25-11.やみ堕ち
名前名前…………名前ねぇ……
もういい加減ネタ切れよ。
空の島、機械の少女、天使、ぐぬぬ……
空、女の子、シ◯タ、シー……
「あなたの名前はシイナよ!
よろしくね、シーちゃん!」
『ひよった?』
何の事かな~
「ありがたく頂戴致します。
私はシイナ。
マスターの為に尽くします」
「私はアルカよ!
こっちはレーネ」
ハルちゃんズは……今はいいか。
ハルちゃんもこの子には話しかけてないし。
説明がややこしいし。
『大人しくしているわ!』
『キャラ被りなのです。
マスターはボクのマスターなのです』
『…………zzz』
ナノハはいつも通りね~
やっぱ学校にでも通わせようかしら。
『マスターはボクの事放置し過ぎなのです。
昨晩みたいに何時でも甘えさせて欲しいのです。
ちゃんとリアクションして下さいなのです』
『ごめんって。
キャラ被りなんて心配要らないわよ。
シーちゃんは変な喋り方してないし』
『へん!?』
あ、ごめん。
『変えるのです!
マスターが嫌なら直すのです!』
『別に嫌だと思ってるわけじゃないわ。
サナはそのままで良いのよ。
誰が話しているか一発でわかるもの』
『まさか、話し方同じだと区別つかないのです?』
『……だって声似てるじゃない』
『関係ないのです!
マスターは音で聞き分けてるのではないのです!
意識の向け方の問題なのです!
適当に聞き流しているからそうなるのです!』
『ごめん……』
『ボクも今後はもっと喋るのです。
ラピスと母様ばかりズルいのです』
『頑張って~』
「アルカ様?何故当たり前のようにシーちゃんの事を受け入れているのですか?
ハルちゃんから色々聞きましたが、アルカ様がすんなり受け入れた理由にはならないではありませんか」
「あれ?何処まで聞いてるの?
ハルちゃんの個人的な願いにより、私は今からこの子を保護する事になったんだけど」
「だから何故、それをすんなり受け入れられるのですか?
たった今出会ったばかりなのですよ?
マスターだの、尽くすだの言われて違和感は感じ無いのですか?」
「……それもそうね。
シーちゃん、何で私の事をマスターって呼ぶの?」
『今更すぎるわね……
あるじってたまにお馬鹿よね』
『ハルちゃん粛清』
『ぎょい』
『ぎゃー!暴力反対!』
『大丈夫よ。流石に粛清は冗談よ。
お仕置きで勘弁してあげる』
『ラピスは調子に乗りすぎなのです。
少しは反省するのです』
サナちゃんちょっと黒くなってきた?
ストレス溜まってるの?
『マスターのせいです!
もっと甘やかして下さい!』
『昨日いっぱい甘えたじゃない』
『もっともっと欲しいのです!』
遂にサナも吹っ切れたわね。
『可愛いわよ~サナ~』
『そうじゃないのです!
でもありがとうなのです!』
難しい……
「マスターもう話しを始めても宜しいのですか?
時々意識が逸れる様ですが、何か気になるのですか?」
「ちょっと内面と対話をね。
ごめん。話を続けて」
「はい。マスターはこの船を掌握されました。
私はこの船の一部です。
私も船と共にマスターに従います」
「?掌握?
何もしてないわよ?」
『したのハル』
『勘違い?』
『いえす』
『でも』
『ハルはアルカ』
『まちがいちがう』
『それもそうね』
「マスターご命令を」
「そうねえ……
今から転移させるけど良いかしら」
「転移?
何処に行きたいのですか?
座標を指示して下されば実行します」
「この船転移まで出来るの?
けど、違うの。
私が転移させるから、島ごと動かすけど良い?って質問」
「?
理解不能です。
人間が実行可能な事とは思えません」
「あれ?私の事は見た目通りにしか理解出来ていないの?
でもこの船を起動した事は認識出来ているのよね?
どうしてなのかしら……
その辺も追々調べていきましょうか。
ともかく、私は普通の人間じゃないの。
後で説明するから、とりあえず移動するわね。
何処かの国に見つかるのも面倒だし」
私は浮島ごと、未開拓地の拠点の真上に転移した。




