウラ』


『『嫌』』


『アルカ、私達から奪うつもりですか?』


『『ノア、アルカのせいじゃない。

 私達が言い出した事。

 責める相手が違う』』


『違いません。保護者として諌めるのも必要な事です』


『ルチア、アウラ、帰りましょう。

 ちゃんとノアちゃんとセレネと話し合いましょう』


『『嫌!

 散々眼の前で好き勝手して、感情まで見せ付けておいて、いつまで仲間外れにするつもりなの!

 私達もあれが欲しいの!

 もっと愛されたいの!

 人間の年齢の話しなんて知らない!

 私達には意思があるの!知識があるの!

 あなた達がそう生み出したのでしょう!

 ならちゃんと責任取ってよ!

 仲間外れにしないでよ!』』


『……そうですね。

 すみません。ルチア、アウラ。

 二人の言うとおりです。

 けれどお願いです。

 今だけは帰ってきてくれませんか?

 ちゃんと話し合いますから。

 ルチア、私はあなたを愛しています。

 アウラ、あなたはセレネの大切な子です。

 今はそれが娘に向ける様な想いだとしても、他の誰かに取られたくはないのです。

 それが例えアルカにでもです。

 結果が同じになろうとも、順番は守って欲しいのです。

 あなた達の一番は私達でいて欲しいんです』


『『……勝手すぎよ。

 自分たちはアルカの事が一番のくせに』』


『そうね。

 あなた達からしたら、全部私達の我儘だわ。

 けれど、お願い。

 もう一度チャンスを頂戴。

 ちゃんと話を聞くから。

 今だけは帰ってきて』


『『……』』


『今は帰っときーな。

 どうせこっちも何日か掛かるわぁ。

 二人戻るまで待っとるから、先に決着付けてきーな』


『それに戻っても、何時でも繋がっているのです。

 こっちの事も見張っていると良いのです。

 ボク達も抜け駆けせずにシイナの応援に専念するのです』


『…………こんやくゆびわ、あとみっか』

『…………それまでにがんばれ』


『『……わかった。帰る』』

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