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26-10.不安

 私は久しぶりに一人になっていた。

いやまあ、中にハルちゃんとサナとナノハはいるんだけど。

三人とも、私に起きた事象を解析するのに忙しいのだ。


 今はまだアリア、ルカ、リヴィ、レーネは訓練中だ。

ノアちゃん、ルネル、クレアも一緒だろう。


 お姉ちゃん、ラピス、グリアはシーちゃんのところだ。

そういえば、チグサも向こうだった。


 カノンとニクスは開店準備中だ。

セレネも教会で仕事中のはずだ。


 ルチア、アウラ、スミレもそれぞれの宿主と一緒だし。


 この後はどうしようかしら。

ハルちゃん達が頑張ってくれているのだし、大人しくしているべきかしら。


 それとも、誰かのところに行こうかな。

訓練に混ざるのも良いかもしれない。

けどフィリアスの皆がいないしな~


 シーちゃん転生計画の方は、正直聞いていても何をしているのか全然わからない。

流石に丸投げはマズイけどレベルが違いすぎるのだ。

足手まといにしかなるまい。


 カノンに合流するのもあまり意味がない。

きっと今も仕入れの為の交渉中とかだろう。

念話だろうと下手に話しかけるべきでもない。


 もしくは久しぶりに冒険者らしい事でもしようかしら。

けれど最後に顔出してからまだ一月も経っていない。

月一で良いと言われているのだし、まだ早いだろう。


 どうしよう……

今日は休みにしていたのだし、部屋でのんびりしていようかしら。

でもな~

寂しいな~



『うるさい』


 ごめんなさい……

とはいえ、思考に突っ込まれても……



『アルカ!』


『なに?サナ』


『寝てて!』


 はい……

今度は夢が鬱陶しいとか言わない?


 私は枕を濡らして眠り始めた。



「アルカ。アルカ。

 起きて下さい。

 晩ごはんの時間ですよ」


 愛しのノアちゃんの声で意識が浮上する。

あれ?体が軽い?

いつも寝起きは誰か乗ってるのに……



「キスで起こして~」


 すぐにキスしてくれるノアちゃん。

そのままノアちゃんを抱き締めてベットに引きずり込む。



「ノアちゃ~ん!」


「ほら行きますよ。

 皆待っています」


「あと五分」


「ダメに決まってるでしょ」


「ノアちゃんすき~」


「知ってます」


「愛してる」


「私もです」


「もうずっとこうしていたい」


「そうですね。

 けどダメです。

 折角作ったんです。

 冷める前に食べて下さい」


「そうよね。ごめん。

 行きましょう」


「大丈夫ですか?」


「なにが?」


「落ち込んでます?」


「そんな事ないわ。

 ほら、行きましょう。

 じゃないとこのままノアちゃんの事食べちゃうわよ」


「食後にどうぞ」


「デザートまであるなんて至れり尽くせりね」


「はいはい。行きますよ」


 晩ごはんを食べてお風呂に入って全員で大部屋に移動した頃になって、ハルちゃん達もようやく出てきた。

私はハルちゃんとノアちゃんを並べて覆いかぶさる。



「今日は珍しい組み合わせですね」


「ノア」

「ハルとする?」


「二人だけにやらせはしないわ。

 先ずは私からよ」


「サナも頑張ったのです!」


「…………ナノハも」


「アリアもする!」


「ルカも!」


「リヴィも!」


「私もお願いします!アルカ様!」


「順番よ~」


「何しれっとサナとナノハまで混ざってるのよ」


「「私達も参加する」」


「アウラ!ダメよ!あなたは私のよ!

 ルチアまで一緒になって何してるの!」


「「だってセレネしてくれないし」」


「スミレは良いの?」


「私はカノンのものよ!」


「……そう」



 ついさっき一人で寂しいなんて思っていたけれど、いつも通り寝室は賑やかだ。

あまり騒ぎすぎて近所迷惑にならないようにしなくちゃ。


 そういえば、チグサもシーちゃんのところなのね。

ラピスがいるから大丈夫だと思うけれど、少しだけ不安も無くはない。

なにか妙なことをしてないと良いのだけど。

まあ、流石にそんな心配いらないか。

ハルちゃんの教育も済んでるし。


 あれ?

ニクスとお姉ちゃんもいない?

どうしたんだろう。

まだお風呂かな?



「アルカ、集中して下さい」


「よそみだめ」

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