表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/1353

3-17.顛末

今回、魔法大学に行ったことで

いくつもの大きな成果を得ることができた。



私は転移門を習得し、

燃費の悪い飛行魔法の改善の目処もたった。



セレネも聖女の力のほんの一部ではあるが、

使い方が判明した。


具体的には、勇者たちと同じように

力を体に纏うことが出来るようになった。


とはいえ、その耐久力はエルドスどころか

クレアにも程遠いのだけど。


しかも意識して発動する必要があり、

持続時間もごく短いものだ。


クレアのように無意識に常時纏えるように

なれると良いのだけど。



まあ、現状でも緊急時の

手札が一枚増えたと思えば良い。


何よりもセレネが力の使い方を

自覚出来たことが大きい。

これで成長速度も格段に上がるだろう。



そして、グリア教授はどうやってか、

力の観測手段を見つけ出した。

聞いてみたけれど話が難しすぎて良くわからない。

まあ、細かい技術の話は任せるとしよう。



グリア教授の話では

セレネの力は少しずつではあるが、

日々増え続けているらしい。


未だ、信心深いとは言えないまでも、

毎日のお祈りで多少は力を得ているようだ。

おおらかな神様で良かった。




そして、グリア教授により、

実はノアちゃんも力を使っている事が判明した。

クレアとの訓練で無自覚に獲得したようだ。



なんとびっくり、こちらは常時展開出来ているのである。

まあ、強度はセレネと大差ないのだけど。

それに、神への信仰を持とうとはしていないので、

これ以上強度は上がらないかもしれない。


ノアちゃん自身もこれには複雑そうだ。



ノアちゃんの話を聞いたセレネは可哀想な程落ち込んでしまった。

せっかく自分だけの成果が出せたと思ったところに、

この話は確かに辛いだろう。


ただし、ノアちゃんは力を自覚できていない。

自由に使うことは出来ないのだ。

おそらくクレアもそうだが、

出力や範囲の調整等も出来ないだろう。



対して、セレネの力は自ら身につけたものだ。

まだ少しとはいえ、自分の意思で

力をコントロール出来ているのである。


いずれは、初代聖女の様に結界として

自分以外を守ることも出来るようになるかもしれない。


これはセレネの努力の成果だ。

セレネだけが出来ていることだ。


「そうだね!もっと頑張る!」


すぐに前向きになれるのも

セレネの良いところだ。

セレネ可愛い。






改めて、私は自分がやるべき事を考える。

一つは今回習得した技術の鍛錬だ。


転移門を活用した戦闘方法について

いくつか考えがある。


実戦で使用できるように発動速度や、

発動地点の制御を練習していく必要がある。


飛行魔法も鍛錬が必要だ。

既にいくつか試して魔力効率の改善は図れたが、

それでも魔力消費が多い。まだまだ改良が必要だ。


また、魔力電池の件も実現したい。

グリア教授をドワーフ爺さんの元に連れて行ってみよう。



なにはともあれ、当初定めた

私自身が強くなるための目標二つは目処がついた。

転移魔法の習得と魔力効率の改善だ。


三つ目として、攻撃力の確保を定めていたのだが、

この件も転移門を利用する事で上手くいくと考えている。

検証を進めるとしよう。



手を付けられていない大きな課題は残り二つだ。

一つはクレアの強化。

ダメ元でグリア教授とクレアを引き合わせてみよう。

なんか上手いことやってくれないだろうか。

セレネの件で実績があるし、

クレアが素直に聞いてくれればなんとかなるかも?

無理そう。



もう一つは、

魔王眷属一行の捜索だ。

まだギルドの調査結果は出ていない。


私の方でもなんとか探せないだろうか。

グリア教授にド◯ゴン◯ーダー的なやつ作ってもらえないかな。

魔王の居場所を探知するやつ。


今は聖女の封印もあるはずだ。

セレネの力を散々調べたのだし

サンプルはなんとかなるだろう。




グリア教授の事をお客さんとは言ったけど、

どうせ一緒に暮らすのなら仲良くなれるように頑張ろう。

これからは私にとっては数少ない大人の友達なのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
お客さんが教授...客員教授とはこういうことか...
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ