表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

517/1373

25-26.白猫少女

 私はノアちゃんを連れて例の島国を訪れた。

もちろん私もノアちゃんも既に着物姿だ。

準備は万全だ。



「ノアちゃん最高よ!可愛すぎるわ!」


「何度も言いすぎです。

 もうわかりましたから」


 ポニーテールにしたノアちゃんのうなじが特に良い。

今すぐキスしたい気分だ。むしろ舐めたい。



「ダメです。夜まで我慢です」


「まだ何も言ってないわ」


「視線でわかります」


「流石ね」


「アルカこそ鈍っていませんか?

 デートの件が落ち着いたら、ルネルさんにも声をかけるのですよね?

 その調子で大丈夫なのですか?」


「……やっぱり、あと一年くらい伸ばさない?

 ちょっとシーちゃんの件でも忙しくなりそうなんだけど」


「ダメです。少し叱ってもらわなければなりません」


「フィリアス全員集めて最強形態になるしかないわね」


「馬鹿なこと言わないで下さい。

 そんな下らない事でルチアを渡すわけないでしょ」


「そろそろお泊りどう?」


「認めません」


「たまには顔が見たいわ。

 私の大事な娘でもあるんだから」


「後で会わせてあげます。

 けれど今はダメです」


「そうね。久しぶりのデートだもの。

 二人きりで楽しみましょう」


「随分と観客は多いようですが」


「ハルちゃん、ラピス、シーちゃん、ルチア、アウラそのくらいかしら」


「シイナも見ているのですか?」


「ええ。これが通信端末になっているの。

 必要なら姿も映し出せるのよ」


「興味深いですが、それも後にお願いします」


「そうね。

 ノアちゃんに見せたいのはいっぱいあるのよ!」


「楽しみです」


 私達は江戸時代風の町並みを歩き回って珍しいものを探していく。

私達の大陸とは文化が大きく違うので、食料品だけでなく、様々な珍しい品物が存在する。

けん玉、竹馬、竹とんぼ、風鈴等、遊び道具だけでもノアちゃんにとっては見たことの無いものばかりだ。

中でもベーゴマに興味を示すノアちゃん。

やっぱり男の子なの?いや、ついてないけど。


 子供達も喜ぶからと、一通りお土産として購入する事になった。

もしかしたら、ベーゴマで遊ぶ相手が欲しかったのかもしれない。

あなた達の力でぶつけたらすぐに壊れちゃうわよ?

これ貝だし。

鉄製のはまだ無いらしい。


 案の定、ノアちゃんは刀に目を輝かせた。

絶対に気にいると思ってたのよ~



「アルカ!これ!これが良いです!」


 ノアちゃんはいつの間にか店主さんと仲良くなって、店の奥から出してもらった店で一番の秘蔵の品とやらに興奮している。

他のものと区別がつかないけれど、ノアちゃんには良い品に見えているようだ。

ノアちゃんの目利きに間違いは無いだろうけど、爺さんの作る武器に及ぶとは思えないのだけど。


 店主さんは笑顔でそんなノアちゃんの様子を見ているが、流石に本気で購入を検討しているとは思っていないだろう。

刀に燥ぐ異国の子供を微笑ましく見ているだけだ。

手持ち足りるかしら。

また換金してこないとだわ。

流石にここの貨幣をいくらも持っているわけじゃない。


 私は金額と換金できそうな所をノアちゃんに聞いてもらう事にした。

魔物の素材ならこの店で買い取ると言うので、早速商談を開始するノアちゃん。

そしてあっという間に、目的の刀を手に入れた。

けど、そんな大太刀どうやって使うの?

ノアちゃんには大きくない?

ノアちゃんの身長と同じくらいあるわよ。

今のノアちゃんが140cmくらいだから130cmくらいはあるんじゃない?


 考えがあるというノアちゃん。

ノアちゃんは刀を収納空間にしまいこむ。

ルチアの力も早速使いこなしているようだ。

黒いコートでも着てみない?

今度あのアニメ見せてみよう。

ハルちゃんが私の記憶から掘り起こしてくれれば見れるだろう。



『もうある』

『いつでもおけ』


『流石ね。

 もしかして、私の見たことあるやつは殆ど済んでる?』


『ばっちり』

『かしだしもか』

『あとでルチア』

『おくっとく』


『最高よハルちゃん!

 ついでにノアちゃんが好きそうなのは片っ端からお願い』


『がってん』


 そのまま忍者っぽい装備も揃え始めるノアちゃん。

忍者刀とクナイってこんな風に店で売ってるの?

忍者の里でしか手に入らないとかじゃないの?

というかそういうのこそ、ヘパス爺さんに頼めば良いんじゃないの?

サンプル?

そうすか。


 まあ、ノアちゃんが楽しんでくれたのなら何よりだ。

そのままハイテンションのノアちゃんに連れられて夕方まで町を練り歩いた。

今晩は重要イベントがあるので、宿は取らずにいつもの自室に転移した。


 一通りのやることを終えて寝る支度が済んだ所で、私はノアちゃんとの契約を行うことにした。



『そろそろ』

『ニクス』

『よばないと』


『そうよね。結局カノンとの契約でも呼べなかったし。

 空気的に無理だったし……』


『いいかげん』

『ニクスもおこる』


『ノアちゃんなら説明すれば大丈夫よ。

 機嫌も良いし』


「ノアちゃん、これから私とノアちゃんで契約したいのだけど、その為にハルちゃんとニクスを呼びたいのだけど良いかしら」


「仕方ありません。良いでしょう」


「ありがとう。ノアちゃん」


 案の定あっさり許可をくれたノアちゃん。

ニクスにも今から呼ぶ事を確認してから抱き寄せる。

ハルちゃんも同化を解き、これで必要なメンバーが揃った。



「やっと呼んでくれたね。

 深雪ともカノンとも結局黙って契約しちゃうんだから。

 ちゃんと約束は守ってよね」


「アルカ、どういう事ですか?」


 ニクスの余計な一言により、ノアちゃんに叱られるアクシデントも発生したが、何とか無事に契約が完了した。



「アルカ」


「どうしたの?

 随分積極的ね」


 ニクスとハルちゃんが姿を消すと、あっという間にノアちゃんに押し倒された。



「私がどれだけ我慢していたと思っているんですか?」


「え?」


「元々私はセレネとアルカと三人だけで生きていくつもりだったんです。

 今更文句が言いたいわけじゃありません。

 けれど、足りないのです。

 ずっとアルカと一緒にいられると思っていたんです。

 だというのにアルカは……」


「ごめん、ノアちゃん。

 そうよね。

 ずっと家と子供達の事任せきりで私は出歩いてばかりで」


「ならどうすれば良いのかはわかりますね?」


「もちろん」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ