表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

504/1375

25-13.再開

 私はお姉ちゃんと仲直りした後に、レーネとシーちゃんと三人で再びシーちゃんと出会った部屋に戻ってきた。


 シーちゃんに状況を説明する。



「シーちゃん、ニクスはこの世界の神様なの。

 そして、この世界にはこの船の技術は過ぎたものなの。

 だからこの世界を守るためにこの船は三年後に破壊される事になったわ。

 守りきれなくてごめんなさい。

 けれど、どうかわかってほしいの。

 ニクスはこの世界を愛しているの。

 この世界の為に決断したの。

 本当はとっても優しい子なの」


「謝罪の必要はありません。

 先程の話は全て聞いていました。

 おおよその状況は把握できています。

 過去の情報はありませんが、私の直感はこの世界を自分の知るものとは別のものだと認識しています」


 機械みたいな事を言う割には直感なんてものまで信じるのか。

人間を機械の代わりに使っているのはこれが目的なのだろうか。



「私はこれからの三年間でシーちゃんを守るためにこの船から切り離すつもりよ。

 シーちゃんには不服かもしれないけれど、勝手に決めさせて貰ったわ。

 とはいえ、まだ数日は予定があるから私はこの島を移動した後は暫く離れる事になる。

 代わりにハルちゃんがシーちゃんの側に付いているわ。

 勝手なことばかり言うけれど受け入れてくれる?」


「承知致しました。

 マスターの指示に従います」


「ありがとう。

 今度ゆっくり話しをしましょう」


 私は島を大陸から遠く離れた海上に転移させる。

とりあえずの場所は適当だけれど、周囲には島も何も無いのでそうそう見つかる事も無いだろう。


 その後はシーちゃんの操作でゆっくりと海上に着水して貰った。

もし見られても普通の島だとしか思えないだろう。

何故か既にカモフラージュは十分だし。

というか、この船の上にある植生も異世界のものなのか。

下手に種子が離散する前に焼き払うべきかもしれない。

後でニクスに相談しよう。


 私が島を去ろうとした所で、シーちゃんは私に指輪を差し出してきた。



「これは?」


「端末です。

 通信装置です。

 で、伝わるのでしょうか?」


「ええ。大丈夫受け取るわ」


 私は受け取って指にはめる。

それを見届けたシーちゃんは最初に見たケースの中に寝転がった。

そのままケースの蓋が閉じ、再びガラス部分が曇っていく。



「マスター」


 私が声に振り返るとシーちゃんが立っていた。

マジックショー?



「ホログラムです。実体はありません。

 マスターの側かこの船の中であればどこにでも出現可能です」


「……本当だわ。触れないのね。

 ここにいるようにしか見えないのに」


 目視では一切の違和感を感じない。

覚視を使えば何も無いのがわかる。

正直これだけでも想像以上だ。

何で機械技術でそこまで出来るのに……



「じゃあハルちゃん。

 後はお願いね」


「らじゃ」


 私から出ていたハルちゃんに情報収集とシーちゃんの相手を任せて私はレーネを連れて転移する。



「さて、どうしましょうか。

 とりあえずさっき飛んでた辺りまで来てみたけれど、仕切り直したいわよね」


「何故飛んでから聞いたのですか?」


「とりあえず二人きりになるのが最優先かなって思ったから」


「ありがとうございます。

 けれど、正直な所私もあの島に興味があります。

 今の気分では折角のデートに集中できそうにありません」


「ならとりあえず私の事だけを考えてもらわなきゃね」


 私はレーネを今住んでいるのとは別のもう一つの自宅の自室に転移する。

そのままレーネをベットに押し倒す。



「まだ日も高いですよ?

 折角のデートが勿体ないです」


「大丈夫よ。明日も一日デートだから。

 今日は気持ちを切り替えるのに使ってしまいましょう」


「私だけズルいのではないですか?」


「なら他の子達も二日間ずつにしてしまいましょう」


「それだと私だけものたりないです」


「その分めい一杯愛するわ」


「期待しています」


 結局、翌日の夕方過ぎまで部屋から出ることはなかった。



「終わってしまいました……」


「今度デートもやり直しましょうね」


「アルカ様が離して下さらないからです」


「レーネがもっとって言ったのよ」


「アルカ様のせいです」


「はいはい」


 ふくれっ面で絡みついてくるレーネに思わず笑ってしまう。

私はレーネの頬を指で挟んでキスをする。



「さあ帰りましょう。

 流石にお腹すいたわ」


「私もです」


 またキスを交わしてから、私達はようやく皆の待つ家に帰宅した。



「明日はニクスの番よ。

 予定通りに行くから楽しみにしていてね」


「良かったよ。

 このままレーネと暫く帰ってこないかと思ったよ」


「それも良いわね。

 ニクスも加えて三人でしましょうか」


「嫌だよ!

 やっと指輪くれるんでしょ!?

 ずっと待ってたんだよ!」


「もちろん冗談よ。

 明日、明後日はニクスの為だけに使うわ。

 今はハルちゃんもいないしね」


「ラピス達はいるのによくそれ言えたね!?」


「ラピス、サナ、ナノハ。

 明後日の夕方まで家で待っててくれる?」


『『『やだ!』』』


「ごめん。ニクス……」


「諦めるの早すぎだよ!?

 もっと頑張ってよ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ