表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

533/1375

26-13.役割

「カノン、ごめん今日も」


「また?

 何だか悲しいわ。

 私には飽きてしまったの?」


「そんなわけ無いじゃない!

 どうしてそんな事言うのよ……」


「アルカが毎日付いてきてくれないからでしょ。

 結局、週の半分くらいは他の事してるじゃない。

 スミレがいるから別に困らないけどね」


「悪かったわ。

 でも、そんな言い方しなくても良いじゃない」


「少しくらい意地悪言っても良いでしょ。

 最初はずっと一緒にいられると思ってたんだから」


「ごめんなさい。

 けれど、そもそもカノンが仕事しすぎなのよ。

 毎日外に出てばかりいないで、訓練の方にも少しは参加してくれないと困るわ」


「それは……」


『お母様!カノンを虐めるのはダメよ!

 カノンの事は私に任せて!

 しっかり鍛え上げて見せるから!』


「……わかったわ。

 スミレがそう言うなら信じる。

 カノン、ごめんなさい。

 散々任せきりにしておいて言う事じゃなかったわね。

 カノンは私達の為に頑張ってくれているのだもの。

 いつもありがとう。カノン」


「ううん。アルカの指摘も正しいの。

 パンドラルカの準備が楽しくてつい熱中してしまったわ。

 スケジュールを見直してちゃんと訓練にも参加する。

 だから、私もごめんなさい。ありがとう。アルカ」


「うん!」


「アルカは今日は何をするつもりなのですか?」


「ちょっと緊急事態というか、面倒なことになってね。

 ハルちゃんと相談しなくちゃいけないの。

 私も詳しい事は良くわかっていないから、もう少し状況が判明したらちゃんと話すわ」


「わかりました。

 けれど、行動を起こす前に必ず相談して下さい」


「うん。約束」


「指切りしましょう!」


「ごめん、アリア。

 それは嫌。針千本は飲めないわ」


「口約束なら破っても良いと?」


「違うの。

 私は相談したいけれど、相談する前に巻き込まれる事もありえるから」


『ノア』

『ハルにまかせて』


「……正直私も付いていたいところですが」


「何事もない可能性も高いから大丈夫よ」


「信用できません」


「なら私が付いているわ」


「お姉ちゃんはシーちゃんの方に行くんでしょ?」


「少しくらい大丈夫よ。

 グリアさんとチグサちゃんが優秀だから」


 それはそれで……



『チグサ』

『だいじょうぶ』

『うたがわなくていい』


『そうなの?

 何も企んでない?』


『だいじょうぶ』

『いつもみてる』


『アルカネットで?』


『そう』

『こころのなか』

『まるわかり』


『……程々にね』


『がってん』


「じゃあ、お姉ちゃんについていてもらうわね。

 ノアちゃんはやること多いだろうし」


「……嫌です。

 やっぱり一緒にいます」


「いいの?」


「はい。もう決めました。

 ルチア、代わりをお願いします」


 ノアちゃんの呼びかけに応じて同化を解いたルチアが、アリア達を連れて訓練場に向かった。


「わかった。

 ならノアちゃんとお姉ちゃんに側にいてもらいましょう。

 カノン、ニクス、悪いけどそっちはお願いね」


「私も話し聞こうか?」


「ううん。大丈夫よ。

 それより、私の代わりにカノンを手伝ってあげて」


「でもスミレがいれば十分だって……」


「別にそういう意味じゃないわよ!

 ニクスの事も頼りにしてるわ!」


「冗談だよ。

 けどありがとう。カノン。

 じゃあ、行こうか」


「まったく」


 カノンとニクスが転移した。



「ニクスには話したくない事ですか?」


「あれ?

 心視たの?」


「そんな事しなくてもわかります。

 アルカの声を聞けば十分です」


「流石ノアちゃん」


「私より小春の事をわかってるなんて……」


「お姉ちゃん!?いちいち落ち込まないで!」


「冗談よ。ニクスの真似よ」


「全然面白くない!」


「そう……」


「今度は本当に落ち込みましたね」


「お姉ちゃんの事もわかるの?」


「なんとなくです。

 アルカと良く似ていますから」


「「えへへ~」」


『それ本当に嬉しいのです?』


『サナこそ』

『よけいなこと』

『いうくせ』

『アルカにそっくり』


『ひどい……』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ