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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ー だったのに、いつの間にか美少女ハーレムの主になって世界を救ってました ー   作者: こみやし
3.白猫少女と研究課題

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3-16.仲直り

「昨日は逃げ出してごめんなさい。」



また三人で集まると、

早速ノアちゃんが話し出す。


「セレネ!セレネがいっぱい考えて

ちゃんと気持ちを伝えてくれたのに、

我儘で放りだして困らせてごめんなさい。

ちゃんと考えてきたからもう一度チャンスを下さい。」


「ノア!大丈夫だよ!私こそごめんね?

ノアの気持ちだって良く分かるのに、

一緒に考えようとしてなかった。

私達は家族なんだから、なんでも一緒にだよね!」



うん。二人共仲直りできて良かった。

本当に二人共可愛いなぁ。



「それでは、早速ですが、

ノアちゃん昨日の続きをお願いします。」


「はい。私も賛成に一票です。」


「本当に良いの?」


「うん。いっぱい考えました。

でもアルカが言ってくれた事嬉しかったから。

それに、セレネもいっぱい頑張ってるんだから。

私も一緒に頑張ってみる事にしました。」



「じゃあ、賛成多数により、

一先ず魔王の件が片付くまでの間、

グリア教授をお客様としてお迎えします。」



「「はい!」」


うん。良いお返事。

皆仲良く一件落着。



「ところでノア?

アルカはなんて言ったの?

ノアは何を言われると嬉しいの?」


セレネがノアちゃんに質問する。


「秘密です」


「ノア!家族なのにのけ者にするの!?

一緒に頑張るんじゃなかったの!」




私は不穏な気配を感じて、セレネを抱きしめる。


「セレネ可愛い!大好き!」


「私もアルカ大好き!って騙されないよ!

アルカも隠し事するつもりなの?」


やぶ蛇だったか・・・




「セレネ。ノアちゃんは私を庇ってくれてるの。

私も本当は三人でいたいって言ってしまったから。

でもね、私もセレネの言う通り皆で頑張りたいと思ったの。」


「そっか。ごめんね。無理やり聞こうとして。

家族にだって秘密にしたい時はあるよね。

アルカもそう思ってくれて私も嬉しい。」



「さあ、皆これで仲直り。

グリア教授用の部屋の準備をしてから、

話をしに行きましょう。」


「「はい!」」







----------------------






「先日は失礼しました。

是非、魔王討伐に向けて力を貸して欲しい。

一緒に来てくれると心強いわ。」


「そうかね。それは良かった。

私も全力を尽くそうではないか」


微力じゃないんだねそこ。

まあ、日本じゃないしそんな文化無いか。



「引っ越しの準備はいつ終わる?」


「準備?ああいつでも大丈夫だよ。」


「荷物は?」


「これだよ」


教授は一枚の紙切れを差し出す。


「なにこれ?魔法陣?」


「ああ、私用の収納魔術だ」


「え!?もう実用化したの?

魔法の才能が無いって話は?」


「これに才能はいらないのだよ。

ただ必要な魔力さえ込めれば使える代物だ」


「しかし、まだいくつか課題があるがね。

君は無意識にやっているから困らないのだろうが。」


「一つは、取り出す物を探す方法が手探りなのだよ。

当然、手が届かなければ取り出す事も出来ない。

なんせ、これで空間に穴を開けられるのは特定の一箇所だけだ。

だからそう多くの物を入れても困ってしまう。」


「君は無意識に欲しい物の近くに空間の穴を開けているようだが、

そんな事は本来不可能だ。とても人間業じゃあない。

目隠しをしたまま砂漠の中から指定した砂粒を見つけ出しているようなものだ。

君の様に無作為に物を放り込む使い方は他の誰にも出来ないだろう。」


「まあ、これについては複数の陣を用意する事で間接的に解決できる。」



そういって、グリア教授は数枚の紙切れを広げる。

どれにも同じような魔法陣が刻まれている。


というか、パット見全部同じにしか見えないが、

彼女曰く座標が違うとの事だった。


なるほど、物と陣を一対一で結びつけているのか。

どの陣が何をしまってあるものなのかは書いておくしかない。



「そして、もう一つ。

魔力供給が途絶えれば、空間の穴は瞬時に閉じる。

腕を突っ込んでいる最中であれば、

その腕は体から分かたれることになるだろうね。」



なんでも無い事のように恐ろしいことを言う・・・

え~!そんな怖くなること言わないでよ!

気軽に使いづらくなるじゃない!

まあ、収納魔法の便利さに慣れきった私に

今更手放すことは出来ないのだけれど。



「さらに、もう一つ。

君の魔力量からしたら大した消費ではないが、

一般人からすればそれなりだ。

そうポンポン開けてはいられないだろう。」



まだ出てくる・・・



「まだまだあるとも。

おそらくだが、体の大部分が向こうに入ってしまえば、

時間停止の影響を受けるだろう。

まあ、こればかりは試すわけにもいかないがね。」


「大きな物を入れるには大きな穴を開けるしかない。

そうして万が一穴の中に落ちてしまえば、

永遠に抜け出せない牢獄の出来上がりさ!

幸いにも本人も認識出来ないだろうけどもね。」




「後は、君は出し入れする際に、

物の重さを感じていないようだが、

当然その物の重さは存在する。」


「タンスなんかをそのまま入れて、

迂闊に取り出そうものなら

私なら潰されてしまうだろう。

まあ、そもそも入れるのにも苦労するだろうがね。」



もう止めて!なにこれ精神攻撃!?

そんな爆弾まみれのもの使ってたなんて知りたくなかった!



「おそらく君の場合は無意識に様々な安全装置や補助が働いているようだね。

本当に君の能力はふざけたものだね。」



そう吐き捨てる様に言い、

教授の精神攻撃はようやく終わった。


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