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1-5.緊急案件

「緊急案件だ!アルカはいるな!」



早速変な事が起きた。


玄関で出迎えたノアちゃんとギルド長の声が聞こえる。


なんでそこで「いるか?」じゃなくて断定してるんだあのおっさん。

日頃の行い?ソウデスネー


部屋まで乗り込まれても嫌なので玄関に向かう。


もう何度も乗り込まれてるけど・・・

乙女の寝室を何だと思ってるんだあのおっさん!

出てこない私が悪い?ハイハイソウデスネー




「アルカすぐに向かって欲しい!」


ギルド長は興奮しているようだ。

要件をすっ飛ばしすぎて意味がわからない。


「落ち着きなさい。あなたギルドの長でしょうが」


「そうだな。悪かった。」


多少落ち着いたギルド長は説明を続ける。


「ダンジョンから魔物が溢れ出した。突然の事で詳しい状況は判明していない。

なんとか魔物が広がらないようにしているが、現状ではそれで手一杯だ。

ダンジョンの奥に向かって原因を突き止めて欲しい。可能なら排除してくれ!」


「わかったわ。」


思っていたより事態は深刻そうだ。

すぐに動こう。


「私も行きます!」


ノアちゃんが名乗りを上げる。

待っているように伝えようとして、思いとどまる。


どう考えても危険だ。連れて行くべきじゃない。

けど、潜入する能力だけなら私以上だ。

それに、最近は私との特訓でかなり強くなった。

連れて行っても損では無い。


さてどうしよう。あまり考えている時間も無い。


「絶対に離れない?」


「はい!」


仕方ない、ノアちゃんも連れて行こう。



すぐに準備を済ませ、ギルド長から聞いたダンジョンに向かった。





----------------------





ダンジョンの前に辿り着くと、魔物と冒険者で溢れかえっていた。


「皆!離れて!」


ダンジョンの入口に向かって魔法を放つ。

溢れてきていた魔物を一気に吹き飛ばす。


「アルカが来たぞ!皆!もう少しの辛抱だ!」


冒険者達から歓声が上がる。


私とノアちゃんは魔物が減ったダンジョンの入口から突入した。





前からどんどん魔物が現れる。


向かってくる魔物を魔法で切り刻んでいくがキリが無い。

かといって洞窟内で範囲魔法をぶちかますわけにもいかない。


すこしずつ前進していく。


そんな調子でなんとかダンジョンの最奥に辿り着いて驚く。


コアが妙な光を放っていた。

近づいて調べる。


なにか細工をされている?

なんだこの魔道具?前に見た時はこんなの無かったはずだ。

外しても問題無いのだろうか?


一か八かコアに取り付いた魔道具に手を伸ばす。

するとコアがさらに輝きを増した。


急激に後ろに気配が生じる。


「ノアちゃん!」


慌ててノアちゃんを庇う位置に移動する。

そこには巨大な人型の魔物が出現していた。


やはりあの魔道具がコアを暴走させて魔物を召喚しているらしい。


このダンジョンにあんな魔物は出現しないはずだが、

ボスクラスの力があるのは間違い無さそうだ。


「ノアちゃん!コアの近くにいて!

あそこならこの魔物は攻撃しないはずだから!」


ノアちゃんの頷いた気配がする。

言われた通りコアの近くで隠れてくれる。



改めて魔物に向き直る。

私もコアに近い位置にいるためか、魔物は迷っているようだ。


ここに居てはノアちゃんも巻き込まれるかもしれない。


ノアちゃんから離れるのは不安だが、

少しコアから離れた位置に移動する。


魔物はこちらに向き直り、腕を振りかぶった。

私も風の魔法を放つ。


硬い!

多少表面は削れたが、あまり効いていない。


巨人から距離をとって攻撃を避ける。

幸い動きは鈍いようだ。

ゴーレム系の魔物に見える。



こういう敵苦手なんだよなぁ!


ゴーレム系は魔法が効きづらい。

文字を書き換えるみたいな手頃な弱点も存在しないので、

私では有効打が少ないのだ。


これが開けた場所なら無理やり焼き切る事も出来るが、

こんな洞窟内で高温の火魔法を使うわけにはいかない。


水も土も風も私の手持ちには有効打がない。

さてどうしようか。


一か八かダンジョンコアを壊してみるか?


この世界のダンジョンは資源として活用されているため、

コアに手を出す事は重罪である。


流石に今回は緊急事態として見逃してくれるだろうけど、

町のためにもできればその手段は取りたくない。


巨人の攻撃をかわしながら考え続ける。


ノアちゃんが心配そうに見ているのが視界に映る。

私が防戦一方で不安なのだろう。

はやくなんとかしてあげよう。


私は決心して、巨人に向き直る。

久しぶりだけどちゃんとできるかしら。


私は自分に向かって次々とバフをかけていく。

再び私に向かって腕を振り上げる巨人。


「どおりゃあ!」


私に向かってきた腕を掴み、そのまま投げる。


巨人は壁まで投げ飛ばされぶつかって、地面に落ちる。

その衝撃で地面が揺れる。


やっば!洞窟でこんな事したら落盤しちゃう!

ダンジョンだから多少は頑丈だろうけど、失敗だった。


巨人が起き上がる前に、私は巨人に向かって駆け出し、

飛び上がって杖を振りかぶる。




そのまま、巨人の首に向かって杖を振り下ろした。


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