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26-27.挑戦

「何故ノルンが一番アルカの力を知ってる感じなのです?

 一体何時から見ていたのですか?

 ニクスはそれに気付かなかったのですか?」


「言えない。ノルンも答えちゃダメ」


「またですか……」


「さっきのニクスとノルンの関係みたいに、掘り下げると何か妙な秘密に繋がるのね。

 面倒臭いわね。

 その制約いつかどうにかならないかしら」


「そもそも、最初は災いがどうのって話ではありませんでしたか?」


「それしか言える理由が無いだけだよ。

 もうお終い」


「わかったわよ」


「大丈夫です。同じ失敗を繰り返したりしません」


「ともかく、シーちゃんを救うための魔法を試してみるわ!

 スミレはいないけど、皆も力を貸してくれる?」


『『『『『『『うん!』』』』』』』


「なら、すぐに始めましょう。

 とりあえず今いるメンバーでシイナの所に移動するわよ」


「え?

 先に魔法だけ作って検証とかしなくて良いの?」


「可能なの?

 ニクスにすら出来ないことをしようとしているのに、誰が内容を理解できるの?

 抱き寄せ魔法だって無理だったのでしょう?」


「そうだね。セレネの言う通りだ。

 やろう。私とノルンが見守るよ。

 何があったって、二柱も神が居ればどうとでもなるよ。

 それに、ノルンはとっても優秀な子なんだ」


「お母様!!」


「結局どっちなの?

 嫌いなの?好きなの?」


「色々複雑なのでしょう。

 もう聞かないであげて下さい。お姉さん」


「わかったわ」


「それじゃあ、行きましょう」


 私達はシーちゃんの下へと転移した。


 シーちゃんとグリアにも事情を説明した後、私にこの場の全てのフィリアスが同化した。



「あれ?

 スミレもいるの?」


『力を貸すだけよ!お母様!

 私は今もカノンの中よ!』


『アルカねっと』

『りもーとさんか』


「そんな事まで出来るのね。

 もしかして、今の私は常に全員と繋がってるの?」


『そう』

『むすめたち』

『のぞめば』

『いつでも』


「最高ね」


『でしょ』


「流石私のハルちゃんだわ」


『ふへ』


「ほら、いちゃついてないで早く始めなさい」


「は~い」


 私はシーちゃんに眼の前に立ってもらって集中を始める。


「マスター……」


「大丈夫よ。きっとやり遂げてみせるわ」


「はい!」


 シーちゃんの笑顔を見ながらイメージを固めていく。



「シーちゃん、お願いなのだけど」


 私はシーちゃんに天使の輪と翼を再び出してもらい、それもイメージに追加していく。

シーちゃんは天使だ。

多少機械が入っていたって、私が知らないだけの生き物だ。

そう思い込んでいく。

私が余計な事を考えそうになるとフィリアスが内側から思考を誘導してくれる。


 元々シーちゃんが生物じゃないなんて考えは受け入れがたかった。

私の心はあっさりと切り替わっていく。


 イメージが固まった私は前置きもせずに魔法を発動した。



『……しっぱい』


「そうね。手応えが無かったわ」


「マスター?」


「ごめん、シーちゃん。

 もう少しだけ待っていて」


「はい!」


『何が足りないと思う?』


『あい』


『シーちゃんへの気持ちが足りていないのね』


『ノア』

『ニクス』

『どっちのときも』

『もっとつよいきもち』


『思い込みだけじゃなくて、想いの強さも必要なのよね。

 きっと、何をしてでも願いを叶えたいって強い気持ちに能力が応えてくれるんだわ。

 とはいえ、シーちゃんへの好感度はそれなりに高い筈なんだけど。

 一目惚れした自覚はあるわ』


『でもまだ』

『たりない』


『どうしましょうか……』


『でーとする』

『ゆびわおくる』

『いっしょにすごす』


『シンプルに行きましょう!

 あるじは単純だからね!』


『きっとすぐなのです!

 アルカはチョロいのです!』


『…………ママ、たやすい』


『『まだ差がある、嫁にしないとダメ』』


『ならうちもあかんな~

 悲しいな~』


『フィリアスでもハルとラピスしか対象にならないのね!』


『流石にそこまで明確に分かれる様なものでも無いとは思うけど。

 ともかく、やるべき事はわかったわ!』

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