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25-25.迂闊

 私は朝食後に再びベットに潜り込み、昼過ぎまで惰眠を貪った。


 目を覚ますと私の体にはハルちゃん、サナ、ナノハが纏わりついていた。

私が一人で寝ていると、よくこうして同化を解いて抱きついてくれる。

やっぱりあと五人くらい増やさない?

幼女に埋もれて眠るの最高じゃない。

とか口が裂けても言えない。

ノアちゃんにまた叱られる。


 そもそも、家族全員で寝れる大部屋があるのだ。

最近は私がデート続きで不在がちなのでまだ使っていないけれど、デートの残りも最早ノアちゃんとセレネだけだ。

とはいえまだ一週間近くは機会が無さそうだけど。

セレネと三日間ならノアちゃんともそうなるだろう。

明言はしていないけれど、きっとそのつもりだ。


 流石に二周目は少し時間を置いて欲しい。

私も大歓迎だけど、そうそうデートの内容が思いつかない。

日替わりで二人きりの夜を過ごすくらいで何とか頼みたい。

でもな~

それすると大部屋がな~

皆に囲まれて眠るの楽しみなんだよな~

夏は流石に辛いだろうから、今の内がチャンスだ。



「おはよう」


「おはよう、ハルちゃん」


 私はハルちゃんにキスをする。



「ハルちゃんが一番ね」


「ふへ」


「サナとナノハはまだ良く寝ているわ。

 そもそも、フィリアスの皆って睡眠必要なの?」


「いらない」


「そうよね。

 元がダンジョンボスなんだし、そんな機能無いはずよね」


「きもちのもんだい」


「私に合わせてくれているのね。

 皆可愛いわ」


「ふへ」


『ならもう少しだけ静かにしていてあげましょうか。

 起こさないようにね』


『うん』


『今日はまた少しシーちゃんの所に行きましょう。

 夕方までには必ず帰ってこなきゃだわ』


『ノアおこる』


『そうよね。間に合わなかったら絶対に怒られてしまうわ』


『ならうごく』

『サナとナノハ』

『おこす』


『もう少しだけ可愛い寝顔を眺めていたいのだけど』


『ハルのかおみる』

『すきなだけ』

『ちゅーする』


『やきもち?』


『ちがう』


『ハルちゃんは可愛いなぁもう!』


『ふへ』


『そういえば、念話でどうやってその笑い方しているの?

 いつもの口の端を少しだけ上げて息を漏らすような感じ?』


『……うるさい』


『ごめんって。つい気になっちゃったのよ。

 怒らないで。ハルちゃん。可愛い顔が台無しよ。

 あれ?そうでもないな。

 ムスッとしてる顔もこれはこれで。

 もう!ハルちゃんったら!

 どんな顔でも可愛いんだから!』


『うるさい』


『カノンのが移った?』


『いいから』

『はやくおこす』


『シイナ』

『あいにいく』


『ハルちゃんが起こしてよ。

 何だか忍びないわ』


『いや』

『アルカやって』


『ハルちゃんは私の道具なんじゃなかったの?』


『いまのハル』

『アルカのはんりょ』

『サナとナノハの』

『ママ』


『都合よく使い分ける気ね』


『いまさら』

『アルカだって』

『どうぐ』

『おもってない』

『ことばだけ』


『ハル』

『のぞんだから』

『そういった』

『だけ』


『まあ、そうなんだけど。

 カノンにはああ言ったけれど難しいのよ。

 こんなに可愛い女の子にしか見えないのに道具として扱えだなんて言われてもね。

 けれど、ハルちゃんが望むのならどんな関係だって受け入れるわ。

 道具として扱って欲しい時はそうしてあげる。

 伴侶としても道具としても愛し続けてあげるわ』


『うれし』


「さて、いい加減起きて動き出しましょうか。

 サナ!ナノハ!起きなさい!」


 私は二人にもキスをする。

ようやく目を覚ました二人は早速同化した。

お昼は?

いらない?私から力貰ってる?

そうすか。


 私はハルちゃんと二人で軽めの昼食を済ませて、シーちゃんの船に転移した。


 私を見るなり抱きついてきたラピス。

何故か未だに大人モードだ。

シーちゃんの為かもしれない。



「ラピス、シーちゃんの側にいてくれてありがとう。

 長い事任せきりでごめんね」


「ううん!大丈夫よ!あるじ!

 シイナともとっても仲良くなったわ!

 でもやっぱり寂しかったわ!もっとぎゅってして!」


 私はラピスを思いっきり抱きしめる。



『まだ五日目なのです。大げさなのです』


『なら、サナが代わる?』


『ごめんなさいなのです』


「ラピス、私も寂しかったわ。

 ラピスがいないともうダメみたい」


『よく言うのです。

 ミユキやカノンと愛し合ってる間、ラピスの事なんか考えて無かったのです』


『サナ、交代。命令よ』


『そんな!?』


『悪いけれど、ナノハも付いていてあげて。

 サナだけでは心配だわ』


『…………とばっちり』


『ごめんね、ナノハ』


『…………いい。ラピスえらい。みならう』


『ありがとう。ナノハ。大好きよ』


『アルカぁ……』


『意地悪サナは知らないわ』


『ひっぐ』


『冗談よ。本気で泣かないでよ。

 サナの事も大好きよ。

 私の気持ちは見えているのでしょう?』


『それはそれなのです!』


『なんでよ……』


 結局、サナとナノハが私との同化を解いて出現し、ラピスが付いてくる事になった。

ラピスはシーちゃんと抱き合って別れを惜しんでいた。

いや、そこまでなら残ってもらっても構わないんだけど。

付いてくるの?

本当に?良いの?

まあ、付いて来たいと言うなら止めないけど。



「シーちゃん、ごめんね。

 今度はラピスも借りていくわ。

 代わりにサナとナノハが残るから、仲良くしてあげてね」


「はい!マスター!」


「なんだか少し明るくなった?

 ラピスの影響?」


「いっぱいお話したもの!

 ラピスとシイナは仲良しなのよ!」


「ラピス大好きです!」


「私もよシイナ!」


「やっぱり、ラピス残る?」


「それはそれよ。

 あるじも大好きよ!」


「なるほど。私も端から見たらこう見えると」


「いっしょにする」

「ダメ」

「しつれい」

「アルカ」

「ほどじゃない」


「ひどい……」


 また夕方頃まで遊び倒してから、我が家に帰還した。

シーちゃんのキャラが大分変わっていたけど大丈夫かしら。

殆ど記憶無いから周囲の影響を受けやすいのかしら。

次はナノハみたいに居眠りばかりになってたりしない?

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