26-16.虚実
「もう一つ気になる事があるんだけど、この夢の中では神の座にいるみたいだけど、ニクスがそれはダメって言ってるの。
正確に言うと、前は私に座に来て欲しいって言っていたのだけど、今はダメって言うの。
ノアちゃん達と分かれたくないなら絶対に来るなって」
「やっぱりニクスに言いましょう。
シイナの為にノルンを利用したいのはわかりましたけど、そのせいでアルカを失ったら元も子も無いです」
「ちがう」
「それはない」
「アルカ」
「いどうしてない」
「ばしょ」
「アルカの」
「こころせかい」
「しんそう」
「ニクスとおなじ」
「ノルン」
「いしきのいちぶ」
「はいってきた」
「それだけ」
「けど」
「ごくわずか」
「かいせん」
「せまい」
「ほとんど」
「これなかった」
「なまえ」
「つたえられない」
「りゆう」
「そんざい」
「たりなかった」
「あのこうけい」
「にせもの」
「ぱふぉーまんす」
「ぶたい」
「つくりもの」
「かみのざ」
「とうえい」
「しただけ」
「よびだした」
「しんそうに」
「かみのざ」
「ちがう」
「しかも」
「こそこそ」
「ニクスに」
「ばれる」
「いや」
「だから」
「アルカのいしも」
「すこしだけ」
「そのうえ」
「ゆめにまぜた」
「そこだけ」
「てってい」
「しんちょうで」
「うかつ」
「おうようで」
「みえっぱり」
「ノルン」
「めんどう」
「けど」
「うそはない」
「だいじょうぶ」
「てぐち」
「りかいした」
「しんじて」
「ノア」
「つぎは」
「しんにゅう」
「ゆるさない」
「ですが……。
いえ、わかりました。
ハルを信じます」
「ありがとう。ノアちゃん」
「アルカはもっと警戒して下さい。
ハル任せはダメですよ。
ノルンは随分と癖の強い方のようです」
「うん。気をつける」
「ノア」
「ありがと」
「くれぐれもアルカをお願いします」
「うん」
「まもる」
「ぜったい」
「それで、ノルンを降臨させる件は具体的にはどうするの?
抱き寄せの魔法は使えないのでしょう?」
「う~ん?
ハルちゃん、解析はしてあるんでしょう?
改良できる?
好感度による制限を取り除けないかしら」
「むり」
「あれバグ」
「ニクスもそんな事言ってたわね」
「ところで、その前の交渉はどうするのです?
呼び出す前に条件を飲ませるんですよね?
具体的に何をさせたいのです?
交渉の方法は?
侵入を完全に禁じてしまっては機会が無いのでは?」
「じゅんび」
「おわったら」
「いっかいだけ」
「まねく」
「どう?」
「私も立ち会わせて下さい」
「しょうち」
「えっと、状況を整理すると」
課題は三つかな?
一つ、ノルンの降臨方法を見つける。
一つ、シーちゃんの件でノルンにさせる事を具体的にする。
一つ、交渉の場をセッティングする。
「やっぱり無視しません?
なんだか面倒くさくなってきました」
「そんな事言う悪いお腹はこれか~!」
「どこ触ってるんですか。
普通口でしょ」
私はノアちゃんにキスをする。
『アルカ!ボクも!』
『…………ママ、はなしおわり?』
「ごめん、まだ」
「真面目にやって下さい」
「もう一回」
「小春」
「ごめんなさい」
「じゃなくて、私も」
「……後にしましょう。
収拾つかなくなりそう」
「もう……」
「のんきすぎ」
「あいては」
「かりにも」
「かみ」
「おばかでも」
「すごい」
「だからこそ」
「やっかい」
「よそうがい」
「やらかし」
「こうりょ」
「ひつよう」
ハルちゃんからはノルンへの怒りが伝わっている。
本来の隷属契約ではそこまで伝わらない。
ハルちゃんに指輪を贈った際の出来事がキッカケで、ハルちゃんの補助のお陰もあって私達の繋がりは強くなっている。
なのでハルちゃんだけは、ある程度強い感情に限ってそれなりに伝わってくる。
ハルちゃんは話している内に思い出し怒りみたいな状態になってしまったようだ。
感情共有はノアちゃん達には内緒にしているので、ハルちゃんにこっそり念話を送る。
『ハルちゃん怒りすぎよ。
おちついて』
『アルカにてだした』
『たりないくらい』
『今は皆もいるわ。
冷静に作戦を立てましょう。
それに相手が厄介だからこそ、無闇に敵対するような事はするべきじゃないわ。
ある程度は私達の様子を観察している可能性も高いのよ』
『うん』
『がまん』
『けど』
『かんさつ』
『たぶん』
『ひんぱんむり』
『ニクスばれ』
『いやなはず』
『よくしってる』
『さいしんと』
『かぎらない』
『そんな風に勘違いさせるような言動をしてくるなんて……
ある意味、何一つ言葉が信じられないのは厄介ね』
「ふふっ」
「ハル?どうしたんです?
いきなり笑いだして」
「なんでもない」




